2020.11.13 ■新生銀が変額年金の新商品販売 クレディ・アグリコル生命と共同開発[2020年11月16日]
新生銀行(東京都中央区、工藤英之社長)は11月16日から、クレディ・アグリコル生命と共同開発した変額個人年金の新商品「攻守力」(正式名称:変額個人年金保険(11))の販売を開始する。人生100年時代を見据えた運用特化型の円建て変額個人年金保険で、顧客が払い込んだ保険料を一定期間特別勘定で運用を行った後、その運用実績に応じて受け取る年金額が変動(増減)する。運用については、13種類の豊富なファンドラインアップを自由に組み合わせことができるほか、初の試みとして顧客ニーズに合わせたポートフォリオの紹介に活用する「ポートフォリオ・リスク算定ツール」を導入。同社では同商品の販売を通じて、顧客に対して最善の利益提供を目指したい考えだ。
新商品の変額個人年金「攻守力」は、長期・分散投資に最適な設計を行い、課税の繰り延べ効果による中長期運用が可能な商品で、初年度に偏った代理店手数料体系を見直し、初年度以降、資産残高に応じた一定割合の手数料を継続的に銀行が受け取るという独自の販売手数料体系を採用している。
さらに、顧客ニーズに合わせたポートフォリオの提案やアフターフォローを実施するため、初めての試みとして、同社がクレディ・アグリコル生命と共同開発した「ポートフォリオ・リスク算定ツール」を導入し、特別勘定の組み合わせによって異なるリスクを計算して顧客のリスク許容度に合致した提案を行う。
契約年齢は20歳~75歳、保険料の払込方法は一時払のみで、200万円~3億円となる。一定の条件で3億円を限度に被保険者が75歳までは基本保険金額の増額が可能。年金種類は確定年金のみで、積立期間は10年。変更後の被保険者の年金支払開始日時点の年齢が85歳以下となる範囲内で、年金支払開始日を1年単位で最長10年繰り下げることができる。
運用については、株式や債券、不動産投資信託などの13種類の特別勘定を自由に組み合わせることができ、電話やウェブサイトでのスイッチング(積立金の移転)が可能で1保険年度につき15回までは手数料も無料。
運用効率については、一時払保険料を全額特別勘定に繰り入れるため、高い運用効率を目指す費用設定となっており、積立金額が基本保険金額を下回った場合にのみ発生する危険保険料を導入することで、好調時の運用効率を損なわない仕組みになっている。
積立期間中に被保険者が死亡した場合に積立金額または基本保険金額のいずれか大きい額の死亡保険金を支払うシンプルな保険機能を提供し、積立金額が基本保険金額を下回っていた場合でも、基本保険金額が最低保証される。
同商品の開発について新生銀行は、日本では少額・積み立ての投資については税制優遇策が広がりつつあるものの、一度に高額資産を運用する場合に税制優遇メリットが受けられる商品が少ない点に着目。日本でも保険商品を活用した運用商品を開発することが課題解決につながると考えたという。
新生銀行の「お客さま本位の業務運営に関する取り組み方針」では、①信頼関係を重視し顧客に寄り添う提案をするコンサルティング②顧客のさまざまなニーズに合わせた商品サービスの提供③顧客の評価を店舗やスタッフの評価に反映させる評価教育④顧客のライフスタイルに合わせたサービスや環境を提供するDX・チャネル―の四つの取り組みを促進している。
さらに、「お客さま第一」の金融サービスを追求し、顧客への最善の利益の提供に向けて全スタッフが守るべきものとして、①お客さま第一②コンプライアンス③誠実さ④プロ意識⑤責任感⑥チームワーク―の六つの価値観を「お客さまへのお約束」として定めている。
同社執行役員リテール営業総括の大竹博貴氏はこうした取り組み方針について、提案からアフターフォローまでを一連のサービスとして顧客に提供していくという覚悟の表れだと強調し、「新商品は、取り組み方針を具現化するためのソリューションになる」と自信を見せる。
また、運用先を顧客の希望に合わせて切り替えられるという特徴が、顧客本位の業務運営の促進につながるとした上で、アフターフォローと正しい提案を実践して顧客の利益につなげ、契約を継続してもらうことで、利益が発生する仕組みになっているとし、「社員のコンサルティング能力の向上やアフターフォローを強化していく」という。
今後同社は、人生100年時代を見据えた中長期の資産形成に資するソリューションとして、正しい方法で同商品を販売することを通じて、顧客からの評価を得ることに加え、良好な関係を長期にわたり構築していきたい考えだ。