2018.05.28 日本生命 約6万人に高機能タブレット配備、営職のコンサル力強化

日本生命は5月17日、来年4月から端末性能や搭載機能を高度化した営業職員用新携帯端末を導入し、全国約5万人の営業職員と約1万人の顧客サービス担当職員に配備すると発表した。機動性、操作性を向上させたタブレット型端末で、AIやOCR等の先進的なサービスや技術を業界に先駆けて取り込むことで、顧客の利便性・サービス向上と営業職員のコンサルティング力の強化、働き方の変革推進を図る。

 新携帯端末は富士通の最新タブレット「FUJITSU Tablet ARROWS Tab V727/S」。厚さは8.9ミリと現行の4分の1で、重量も現行の3分の2の約800グラムとスリム化を実現した。カメラやGPSなどの他、端末紛失時の位置情報精度向上や遠隔データ消去機能などの新機能を備えている。また、指操作での画面拡大やスクロールなど、スマートフォンと同等の操作感があるとする。
 日本マイクロソフトの最新OS「Windows10」、NTTドコモの高速モバイル通信「アクセスプレミアム LTE(Xi)」等を利用した端末を約6万台導入し、ニッセイ情報テクノロジーとさまざまな業種・業態の企業とのパートナリングにより、端末開発を行っていく。
 新端末のカメラ機能を活用することで、これまで紙でのやりとりだった情報をペーパーレス化し、契約等の事務手続きの負荷軽減を図るとともに、顧客が操作する画面は、分かりやすくスムーズに対応・手続きできるよう画面構成や展開を全面刷新して利便性を向上させ、「シニアの顧客にとってやさしいサービス」を提供する。
 また、これまで独自開発してきた既存システムに加え、AIや話題・記事マッチングAPIサービス等の社外の先端技術を活用し、顧客から得た情報や加入の保険内容を基に分析を行い、ニーズに合った最適な情報を提供。情報提供や提案といった営業職員の一連の業務にAIを組り込み、サポートすることで、営業職員のコンサルティング力のさらなる強化を図る。
 将来的に、在宅勤務等の多種多様な働き方ができる社会の到来を見据え、端末の薄型化、軽量化に加え、社外でも使用可能な機能を強化することで、ロケーションフリーな新しい働き方ができる環境を整備。新端末に搭載されるGPSやOCRエンジン等の業界最高水準の新機能を備えることで、営業職員の業務効率を格段に向上させ、ペーパーレスの実現や働き方の変革を後押しし、顧客とのさらなる接点拡大を目指す。
 導入による具体的なソリューションの一例として、同社では、顧客へ最適なタイミングで的確な情報を提供し、コンサルティング力強化を図ることを目的に、日本アイ・ビー・エムの人工知能「Watson」を活用し、さまざまな情報からAIによる最適なメッセージを顧客に表示する機能を構築することを挙げる。
 この他、最新記事を分析・活用した顧客へのお役立ち情報の提供やOCR機能を活用した文字情報自動読み取りの実施、マップシステムを活用した活動管理の実施、シニアの顧客視点を中心にした操作画面の刷新、カメラ機能を活用した顧客手続きのシンプル化―などを想定している。