2022.06.22 損保ジャパン 自治体向けに「避難支援者保険」提供、NPOと連携し「つながる防災プロジェクト」も開始、災害時避難支援活動中の賠償責任等を補償
損保ジャパンは6月3日、災害時に「誰ひとり取り残さない」安心・安全な地域社会の実現に向けた取り組みとして、6月から自治体向けに「避難支援者保険」の販売を開始すると発表した。また、NPOと連携した地域の防災力向上を支援する「つながる防災プロジェクト」を10月から開始する。激甚化する自然災害に直面する中、「逃げ遅れゼロ」「災害で悲しむ人ゼロ」を目標に、今後も地域の防災を支えるサービスや保険商品の開発、およびステークホルダーと連携した地域社会作りに取り組んでいくとしている。
地域防災の取り組みにおいては、官民連携や地域住民の参加による共助の重要性がますます高まっている。また、2021年5月の災害対策基本法の改正により、避難行動要支援者に対する個別避難計画の策定が自治体に努力義務化され、「逃げ遅れゼロ」の実現に向け、自治体と地域住民が一体となった防災の取り組みが進んでいる。
こうした背景の下、同社は、個別避難計画における避難支援者や地域の防災活動に参加する住民が、安心して活動を行えるよう「避難支援者保険」の販売を開始する。これにより、住民が安心して地域の防災活動に参加できるよう後押しするとともに、個別避難計画の作成の一助として、安心・安全な地域社会の実現に貢献する。
「避難支援者保険」は、避難支援活動中に避難行動要支援者にケガを負わせてしまった場合や、避難支援者自身が避難支援活動中にケガをした場合に保険金を支払う。契約者は自治体(市区町村単位)で、被保険者は避難支援者(個別避難計画の支援者となっている人〈民生委員を除く〉、および地区防災計画に基づき災害時に避難支援に従事する役割が決まっている人〈民生委員を除く〉)。補償内容は、避難支援活動中に他人にケガをさせたり他人の物を壊してしまったりすることによる法律上の損害賠償責任を負った場合の賠償責任の補償のほか、避難支援活動中に避難支援者自身がケガをしたときの補償を提供する。
また、同社は10月から、これまでのサステナビリティの取り組みを通じて培った強みである市民社会とのパートナーシップを活用し、日本NPOセンターと協働で、災害時の共助を後押しする地域ネットワーク(つながり)の構築に向けた取り組み「つながる防災プロジェクト」を開始する。
同プロジェクトは、契約時に顧客がウェブ約款・ウェブ証券を選択したことで削減できたコストの一部を活用し、要配慮者(災害時に特に配慮が必要な人として災害対策基本法で規定される人。高齢者・乳幼児・障がい者・外国人等)を支援するプロジェクトで、日本NPOセンター、および各地のNPO支援センターなどの中間支援組織・当事者団体・児童館などと連携し、要配慮者と共に街歩きを通した防災マップづくり・シミュレーションや訓練・ワークショップ・講演会など市民参加型の防災イベントを開催する。こうした防災イベントを通じて、支援団体・当事者団体・児童館などをはじめとした地域ネットワーク(つながり)の構築に寄与するとともに、参加する地域住民にとって、身近な地域課題である要配慮者への理解、地域防災に対する意識の向上等につなげ、要配慮者を包摂した持続可能な地域づくりに貢献していくとしている。