2018.05.24 SOMPOHD 18年3月期決算、国内生損保 堅調で増収

SOMPOホールディングスがこのほど発表した2018年3月期決算によると、連結経常収益は前年度比10.3%増の3兆7700億円で、このうち正味収入保険料は同11.9%増の2兆8547億円だった。生命保険料は同7.1%増の3469億円。連結経常利益は、北米ハリケーン等の発生や大口事故の増加などを主因として、同998億円減益の1418億円となった。親会社株主に帰属する当期純利益はSIの組織再編に伴う税金費用減少等(724億円)のプラス要因もあって、同265億円の減益にとどまり1398億円を確保した。

 国内損保事業のうち損保ジャパン日本興亜は、平年を上回る大口事故等の影響(▲214億円)などにより、保険引受利益は同176億円減の948億円だった。
 正味収入保険料は、自動車保険の件数増加や新種保険の販売好調により、同0.1%増の2兆1680億円となった。種目別では、海上が主に貿易量増加や大口契約獲得などにより、同7.7%増の473億円、自動車は商品改定などによる契約台数増加を主因に同0.1%増の1兆785億円、その他は中小企業向けパッケージ商品の販売が引き続き好調で同2.7%増の2890億円(うち賠償責任は同2.4%増の1574億円)と前年度実績を上回った。火災は件数増加の一方、受再保険料の減収などにより同1.3%減の2817億円、傷害は同1%減の1799億円、自賠責は同1.3%減の2913億円だった。
 正味支払保険金は同2.4%増の1兆2721億円。自賠責と家計地震を除いた正味損害率は平年を上回る大口事故等の影響もあり、同2.2ポイント上昇の62%だった。なお、自動車は支払完了率の改善により正味損害率が1.4ポイント上昇したが、事故発生件数の減少などによりE/I損害率は0.2ポイント改善している。正味事業費率(自賠責・家計地震を除く)は同0.3ポイント上昇の34%。また、コンバインド・レシオ(自賠責・家計地震を除く)は、同2.4ポイント上昇の95.9%だった。
 資産運用損益は、連結決算で消去される有価証券売却損・評価損を除くと、おおむね前年度水準の運用益を確保。17年度の政策株式削減は1096億円と、計画を上回る水準を達成した。
 経常利益は、保険引受利益・資産運用粗利益が共に前年度を下回ったことから、同552億円減益の1752億円。当期純利益は、SIの組織再編に伴う税金費用減少等のプラス影響もあり、同56億円増益の1700億円となった。ソルベンシー・マージン比率は前事業年度末比58.1ポイント上昇して735.1%となった。
 国内生保事業で、損保ジャパン日本興亜ひまわり生命は、新契約高(個人保険)が前年度比38.9%減の1兆4840億円、新契約年換算保険料は同28.6%減の358億円だった。保有契約高(個人保険と個人年金保険)は、保険金額が高額の法人向け契約の減少が主因となり、同1998億円減の22兆1257億円。保有契約年換算保険料は同128億円増(うち保障性商品は72億円増)の3704億円だった。当期純利益は、システム費用を中心としたコスト抑制効果があったものの、主に保有拡大や標準利率改定(主力の医療保険などで見送り)に伴う責任準備金繰入額の増加により、同2.4%減の81億円となった。
 保険料等収入は同4.5%増の4384億円、経常利益は同0.9%減の167億円、基礎利益は175億円で同6.4%の増益となった。ソルベンシー・マージン比率は1513.1%で、前事業年度末比59.9ポイント低下した。
 介護・ヘルスケア事業等では、入居率改善を主因に介護事業の黒字化を達成し、当期純利益は前年度比59億円増益の29億円となった。
 海外保険事業では、SIのPL連結効果により、欧米の収入保険料が大きく拡大し、収入保険料は同2934億円増の6452億円となった。修正利益は同240億円増の440億円。北米ハリケーン等の影響をSIの組織再編に伴う税金費用減少等でカバーし、増益を確保した。
 地域別では、欧米の収入保険料が同3002億円増の4557億円。アジア・中東が同60億円減の906億円、中南米は同9億円減の987億円だった。修正利益は、欧米が同196億円増の306億円、アジア・中東が同47億円増の111億円、中南米が同3億円減の22億円だった。
 18年度の通期連結業績予想は、各事業のオーガニック成長に加え、北米ハリケーン等や大口事故の影響剥落、国内自然災害の発生減少などにより、連結経常利益は前期比1481億円増益の2900億円、連結純利益は同2100億円と過去最高益を見込む。また、株主還元の原資となる修正連結利益は、同572億円増益の2200億円の見通し。
 このうち損保ジャパン日本興亜は、火災保険・新種保険中心のE/I損害率改善などにより、保険引受利益は同331億円増益の1280億円を予想。資産運用粗利益も同443億円増益の1421億円を見込み、経常利益は同747億円増益の2500億円、当期純利益は同169億円増益の1870億円を計画している。損保ジャパン日本興亜ひまわり生命は、保険料等収入拡大を背景に、経常利益・当期純利益とも増益を見込む。