2020.11.12 ■東京海上日動・エアモビリティ・三重県 「空飛ぶクルマ」で包括協定、実証実験進め実用化目指す[2020年11月4日]

 東京海上日動・エアモビリティ㈱(東京都新宿区、浅井尚代表取締役社長)・三重県(鈴木英敬知事)の3者は11月4日、東京都江東区の東京ビッグサイトで開催された「フライングカーテクノロジー」の会場内で、「空飛ぶクルマ」に係る実証実験ならびに実用化に向けた包括協定の締結式を行った。当日はエアモビリティの浅井社長が登壇し、東京海上日動の鹿子木満常務と三重県の鈴木知事はオンラインでの出席となった。3者はそれぞれの役割を発揮し、「空飛ぶクルマ」の実現に向けて連携していくとしている。
 3者は昨年以降、空飛ぶクルマの実用化に向けて意見交換を進めてきた。このたび、3者の連携体制を明確にし、実証実験の誘致をはじめとした取り組みを積極的に推進する目的で連携協定の締結に至ったという。
 今回の包括協定の主な連携内容は、①三重県内における空飛ぶクルマを活用した実証実験の誘致および実施事業者等への支援②実証実験・実用化に関するリスクアセスメントの実施③安心して実証実験を進めていくための保険プログラムの組成④実証実験を踏まえた空飛ぶクルマの実用化に向けた取り組みの検討⑤実証実験の実施または実用化に向けた具体的な取り組みを推進するため、国内外の関係事業者が参画するコンソーシアムの組成⑥空飛ぶクルマの実用化に向けた機運醸成―となっている。
 それぞれの関わりとしては、三重県では、新たなテクノロジーである「空飛ぶクルマ」を活用し、交通・観光・物流・生活等のさまざまな地域課題を解決して、地域における生活の質の維持・向上を図るとともに、新たなビジネス創出等を実現する「空の移動革命」を目指した取り組みを進めている。
 エアモビリティは、「空飛ぶクルマ」の販売やサービスに関するインフラをプラットフォーム上に構築することで、「空飛ぶクルマ」の航行に関するサービスをワンストップで提供することを目的として2019年8月1日に設立された企業。今後インフラプラットフォームのコアシステムであるASCP(エアモビリティサービスコラボレーションプラットフォーム)を自社開発し、ナビゲーションシステムや離発着場システム等と連携させて「空飛ぶクルマ」が簡単かつ安全に航行できるようサービスを提供する予定となっている。
 東京海上日動は、「空飛ぶクルマ」に関する保険制度の設計・開発、リスク分析・運用ルール等の作成支援を通じて安心安全な実証実験とその実用化に向けた支援を行うとしている。
 あいさつに立った浅井社長は「『空飛ぶクルマ』は今後、空の移動革命をもたらすのではと期待されている。当社はインフラの面から空の移動革命の実現に貢献していきたい」と力強く語った。
 また、鹿子木常務は「損保会社として新たな領域のリスクに向き合い、迅速かつ柔軟な保険設計とリスクマネジメントを行っていきたい」と述べた上で、同社が昨年から国内で空飛ぶクルマの開発をけん引する企業向けに保険プログラムの提供を開始したことを紹介。今後は、三重県で空飛ぶクルマの実用化実現を目指していく中で、各フェーズにおいて新たな法整備に随時対応するとともに、エアモビリティの知見やノウハウとも連携の上、柔軟な保険設計を行っていくことをあらためて強調した。
 鈴木知事は、空飛ぶクルマのマーケットが将来的には150兆円になるとの予測値を示し、新たなビジネスチャンスを生む産業であるとする一方で、地方にとって、“誰もが住み続けたい地域に住み続けられる社会”をつくることが極めて重要との観点から、全国に先駆けて空飛ぶクルマに関するさまざまな施策を展開してきたと説明。同氏は「本協定で、目指すべき社会の実現に向けて一歩を踏み出すことができた。これからは3者で手を携えて空飛ぶクルマの実現に向けて着実に取り組んでいきたい。また、三重県発のこのモデルが日本中に展開していくことも期待している」と展望を語った。