2020.04.01 ■明治安田生命 新たな生命保険の価値を提供、「MYトラストボックス」取扱開始[2020年]

 明治安田生命は、信託商品・関連サービスとして「MYトラストボックス(マイトラストボックス)」と呼ぶサービスの取り扱いを開始する。契約者から死亡保険金受取人に対する「想い」の継承を目的とする「エピローグ・レター」と「生命保険信託」、生命保険だけではこれまで実現できなかったサービスとして、手続き面をサポートする「遺言信託・遺産整理業務」と「成年後見制度・家族信託相談サービス」の四つの商品・サービスで構成され、このうち「遺言信託・遺産整理業務」と「成年後見制度・家族信託相談サービス」はこの4月からスタートする。

 日本では、少子高齢化やデジタル化、ヘルスケア技術の進展の影響による生活スタイル・価値観の変化などにより、家族のあり方が変化しているとともに、認知症患者数の拡大等長生きに対するリスクが顕在化し、従来の生命保険の機能だけでは十分にカバーできないケースも出てきた。
 こうした背景を踏まえ、「MYトラストボックス」では、これまで生命保険だけでは実現できなかった「顧客の『想い』を預かり、その実現をサポートする機能」を四つの商品・サービスとして提供することで、新たな生命保険の価値を提供する。
 「エピローグ・レター」は契約者から手書きのメッセージを預かり、死亡保険金の支払い後に受取人宛てに届けるサービス。普段なかなか言葉にできない家族への感謝の気持ちや生命保険に託した「想い」を未来に届けることで、遺された家族を心理面でもサポートする。死亡保険金が支払われた後、受取人にメッセージ・写真を閲覧するための専用ウェブサイトへのアクセス方法等を記載したカードを発行し届ける(自筆証書遺言の要件を満たさないので、遺言としての効力はない)。カード発行後3年間は、メッセージ・写真を閲覧可能(自身の端末に保存することもできる)。1保険契約につき、1件まで申し込むことができる。取り扱いは6月からになる予定。
 「生命保険信託」は、生命保険契約と信託契約を組み合わせた商品で、契約者が生前に死亡保険金の使途を指定することができる。りそな銀行と信託業務にかかる代理店委託契約を締結、被保険者が死亡した場合、りそな銀行が信託の受託者として死亡保険金を受け取り、契約者が生前に指定した受益者(受取人)に対し、あらかじめ指定された方法で管理しながら支払うというもの。受取人の財産管理に不安がある顧客、高齢の顧客や母子・父子家庭の顧客、子どもがいない顧客、障がいのある子どもを持つ顧客等に、「生命保険信託」を活用することで、受取人を長期的にサポートすることが可能となり、契約者が死亡保険金に込めた「想い」を確実に届けることができる。関係当局への届け出・認可が前提となり、21年4月から取り扱い開始予定。
 「遺言信託・遺産整理業務」は、りそな銀行との間で、信託業務(併営業務)にかかる代理店委託契約を締結の上、取り扱いを開始する。具体的な相談はりそな銀行に紹介・取り次ぐ形となる。取次商品は、遺言についての事前の相談から遺言書の作成、遺言書の保管、遺言の執行までを手伝う「遺言信託(りそなの遺言信託)」と、相続財産目録の作成や遺産分割協議書に基づく遺産分割手続きの実施等を手伝う「遺産整理業務(相続手続代行サービス・相続手続安心パック)」の2種類。4月1日から取り扱い開始になる。
 「成年後見制度・家族信託相談サービス」は、成年後見制度または家族信託に関する具体的な相談を希望する場合、明治安田システム・テクノロジー㈱「介護の広場本部」に紹介・取り次ぎし、近くの司法書士もしくは家族信託を取り扱う専門家を紹介するサービス。
 成年後見制度は、認知症等で判断能力が不十分になった人の財産や人間としての尊厳を法律面や生活面で支援するための制度で、将来の判断能力が不十分になった場合に備えて、任意後見制度も活用できる。顧客の依頼・相談内容に応じ、公益社団法人成年後見センター・リーガルサポートを紹介する。
 家族信託は、認知症等により判断能力が低下した場合に備えて、信頼できる相手に自分の財産の管理や処分をする権利を託しておく家族のための財産管理の仕組みで、顧客の依頼・相談内容に応じ、一般社団法人家族信託普及協会を紹介するもの。いずれも4月1日から取り扱い開始になる。