ＭＳ＆ＡＤインシュアランスグループホールディングス（ＭＳ＆ＡＤＨＤ）は１月１５日、米国の保険代理店ＣｏｖｅｒＨｏｕｎｄ，Ｉｎｃ．（カバーハウンド社）との業務提携に合意したことを発表した。また同日、傘下の三井住友海上は、欧州全域でデジタル保険の販売ライセンスを有するドイツのインシュアテック企業ＥＬＥＭＥＮＴ　Ｉｎｓｕｒａｎｃｅ　ＡＧ（エレメント社）との業務提携に合意したことを発表した。

　カバーハウンド社は、デジタル保険の開発と販売、それらに連動したデジタルコールセンター運営において、豊富な技術やノウハウを持つ。ＭＳ＆ＡＤＨＤは、今回の業務提携を通じて、ＥＣサイトやオンラインでの革新的なデジタル保険商品・サービスを提供するとともに、これまで以上に簡便な保険加入手続きの実現を目指す。
　カバーハウンド社とＭＳ＆ＡＤインシュアランスグループは、次の三つの領域で提携する。
　▽デジタル保険の開発
　カバーハウンド社が持つデジタル保険の販売に特化した商品開発のノウハウを活用することで、分かりやすい補償内容でスムーズに加入できる、先進的なデジタル専用の商品開発を目指すとともに、最先端技術を活用したリスクソリューションの提供も検討する。
　▽デジタル保険の販売
　デジタル保険に特化した販売ノウハウ、ＥＣサイトへの保険商品の組み込み技術や、ビッグデータを活用したマーケティングノウハウを活用することで、必要な補償を必要な時に、オンラインで簡便に保険加入できる手続き方法の確立を目指す。
　▽デジタルコールセンター
　デジタル保険と連動した電話やチャットを活用したオペレーション等、デジタルコールセンターのノウハウを活用することで、顧客ニーズに応じたコミュニケーション方法でスムーズにサポートし、さらなる利便性向上を実現する。
　今後、ＭＳ＆ＡＤインシュアランスグループは、同業務提携を通じ、規制環境等が異なる日米相互のデジタル技術やノウハウを融合させ、顧客サービスのさらなる向上を目指すとしている。
　一方、三井住友海上と業務提携を行うエレメント社は、デジタル技術に対応した保険を開発・販売している他、デジタル保険のプラットフォーマーとして高い技術力を持つ。三井住友海上は、今回の業務提携を通じ、規制環境等の異なる日欧相互でエレメント社の持つ最先端技術やノウハウを融合させ、顧客サービスのさらなる向上を目指す。
　エレメント社は、保険申し込みから保険金支払いまでの全てのプロセスで、デジタル技術を活用する保険会社。ビッグデータ分析等の最先端のデジタル技術や専門ノウハウの活用により、サイバー保険やフライト遅延保険など、個人や法人向けに独自性のある保険商品を開発し、パートナー企業を通じて顧客に提供している。また、デジタル保険のプラットフォーマーとして、損害保険会社やブローカーに加え、保険サービスの開発を目指す異業種企業にもサービスを提供しており、幅広いネットワークを有している。
　三井住友海上では、こうしたエレメント社の持つ最先端のインシュアテックのノウハウを活用するため、同社と業務提携を行い、①保険申し込みから保険金支払いまでの全てのプロセスをデジタル化した商品・サービスの提供②三井住友海上が保有するデータと顧客データを掛け合わせることにより、顧客独自のリスクに合った商品や、これまで補償できなかった幅広いリスクに対応した商品の提供③保険金支払判断の迅速化と自動化④顧客から提出を求めていた保険申込書や保険金請求書等の書類の簡素化・デジタル化―の取り組みを実現する。
　カバーハウンド社の概要は次の通り。
　▽本社所在地：１　Ｃａｌｉｆｏｒｎｉａ　Ｓｔ．＃１１００，Ｓａｎ　Ｆｒａｎｃｉｓｃｏ，ＣＡ　９４１１１　Ｕ．Ｓ．Ａ．
　▽代表者：Ｋｅｉｔｈ　Ｍｏｏｒｅ
　▽設立年月：２０１０年５月
　▽主な事業内容：オンラインで個人向け自動車保険、火災保険および企業向け自動車保険、火災保険、新種保険を取り扱うＭＧＡ（Ｍａｎａｇｉｎｇ　Ｇｅｎｅｒａｌ　Ａｇｅｎｔ＝保険会社の支店業務を代替するような権限を有する保険代理店。保険会社の業務の全部また一部を担い、保険販売等の一般的な代理店業務にとどまらず、再保険交渉や、保険金査定、支払いまでの権限を持つこともある）
　▽オフィシャルサイト：ｈｔｔｐｓ：／／ｃｏｖｅｒｈｏｕｎｄ．ｃｏｍ／
　エレメント社の概要は次の通り。
　▽本社所在地：Ｈａｒｄｅｎｂｅｒｇｓｔｒ．３２，１０６２３　Ｂｅｒｌｉｎ，Ｇｅｒｍａｎｙ
　▽代表者：代表執行役Ｃｈｒｉｓｔｉａｎ　Ｍａｃｈｔ
　▽設立年月：２０１７年３月
　▽主な事業内容：保険事業およびデジタル保険商品のコンサルティング・システム構築
　▽オフィシャルサイト：ｈｔｔｐｓ：／／ｗｗｗ．ｅｌｅｍｅｎｔ．ｉｎ／