2018.11.20 第一生命HD 19年3月期第2四半期決算 国内3生保 保険料等収入が大幅増
第一生命ホールディングスが11月14日に発表した2019年3月期第2四半期決算によると、連結業績は増収・減益となった。連結保険料等収入は前年同期比17%増の2兆5917億円。国内3生保でのマルチブランド・マルチチャネル戦略による販売が拡大し、第一フロンティア生命の銀行窓販チャネルにおける販売増も合わせて国内3生保の保険料等収入が前年同期比20%以上増加した。海外事業も堅調に推移した。グループ基礎利益は責任準備金積み増し額の減少等による保険関係損益の増加によって同2%増の3082億円となった。連結中間純利益は同9%減の1163億円だった。前年同期に計上したジャナス・ヘンダーソンの統合に伴う一時的な株式交換益233億円の剥落で減少しているものの、これを除くと実質的には増益を達成した。
第一生命グループの連結主要業績は連結経常収益が前年同期比7%増の3兆5969億円となった。米国の金利上昇を背景に、第一フロンティア生命の外貨建て貯蓄性保険の販売が大幅に伸張し、保険料等収入の増加につながった。
連結経常利益は同2%増の2162億円だった。第一生命では料率改定によって新契約に係る標準責任準備金繰入額が減少した結果、保険関係損益が大きく改善し、増益となった。第一フロンティア生命では最低保証にかかる損益や市場価格調整に係る損益が悪化し、減益だった。プロテクティブでは、第1四半期に発生したインフルエンザの流行に伴う保険金支払増の影響等で減益となった。TALは個人保険の保険金支払の減少等で増益だった。
親会社株主に帰属する中間純利益(連結純利益)は、同9%減の1163億円。前年同期にはジャナス・ヘンダーソンの合併に係る株式交換益を税引後で233億円計上したことが影響しているものの、18年5月15日発表予想2200億円に対する進捗(しんちょく)率は53%で順調に推移している。第2四半期のグループ修正利益は1251億円で、前年同期の1021億円から大幅に増加した。
新契約年換算保険料はグループ全体で同30.0%増の2549億円、国内3社計で同43.8%増の2102億円となった。国内3社では、三つのブランドがそれぞれ競争力のある商品を開発し、グループでチャネル開拓を進めながら、顧客のニーズに合わせて最適なチャネルで商品・サービスを提供するマルチブランド・マルチチャネル戦略を進めている。今年3月に第一生命では「ジャスト」や「健診割」、ネオファースト生命では「ネオdeきぎょう」など新商品を投入、第一フロンティア生命ではメガバンクに加えて地銀等との委託販売が拡大し、外貨建て貯蓄性保険の販売が好調に推移。営業職・代理店・銀行窓販全てのチャネルで販売が伸び、3社合計の新契約年換算保険料は大幅な伸びを示した。
グループ全体の保有契約年換算保険料は前期末比3.4%増の3兆7968億円だった。第一生命は同0.5%減の2兆1360億円で、このうち第三分野は同1.7%増の6592億円となった。第一フロンティア生命は同7.6%増の7854億円、ネオファースト生命は同294.5%増の776億円だった。
グループ各社の業績を見ると、第一生命は経常収益が前年同期比119億円増の1兆8277億円となった。このうち、保険料等収入は同142億円増の1兆1201億円、資産運用収益は同250億円増の6022億円だった。経常費用は同90億円減の1兆6486億円で、このうち保険金等支払金は同10億円増の1兆792億円となった。
経常利益は同210億円増の1791億円、純利益は同214億円増の940億円だった。
新契約年換算保険料は同15.5%減の460億円と前年同期比で減少したが、第一生命の営業職や代理店が第一フロンティア生命やネオファースト生命など3ブランド商品の販売を強化したことなどが要因となっている。
18年3月22日に発売した「ジャスト」は10月までで約50万件を販売し、順調に推移している。基礎利益は主に保険関係損益の増加を背景に前年同期の2137億円から2368億円に拡大した。
第一フロンティア生命は経常収益が同2322億円増の1兆1051億円となった。このうち保険料等収入は同2767億円増の9141億円、資産運用収益は同445億円減の1910億円だった。経常費用は同2443億円増の1兆908億円で、このうち保険金等支払金は同22億円減の3318億円となった。経常利益は同121億円減の142億円、純利益は同88億円減の64億円だった。
新契約年換算保険料は同17.2%増の1056億円と順調に拡大。メガバンクに加えて地銀や第一生命の営業職による販売などチャネル拡充が進展し、販売を伸ばしている。
ネオファースト生命の新契約年換算保険料は同3761.6%増の584億円と大幅な伸びを示した。保険料等収入は同808億円増の841億円だった。18年3月から法人向け保険商品「ネオdeきぎょう」を発売し、主に第一生命の訪問型代理店チャネルで販売していたが、8月以降は営業職による販売も開始し、保有契約年換算保険料も大幅に拡大した。銀行窓販や乗合代理店等で販売される医療保険も順調に販売を伸ばしている。
第一生命のソルベンシー・マージン比率は923.0%と引き続き高い水準を維持している。第一生命ホールディングスの連結ソルベンシー・マージン比率は832.5%となった。