2022.04.20 東京海上日動・三菱UFJ銀行 GX促進支援サービス提供で基本合意、長期にわたり段階的な支援提供へ

 東京海上日動と三菱UFJ銀行は3月31日、日本のグリーン・トランスフォーメーション(経済成長と環境保護を両立させ、カーボンニュートラルの実現、脱炭素社会へ早期に移行するために必要な変革のこと。以下、GX)の促進を支援するサービス・ソリューションの開発および提供を目指し相互協力することで基本合意した。

 世界でカーボンニュートラル実現に向けた取り組みが加速し、各企業でGX促進が急務となっている。GXの推進は温室効果ガス(以下、GHG)排出量の算定、気候変動が事業全体に与える物理的・移行のリスクと機会の洗い出し、カーボンニュートラルに向けた戦略の立案と実行、カーボンクレジットの活用等、長期にわたる一連の段階的な取り組みが求められる。
 東京海上日動と三菱UFJ銀行は、それぞれ総合金融グループとしてグローバルな活動で培ったネットワークから得られる業界動向や投資家動向などの情報収集力、さまざまな分野での事業機会やリスクの分析力、それらを基にしたファイナンスや保険、サービスによるソリューションの提供に強みを持っているところから、両社が有する専門性と多様なリソースを生かし、顧客のGX促進に必要なサービスを一貫して提供できる体制を構築し、日本のGXを加速化するために提携することを決めたとしている。
 今回の提携では、2050年のカーボンニュートラル実現およびGX戦略の策定・推進に向けて顧客が取り組む各ステージにおいて、両社の強みを生かしたサービスを提供する。
 第1弾として、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)開示で必要となるGHG排出量の可視化、物理的リスクや移行リスクなどの分析・評価を中心としたコンサルティングサービスの提供を本年度内に開始する予定で、「類似業種に求められる開示水準を知りたい」「どのような目標設定をすればよいか悩んでいる」といった現状把握のニーズに応える。
 第2弾では、現状把握を踏まえた経営戦略の立案をサポート。GHG排出削減計画の策定、CDP(旧名称カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト。世界の機関投資家が連携し、企業の気候変動戦略や具体的な温室効果ガス排出量の公表を求めるイニシアティブ)やSBT(Science Based Targetsの略。パリ協定が求める水準と整合したGHG排出削減目標のこと)などの各種認定取得支援などを行う。「投資家との対話やルールの変化を踏まえ、戦略を随時見直したい」といった戦略高度化のニーズに応える。
 第3弾では、戦略遂行に必要となるファイナンス商品・保険やカーボンクレジット活用など、顧客ニーズに即した新サービスの創出も視野に入れている。「掲げている目標の達成に向けトランジションに着実に取り組みたい」といったニーズに応えていく。