2018.07.24 住友生命 2018年定時総代会開催、CSVの取組み強化へ
住友生命は7月3日、大阪府大阪市のホテルニューオータニ大阪で、2018年定時総代会を開催した(出席者167人、議決権行使書提出10人)。橋本雅博社長は、2年目を迎える「スミセイ中期経営計画2019」の①ブランド戦略②重点取組事業③事業基盤―の枠組みに沿った取り組みの促進を通じて、顧客本位の業務運営をさらに推進すると述べた。また、新商品の健康増進型保険の販売で、健康増進という生命保険の新たな価値の提供に注力した取り組みを進めることで、顧客の健康状態の向上や健康長寿社会の実現に向けた「お客さま」「社会」「会社・職員」が共有の価値を創造する「CSVプロジェクト」を強化する方針を示した。決議事項では、3議案を審議し、全て承認された。
橋本社長は、17年度の事業の経過と成果について、中計のブランド戦略を基軸とした①スミセイライフデザイナー(営業職員)②金融機関等代理店・保険ショップ③資産運用④海外事業―の四つの重点取組事業に注力するとともに、サービスや経営基盤の強化に取り組んでいると報告した。
17年5月には、顧客の最善の利益を追求する業務運営をグループベースで推進する「“お客さま”本位運営方針」を策定・公表。それに基づく業務運営の一層の推進を図る「“お客さま”本位推進部」や同社の関係役員と生命保険業などを行う、国内子会社の社長を構成員とした「“お客さま”本位の業務運営」推進協議会を新設。
販売面については、個人保険分野の取り組みは、営業職員の初期教育を充実させた四半期ごとの採用・育成体制、優秀人材の採用と継続的な教育への注力や「未来診断」を活用した最適な保険を提供するコンサルティング力の向上を促進していると報告した。
サービス面では、最新情報の提供を目的に実施している「スミセイ未来応援活動」の中で、営業用携帯端末「SumiseiLief(スミセイリーフ)」を使い、顧客の面前で出金や住所変更の事務手続きが完了する「LiefDirect(リーフダイレクト)」の活用や17年10月に開始した、「ご家族登録サービス」について解説した。
マルチチャネル戦略の子会社等による取り組みは、メディケア生命では医療保険を中心に販売を推進しているとした上で、シンプルな保障内容に安い保険料で加入できる新プラン新設や手続き負担を軽減するためのペーパーレス手続きを導入したと説明した。
保険ショップを通じた保険販売については、いずみライフデザイナーズの比較検討ニーズに応えるコンサルティングや関西エリアで保険ショップを展開する㈱保険デザインの子会社化、㈱エージェント、マイコミュニケーション㈱の関連法人化を報告した。
18年度の取り組み方針について、ビッグデータを活用した商品・サービスの開発を示唆した上で、18年1月、米国のシリコンバレーに「スミセイ・デジタル・イノベーション・ラボ」を開設したことを報告。「当社グループ会社や本分野に強みを持つ企業と連携することで、グローバルな推進体制でイノベーションの取り組みを進めていく」と展望した。
この他に、働き方変革を通じて、顧客・マーケット目線の業務に注力するための継続的な既存業務の見直しや柔軟な働き方が可能な勤務制度の改正によって、生産性や顧客利便性の向上を図ると述べた上で、具体的な取り組みとして、営業用携帯端末の刷新による契約手続きの電子化について説明した。
さらに、収益基盤の多様化と企業価値の持続的成長を目指し、金融機関等との関係強化による販売ネットワークの拡大を通じて、金融機関等代理店・保険ショップチャネルでのプレゼンスの向上を図るとした。
海外事業の分野では、経営管理の高度化・技術援助等による収益確保、企業価値の持続的成長による契約者利益への貢献、支払余力の向上に取り組む考えを示した。
資産運用面においては、引き続き、二つのポートフォリオによる運用体制の下、新たな運用手法の導入、資産運用の高度化と適切なリスクテイクによる収益向上を図るとともに、持続可能な社会の実現に向けて、ESG投融資方針を策定するとしている。
橋本社長は、こうした取り組みを通じて、顧客本位の業務運営を一層推進し、「“お客さま”からみて『薦めたい』会社、職員からみて『いきいきと働ける』会社、社会からみて『なくてはならない』会社」の実現を目指すと決意を表した。