2020.02.27 ■明治安田生命 19年度第3四半期決算、グループ基礎利益 増益予想に[2020年2月14日]

 明治安田生命が2月14日に発表した2019年度第3四半期決算によると、グループ・明治安田生命単体ともに前期に続き減収減益となった。グループ保険料(連結損益計算書上の保険料等収入)は、2兆1319億円と前年同期比7・6%の減収となり、このうち明治安田生命単体では外貨建一時払保険の販売減少により、1兆8959億円と同8・4%の減収となった。グループ基礎利益は、当期は減益となったものの計画を上回る水準を確保し、引き続き高い収益性を維持、19年度業績見通しを「横ばい」から「増益」に修正している。

 グループ保険料2兆1319億円のうち、海外保険事業等は前年同期比0・1%減の2359億円となった。うちスタンコープ社は同0・1%減の2176億円。
 グループ基礎利益は、前年同期の有価証券償還益の剥落や団体保険の料率引き下げの影響等により、明治安田生命単体で減益したことに伴い、4141億円と同12・5%減の減益となった。ただし、スタンコープ社が同9・1%の増益となるなど海外保険事業等については、同7・9%増の507億円と増益を示した。
 連結ソルベンシー・マージン比率は前年度末差63・0ポイント上昇し、1103・1%と引き続き高い健全性を維持している。
 明治安田生命単体の業績は、保険料等収入が前年同期比8・4%減の1兆8959億円となった。外貨建一時払保険の販売減少が主因。このうち営業職員チャネルは同4・8%減の1兆93億円だったが、そのうちの平準払商品は、2019年4月に発売した「ベストスタイル健康キャッシュバック」の貢献等により、9245億円と同1・4%の増加を示した。
 新契約年換算保険料(個人保険・個人年金保険)は同28・2%減の760億円。チャネル別内訳では、営業職員チャネルが同25・2%減の667億円、銀行窓販チャネルが同48・3%減の78億円。新契約年換算保険料のうち、第三分野は、同29・4%減の296億円となった。
 保有契約年換算保険料(個人保険・個人年金保険)は前年度末比1・3%減の2兆2373億円。
 基礎利益は、前年同期の有価証券償還益の剥落や団体保険の料率引き下げの影響等により、前年同期比14・5%減の3703億円となった。このうち利息及び配当金等収入は、同3・6%増の6013億円となっている。
 ソルベンシー・マージン比率は、前年度末から49・5ポイント上昇して1032・8%に増加した。実質純資産額は、前年度末差2927億円増の10兆4858億円、オンバランス自己資本は、内部留保の積み増しや国内劣後債の発行等により、3兆593億円と前年度末から1405億円増加している。
 契約クオリティを示す指標では、解約・失効・減額率は、前年同期差0・18ポイント上昇し、3・00%となった。総合継続率は13月目が同0・3ポイント低下の94・5%、25月目が同0・8ポイント低下の88・8%とともに高水準を維持している。
 明治安田生命単体の経常収益は2兆6450億円だった。経常費用は2兆4507億円で、このうち保険金等支払金は1兆6792億円、責任準備金等繰入額は2212億円、資産運用費用は1830億円。経常利益は1943億円、四半期純剰余は1395億円となった。一般勘定資産全体の含み損益は、6兆6624億円(前年度末差2874億円増加)で、時価のある有価証券の含み損益は、株価上昇による株式の含み益増加を主因として増加(同2903億円増加)している。国内株式含み損益ゼロ水準は、TOPIXベースで680ポイント程度になっている。
 スタンコープ社の保険料等収入は、主力の団体保険事業が順調に推移し、為替の影響で円貨ベースでは2176億円と前年並みとなったが、現地通貨ベースでは5・1%増と増収を確保している。基礎利益相当額は、団体保険事業の給付率低下による収益改善を主因に、同9・1%増益の377億円となった。当期純利益は同16・7%増の243億円と大幅な増益だった。
 2019年度の業績見通しは、グループ・単体ともに保険料等収入を「減収」、基礎利益を「増益」となる見通しに修正した。保険料等収入は、外貨建一時払保険の販売減少を主因に、グループ保険料は2兆9300億円程度、うち明治安田生命単体では2兆6100億円程度と前年度比減少と予想。基礎利益は、外債投信からの分配金増加等の影響により、グループ基礎利益は6500億円程度、うち明治安田生命単体では6100億円程度と予想。グループ・単体ともに、3年連続で「過去最高益」を更新する見通しとしている。