2021.11.22 かんぽ生命 21年度第2四半期決算、中間純利益14%減805億円

かんぽ生命が11月12日に発表した2021年度第2四半期(中間期)決算によると、連結業績では、保有契約の減少等に伴い保険関係損益が減少したため基礎利益が減少したものの、キャピタル損益の改善等により、経常利益は前年同期比13.0%増の1838億円、中間純利益はキャピタル損益が価格変動準備金と相殺されることなどから同14.0%減の805億円となった。契約の状況では、個人保険の新契約年換算保険料は同52.2%増の229億円、うち第三分野は同46.0%増の10億円だった。新契約年換算保険料は前年同期比で伸展したものの、募集品質問題発生前の19年3月期第2四半期との対比では▲87.6%と大きく下回っている。エンベデッドバリュー(EV)は、21年5月に実施した自己株式の取得(3588億円)に伴う純資産の減少等により、前年度末比5.8%減の3兆7914億円だった。
 かんぽ生命の連結の経常利益は通期業績予想2900億円に対して63.4%の進捗率、中間純利益は同1180億円の予想に対して68.3%の進捗率となっている。
 なお、保有契約年換算保険料は、個人保険が3兆7137億円で前期末比4.7%減、うち第三分野が6474億円で同3.2%の減少となった。
 個人保険の保有契約件数は、新旧区分合算で前期末比4.1%減の2380万件だった。商品別に見ると、養老保険は843万件(占率35.4%、前期末実績906万件)、終身保険は1181万件(占率49.6%、前期末実績1206万件)、学資保険は342万件(占率14.4%、前期末実績357万件)、その他は12万件(占率0.5%、前期末実績12万件)となっている。
 連結主要業績では、経常収益は前年同期比1592億円減(同4.7%減)の3兆2261億円。このうち、保険料等収入は同1429億円減の1兆2748億円、資産運用収益は同410億円増の5613億円、責任準備金戻入額は同128億円減の1兆3768億円だった。
 経常費用は同1803億円減の3兆422億円で、このうち、保険金等支払金は同1505億円減の2兆7797億円、資産運用費用は同266億円減の190億円、事業費とその他経常費用の合計は同32億円減の2434億円。事業費は同39億円減の1922億円で、このうち委託手数料は同23億円減の929億円。委託手数料のうち、新契約手数料は同48億円減の196億円、維持・集金手数料は同25億円増の733億円だった。拠出金は、同10億円減の270億円だった。
 かんぽ生命の単体ベースでは、順ざやが前年同期比285億円増加したものの、保有契約の減少等に伴い保険関係損益が減少したため、基礎利益は前年同期比で93億円減少して2172億円となった。キャピタル損益に対しては、その相当額の価格変動準備金を繰り入れる、または取り崩す会計処理を継続実施。基礎利益の減少と危険準備金の超過繰入に伴う臨時損益の減少により、中間純利益は前年同期を133億円下回り799億円となった。
 連結の総資産は、前期末から1兆8294億円減少し、68兆3434億円となった。純資産は同1771億円減少し2兆6643億円。株式、外国証券等の収益追求資産については、日経平均株価等の上昇により、含み益が増加したことから残高は前期末比2056億円増加し11兆3868億円となった。国内の公社債については、安定的な収益が確保できる資産として長期債と超長期債を中心に運用したが、償還等により残高は減少した。貸付金については、郵政管理・支援機構への貸付、シンジケート・ローン、地方公共団体貸付、保険約款貸付を実施しており、同機構への貸付金の償還により残高は4兆5962億円に減少した。
 資産運用収益については、金銭の信託運用損益が改善したことから、前年同期比410億円増の5613億円となった。資産運用費用については、為替リスクのヘッジに伴う金融派生商品費用の減少等により、同266億円減の190億円となった。その結果、資産運用収支は、同676億円増加し、5422億円となった。
 連結ソルベンシー・マージン比率は、1090.3%で前期末比30.9ポイント減少した。
 21年3月期通期の連結業績予想については、経常収益6兆3800億円、経常利益2900億円、当期純利益1180億円、1株当たり当期純利益280.05円とする直近に公表した業績予想から修正はない。