2020.07.14 ■明治安田生命 第73回定時総代会開く、20年度はコロナ禍への対応に注力[2020年7月2日]

 明治安田生命は7月2日、同社本社で第73回定時総代会を開催した。委任状も含め218人の総代が出席し、報告事項2件、決議事項5議案を全て承認・可決した。可決された2019年度剰余金処分案には剰余金処分額を2006億9157万円とし、このうち1488億7466万円を社員(契約者)配当準備金として繰り入れる内容が含まれている。また、総代会で2020年度からの新たな経営計画(10年計画)「MY Mutual Way2030」について説明した根岸秋男社長は、当初は20~22年度を成長軌道を確保する3年間と位置付けていたが、今般の新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う環境変化を踏まえ、20年度をコロナ禍の環境に適合した早急な態勢の整備に取り組む1年に変更し、新3カ年プログラムのスタートを1年延期することを報告した。

 総代会では、①19年度事業報告、貸借対照表、損益計算書、基金等変動計算書、連結貸借対照表、連結損益計算書および連結基金等変動計算書報告②相互会社制度運営に関する報告―が行われた他、会社側から①19年度剰余金処分案承認の件②定款一部変更の件③総代選出規則一部変更の件④総代候補者選考委員選任の件⑤取締役11人選任の件―の5議案が提出され、全て承認された。
 2020年度の新たな経営計画「とことん!アフターフォロー特別計画」では、顧客からの期待を超えるアフターフォローに注力するため、業績目標は設定せず、アフターフォローの進捗を測る指標等を「経営目標」に設定。重点方針として①顧客志向の取り組みの推進②コロナ禍を踏まえた態勢の整備③「10年後にめざす姿」の実現に向けた4「大」改革の先行実施(営業サービス、基幹機能事務、資産運用、Mutual経営)―の3点を掲げ、各種取り組みを推進する。
 経営目標は次のとおり。
 ▽「お客さまアクセス数(個人営業)」(営業職員等が対面・非対面を通じてアクセスする生命保険契約者の人数)が500万人、「お客さまアクセス数(法人営業・団体保険加入者)」(法人営業担当等がアクセス〈団体・事業所を通じて行う場合を含む〉する任意加入の団体保険加入者の人数)が250万人、「お客さまアクセス数(法人営業・団体保険等窓口)」(法人営業担当等がアクセスする既契約・窓販商品供給団体の団体数)が6800団体、アドバイザー数が3万4500人(前年差で+約1000人)。
今後は、顧客に対して、新型コロナウイルス感染症に関する特別取扱いを案内し、保障継続に向けたコンサルティング活動を実施するほか、最先端デバイス等を活用した対面と非対面を融合した新たなアフターフォローの仕組みの構築、非対面による生命保険の加入手続きの実施など、保険サービス活動の進化に取り組む。
 また、すでに展開している「みんなの健活」プロジェクトに、新たに展開する「地元の元気」プロジェクトを加えた2大プロジェクトを通じ、コロナ禍を乗り越えるための元気を届けるコンテンツの提供にも取り組む方針を明らかにした。
 各取り組みを説明した根岸社長は「当社の新たな10年計画『MY Mutual Way2030』および『2020年度とことん!アフターフォロー特別計画』において、皆さまのご期待を超える価値を提供すべく役職員一丸となって取り組んでいく」との強い決意を語った。
 19年度の事業報告では、17年4月にスタートした3カ年プログラム「MYイノベーション2020」の成果が報告された。この間同社は、顧客志向とコンプライアンスの徹底を前提に、「成長性」「収益性」「健全性」のバランスを取りつつ、成長戦略・経営基盤戦略・ブランド戦略を推進した結果、企業価値(EEV)は5兆7948億円(16年度末比+20・0%)と、経営目標である+20%成長を実現するとともに、顧客数とオンバランス自己資本等も経営目標を達成。
 また、顧客満足度調査における総合満足度は62・8%(前年度差+1・3pt)と過去最高となったほか、ソルベンシー・マージン比率も過去最高値を記録し、基礎利益は3年連続最高益を更新した。
 総代からの意見・質問については事前に19人から39件が寄せられたが、議事をできるだけ簡潔に行う観点から、新型コロナウイルス感染症に係る代表的な三つの質問について回答し、その他の質問への回答は書面にて行われた。
 会場で取り上げられた質問は①コロナ禍における同社の現状と今後の見通しや従業員の安全を確保しながら事業を継続発展させるためにどのような対策を実施しているか②コロナ禍により保険に対する顧客の考え方はどのように変わってきているか。また、対面営業が難しい中、足元の対応状況と今後の対応の方向性について③在宅でのテレワークについて生産性の観点からコロナ禍における状況および今後の取り組みを説明してほしい―の3問だった。