2018.11.19 かんぽ生命 19年3月期第2四半期決算 中間純利益、順調な進捗 通期連結業績予想を上方修正

 かんぽ生命は11月14日、2019年3月期第2四半期決算を発表した。中間純利益は前年同期比34.1%増の687億円で、通期業績予想比78.1%と順調な進捗(しんちょく)となった。個人保険の新契約年換算保険料は保障性商品へのシフトにより、同11.7%減の1845億円と前年同期実績を下回ったものの、第三分野の新契約年換算保険料は同18.5%増の330億円と大幅な伸びを示した。個人保険の保有契約年換算保険料は前期末比1.6%減の4兆7833億円となったが、第三分野の保有契約年換算保険料は同0.6%増の7555億円と前期末の水準を維持した。超低金利環境の継続を受け、外国証券、国内株式等の収益追求資産への投資を同7.7%増の10兆1775億円(総資産の13.6%)まで拡大した。エンベディッド・バリュー(EV)は前期末比6.2%増の3兆9758億円、新契約価値は前年同期比28.6%増の1315億円だった。

 個人保険の新契約件数は、前年同期比6%減の88万件となった。商品別では、保険料改定の影響により、貯蓄性の強い商品の占率が減少。普通養老が23万件(占率:26.7%、前年同期実績27万件)、特別終身が5万件(占率:6%、前年同期実績7万件)、学資保険が6万件(占率:7%、前年同期実績6万件)だった。
 一方、保障ニーズを捉えた営業推進により、特別養老保険は20万件(占率:22.5%、前年同期実績17万件)、普通終身(倍型)は21万件(占率:23.8%、前年同期実績18万件)となった。普通終身(定額型)は12万件(占率:13.7%、前年同期実績16万件)だった。この3商品の占率は約6割となり、増加傾向が継続している。
 個人保険の保有契約件数は新旧区分合算で、前期末比1.9%減の2984万件だった。商品別の内訳は、養老保険が1214万件(占率:40.7%、前年度末実績1257万件)、終身保険が1300万件(占率:43.6%、前年度末実績1296万件)、学資保険が454万件(占率:15.2%、前年度末実績472万件)となった。
 連結の経常収益は前年同期比1565億円減の3兆8983億円で、進捗率は51.4%。保険料等収入は2兆404億円で同1631億円減少した。資産運用収益は同229億円減の6180億円、責任準備金戻入額は同293億円増の1兆2134億円。経常利益は同72億円減の1616億円で進捗率は73.5%、親会社株主に帰属する中間純利益は同174億円増の687億円で進捗率は78.1%となった。
 経常費用は同1492億円減少して3兆7367億円となった。保険金等支払金は3兆3562億円で同1695億円減少した。資産運用費用は同310億円増の654億円だった。事業費は同90億円減の2570億円。このうち約7割を占める日本郵便へ支払う委託手数料は新契約の減少等により、同88億円減の1806億円となった。契約獲得実績に応じて支払う新契約手数料は同80億円減の759億円、保全・支払業務等に応じて支払う維持・集金手数料は同9億円減の1047億円となった。
 総資産は前期末比2.7%減の74兆7639億円、純資産は同1.5%増の2兆341億円。
 資産運用については、昨今の超低金利環境の継続を受け、運用資産の多様化を進めてきた結果、株式・外国債券などの収益追求資産の残高は10兆1775億円、総資産比で13.6%まで拡大した。平均予定利率は前年同期比0.01ポイント、利子利回りは同0.02ポイント低下したが、306億円の順ざやを確保した。また、ヘッジ付外債の残高が増加したことに伴い、金融派生商品費用等のキャピタル損益は302億円の損失。
 有価証券の時価及び含み損益は、金利上昇に伴い、満期保有目的及び責任準備金対応で保有する債券の含み益の合計が前期末比で減少し、6兆2478億円となった。その他有価証券の含み益は、外国証券、金銭信託の含み益がやや増加したことから、前期末比で若干増加し、5610億円となった。この結果、有価証券全体の含み益は、前期末から減少し、6兆8089億円となった。
 連結ソルベンシー・マージン比率は1107.4%と、引き続き高い健全性を維持している。
 なお、上半期の業績が順調に進捗していること等を踏まえ、通期連結業績予想について、経常収益を前回発表の7兆5800億円から7兆6600億円、経常利益を2200億円から2600億円、当期純利益を880億円から1110億円、1株当たり当期純利益を146.71円から185.06円と上方修正した。
 また、通期連結業績予想の修正を踏まえ、19年3月期の期末配当予想についても修正。1株当たり68円の普通配当に4円の特別配当を加え、1株当たり配当金を72円と予想している