2021.02.04 ■三井住友海上 火災保険を改定、特定機械設備水災補償など新設[2021年1月1日]
三井住友海上は1月1日付で火災保険を改定した。個人向け火災保険では、特定機械設備水災補償特約や防犯対策費用特約など新たな特約を新設して補償を充実させた。企業向け火災保険では、新型コロナウイルスのまん延への対応として休業損害補償を拡充した。また、火災保険の参考純率改定を受けて保険料率も改定した。
個人火災保険「GKすまいの保険」では、特定機械設備水災補償特約を新設した。台風、豪雨等に起因する洪水・土砂崩れ等によって空調・冷暖房設備、給湯設備、昇降設備、充電・発電・蓄電設備、駐車場機械設備等の機械設備に発生した損害を補償するもので、建物の水災事故の有無にかかわらず保険金を支払う。建物を保険の対象に含む「フルサポートプラン」または「セレクト(破損汚損なし)プラン」の場合にセットできる。
また、建物において犯罪行為が発生した場合に再犯防止のために要した建物の改造費用、防犯機器等の設置費用、またはドアの鍵が盗難に遭った場合に要した錠の交換費用を補償する防犯対策費用特約や、建物の損害に対する支払保険金の額が1回の事故で建物保険金額に相当する額となり、保険契約が終了する場合に損害保険金の10%を支払う特別費用保険金特約(1回の事故につき1敷地内ごとに200万円が限度)も新設された。両特約とも自動的にセットされる。
一方、企業火災保険の「ビジネスキーパー」や「プロパティ・マスター」では、休業損害の補償について新型コロナウイルスに関する保険金支払額を拡充した。両商品の休業損害ではもともと、食中毒や18種類の特定感染症による休業が補償の対象になっており、新しいウイルスである新型コロナウイルスは対象外だったが、社会からの要請などを考慮し、昨年5月に新型コロナウイルスに対する一時金補償特約を新設し、20万円を支払うことにした。今回の改定ではさらに、実際の休業日数に応じた支払いができるように改定した(上限14日間、最大500万円まで)。このほか、ビジネスキーパーのベーシックプランでは、水災事故の補償で支払条件となっていた床上浸水を外して縮小支払割合方式を導入することでより分かりやすくした。
今回の商品改定に合わせて保険料率も改定した。2019年10月の参考純率改定を受けて保険料率全体を見直したほか、「GKすまいの保険」では、築年数別料率体系の3区分から6区分への細分化、建物保険料での保険金額別係数の新設を行った。また、「ビジネスキーパー」や「プロパティ・マスター」でも、近年の自然災害の発生状況を踏まえて料率を見直したほか、保険金額別料率や水災料率でメリハリをつけて契約者間の公平性を高めた。
同社火災傷害保険部企業火災保険チームの井上靖夫課長は「近年、大規模な自然災害が頻発しているが、当社としては今後も、お客さまの納得感を高められるような料率見直しを行い、補償の魅力が増すような商品改定を行って、お客さまに安定的な補償を提供していきたい」と話す。
また、同部個人火災保険チームの小熊裕之課長は「コロナ禍になって対面でお客さまに商品をご案内することが難しくなっているが、当社ではデジタルを活用して非対面でご説明・募集する仕組みを整備しており、今後もそうしたスキームを活用して、より多くのお客さまに当社商品をご案内していきたい」としている。