2016.12.07 チャブ損保が賠償パッケージ2商品発売、中小企業リスクを包括補償

 チャブ損保は12月1日、賠償責任保険のフルパッケージ2商品(製造業者向けの「製造Pro」、小売業などの店舗を運営する事業者向けの「リテールPro」)を発売した。いずれも、賠償リスクをまとめて補償する商品で、「基本プラン」と「ワイドプラン」を用意。「直近会計年度の売上高を基にした確定保険料」での契約となるため、保険期間終了後の保険料の確定精算の手間がかからない。同社では、中小企業向けに拡販していく計画で、11月には既存代理店向けの説明会をスタート。来年からは、新規代理店開拓のための商品としても活用する方針だ。
 同社は、「業務、商品・サービスに起因して、他人の身体障害、財物損壊に関わる事故が発生した場合、被害者から高額な法律上の損害賠償を求められる場合がある。取り巻くさまざまなリスクを一つの商品で総合的に補償したい」として、両パッケージ商品を開発した。
 両商品は、主契約で損害賠償金、損害防止費用、権利保全費用、緊急措置費用、協力費用、争訟費用の保険金を支払い、さらにセットした総合賠償責任拡張補償特約でより幅広い補償を提供している。パッケージ化したことで割安な保険料を実現しており、ISO9000シリーズ取得による割引もある。契約者は、補償の範囲(基本プランまたはワイドプラン)を選択し、支払い限度額、免責金額を設定。
 「製造Pro」の基本プランでは、漏水、昇降機包括、構内専用車両、初期対応費用など16項目を補償。事業所借用不動産損壊賠償の補償も提供する。ワイドプランではさらに9項目の補償があり、その中には、国外一時流出生産物補償、海外業務出張危険補償、通勤中自転車危険補償、製造業者業務過誤賠償補償、環境汚染賠償責任補償なども入っている。
 「リテールPro」の基本プランでは、「製造業Pro」とほぼ同様の補償に、来場者携行品補償と施設外看板等補償を加えた18項目を設定しており、ワイドプランでは、通勤中自転車危険補償、環境汚染賠償責任補償もセットしている。
 P&C本部新種保険部新種保険シニア・アンダーライターの堀田貴規氏は「ワイドプランを選択いただけば、製造・リテール事業者の賠償リスクを包括的に補償すると同時に付保漏れもなくなる。保険料も売上高一本で算出できるなどお客さまにとって不便のない商品のため、代理店も販売しやすい」と話す。
 自転車通勤者の増加を意識して開発した商品で、通勤中の自転車により、記名被保険者である企業が法律上の損害賠償責任を被るケースを考慮した賠償カバー(通勤者の個人賠償を補償するものではない)を設けた点も新しく、総合型に環境汚染賠償や製造業者向けの業務過誤の賠責(E&O)を付加しているのも同社ならでは。
 11月に社内向けの説明会を実施して支店による代理店対応を開始し、東京、大阪、名古屋ではビジネスデベロップメントのP&Cに特化した担当者によるセミナーもスタートさせた。来年からは既存代理店向けの勉強会などを随時開催する予定で、新たな代理店を増やすための施策としてセミナーにも注力していく。堀田氏は「両保険は、建設業以外向けとして、当社として初めて開発した賠償責任のフルパッケージ商品だ。中小企業のニーズとして把握していた補償全般をカバーできる保険で、現在約3000店ある当社の代理店に浸透させるとともに、新規の代理店も増やして拡販に結び付けたい」と意欲を見せている。