2019.08.15 MS&ADHD 19年度第1四半期決算 正味収保、国内損保の増収寄与

 MS&ADインシュアランスグループホールディングス(MS&ADHD)が8月7日に発表した2019年度第1四半期決算によると、連結経常収益は前年同期比2.5%増の1兆4977億円となった。正味収入保険料は海外保険子会社が減収となったものの、国内損保子会社の増収が寄与し、同0.6%増の9768億円だった。生保は、生命保険料が同2.7%増の2984億円で、グロス収入保険料は同3.7%増の3759億円となった。経常利益は同6.0%減の1179億円。四半期純利益は国内損保と海外子会社の増益を主因に同14.5%増の959億円で、通期予想2000億円に対して48.0%の進捗(しんちょく)となり、順調なスタートを切った。

 国内損保主要2社の業績で、2社合計の保険引受利益は既経過保険料の増加や異常危険準備金損益がプラス要因となり、同151億円増の628億円と前年同期実績を上回った。三井住友海上は同183億円増の464億円、あいおいニッセイ同和損保が同31億円減の163億円だった。
 正味収入保険料は、自然災害リスクを中心とした再保険の買増等による減収影響があったものの、火災保険・自動車保険・新種保険などで元受保険料が増収し、正味収入保険料は2社合計で同105億円増の6966億円となった。三井住友海上は同22億円増の3787億円、あいおいニッセイ同和損保は同82億円増の3179億円だった。
 三井住友海上の正味収入保険料を種目別に見ると、火災は同8.5%減の398億円、海上は同4.3%減の157億円、傷害は同1.9%減の401億円と前年同期実績を下回ったが、自動車が同1.3%増の1706億円、自賠責が同7.5%増の427億円、その他が同3.4%増の696億円と前年同期比プラスで推移した。除く家計地震・自賠責ベースでは、同0.2%減の3358億円だった。
 正味支払保険金は同3.7%増の2043億円、正味損害率(含む損調費)は同1.6ポイント上昇して59.7%、正味事業費率(除く損調費)は同横ばいの31.8%、コンバインド・レシオは同1.6ポイント上昇して91.5%となった。
 あいおいニッセイ同和損保の正味収入保険料の種目別では、海上が同0.5%減の19億円、傷害が同9.3%減の157億円と前年同期実績を下回ったが、火災が同1.8%増の414億円、自動車が同2.8%増の1825億円、自賠責が同5.7%増の384億円、その他が同5.8%増の379億円と前年同期比プラスで推移した。除く家計地震・自賠責ベースでは、同2.2%増の2794億円だった。
 正味支払保険金は同2.3%増の1656億円、正味損害率(含む損調費)は同0.1ポイント上昇して57.4%、正味事業費率(除く損調費)は同0.7ポイント上昇して34.3%、コンバインド・レシオは同0.8ポイント上昇して91.7%となった。
 国内損保主要2社の資産運用・その他収支は、政策株式の売却益が減少したことから、同47億円減の569億円となった。三井住友海上は同48億円減の398億円、あいおいニッセイ同和損保は同1億円増の170億円だった。
 2社合計の経常利益は同104億円増の1197億円で、三井住友海上は同134億円増の863億円、あいおいニッセイ同和損保は同30億円減の334億円となった。2社合計の四半期純利益は保険引受利益の増益を主因に同85億円増の897億円となった。三井住友海上は同106億円増の658億円、あいおいニッセイ同和損保は同21億円減の239億円だった。
 ソルベンシー・マージン比率は三井住友海上が前年度末比16.4ポイント上昇して739.6%、あいおいニッセイ同和損保が同117.2ポイント上昇して805.4%となった。
 国内生保事業で、三井住友海上あいおい生命は新契約高(個人合計)が前年同期比45.1%減の5021億円となった。新契約年換算保険料は同29.1%減の66億円で、このうち第三分野は同18.3%増の48億円だった。保有契約高(個人合計)は期首比0.1%減の24兆5105億円。保有契約年換算保険料は同4.0%増の4488億円で、このうち第三分野は同19.7%増の1291億円だった。
 保険料(グロス収入保険料)は三井住友海上、あいおいニッセイ同和損保からの第三分野長期保有契約移行による増収影響もあり、前年同期比5.0%増の1225億円となった。経常利益は同7.9%減の46億円、四半期純利益は同5.9%減の20億円、基礎利益は同25.4%減の36億円。
 三井住友海上プライマリー生命の新契約高(個人合計)は同3.0%増の2555億円、保有契約高(個人合計)は期首比横ばいの6兆6811億円だった。
 保険料(グロス収入保険料)は外貨建定額終身の販売増加を主因に定額商品が増収となったことから、前年同期比3.1%増の2534億円となった。経常利益は同121.8%減の▲36億円。四半期純利益は、販売手数料負担の増加と商品ラインの変化による責任準備金負担の増加を主因に同23.9%減の52億円となった。
 海外保険子会社業績は、正味収入保険料が為替影響を除くベースではアジアやMSアムリンの増収が寄与し、同1.8%の増収となったものの、円高ポンド安などの為替影響を主因に、同1.5%(40億円)減の2702億円となった。四半期純利益は、株価上昇を背景に資産運用が好調に推移したMSアムリンの増益や海外生保の増益を主因に、同123.3%(54億円)増の98億円と大幅な伸びを示した。