2023.09.22 生保各社23年度(24年3月期)第1四半期決算 新契約保険料は回復基調続く、全社計収入保険料は8%増8兆8千億円弱

生保各社の2023年度第1四半期決算がまとまった。個人保険・個人年金保険計の新契約年換算保険料は全社計で前年同期比17.5%増の5740億円(生保協会集計:本日7面掲載)を計上、回復基調が続く。収入保険料(生保協会集計)も、同8.4%増の8兆7961億円と好調だが、本紙4面掲載の「保険料等収入」では当期1000億円以上の25社中、11社が前年同期を下回る結果となっている。(本日4~6面に生保協会会員各社の業績詳細(本紙調査)を掲載)

日本生命グループの国内の保険料等収入は前年同期比24.0%増の1兆7995億円だった。単体別に見ると、日本生命が同12.8%増の1兆3120億円だったほか、大樹生命が同10.8%減の1596億円、ニッセイ・ウェルス生命が同206.0%増の3210億円、はなさく生命が同49.6%増の68億円。日本生命は終身保険の販売増等1759億円により前年同期比1493億円の増加。大樹生命は外貨建一時払商品の販売減▲126億円により同192億円の減少。ニッセイ・ウェルス生命は外貨建および円建一時払商品の販売増1029億円により同2161億円の増加。はなさく生命は医療保険等の販売増22億円により同22億円の増加。連結基礎利益は日本生命、大樹生命、ニッセイ・ウェルス生命のヘッジコストの増加を主因に同19.0%減の1141億円だった。国内の新契約年換算保険料は同40.9%増の1169億円で、うち日本生命は同22.5%増の612億円、ニッセイ・ウェルス生命は同93.0%増の454億円、大樹生命は同4.1%増の74億円、はなさく生命は同24.4%増の28億円。
第一生命ホールディングスの国内の保険料等収入は前年同期比15.3%増の1兆4325億円だった。内訳は、第一生命が同211億円増の6153億円、第一フロンティア生命が同1537億円増の7537億円、ネオファースト生命が医療保険・がん保険の保有契約が増加したものの、経営者保険の解約等により、同21%減の226億円となった。新契約年換算保険料は第一生命が同19.7%減の110億円、第一フロンティア生命が同65.3%増の751億円、ネオファースト生命が同6.7%増の31億円。第一フロンティア生命が前期に引き続き好調なモメンタムを維持、円建FIA商品等を中心に高い販売量で全社をけん引した他、ネオファースト生命も前年同期を上回った。一方で、第一生命生涯設計デザイナーチャネルによる第一フロンティア生命商品販売の占率が引き続き高く、第一生命自社商品については前年同期比で減少した。グループ基礎利益は同4.9%減の978億円。親会社株主に帰属する四半期純利益(連結純利益)は、第一フロンティア生命におけるMVA関連損益に含まれる金利変動損益で損失が発生し、同24.7%減の673億円。グループ修正利益は、国内では第一生命が利配収入の減少や金融派生商品損益の悪化を主因として前年同期比で減益となり、グループ全体では同17%減の825億円となった。
メットライフ生命の保険料等収入は8096億円で、前年同期比40.6%の増収となった。保険料等収入のうち、保険料は同47.4%増の6767億円。基礎利益は同24.9%増の730億円。四半期純利益は356億円で同38.5%増の増益となった。新契約年換算保険料は同27.6%増の361億円だった。
プルデンシャル・ホールディング・オブ・ジャパンの連結保険料等収入は前年同期比11.3%増の7892億円を計上した。うち、プルデンシャル生命は同12.4%増の3383億円、ジブラルタ生命は同6.5%増の2149億円、PGF生命は同6.9%増の2927億円だった。3社合算の基礎利益は同2.8%減の576億円で、親会社株主に帰属する四半期純利益は同25.7%減の299億円だった。3社合算の新契約年換算保険料は同9.0%増の373億円で、うちプルデンシャル生命は同0.1%増の164億円、ジブラルタ生命は同4.0%減の88億円(PGF生命商品販売分を含む場合は同4.0%増の163億円)、PGF生命は同40.1%増の120億円だった。
明治安田生命のグループ保険料は明治安田生命単体における外貨建一時払保険の販売量減少を主因に前年同期比12.0%減の7714億円で、海外を除いた明治安田生命単体では同15.6%減の6470億円となった。新契約年換算保険料も、外貨建一時払保険の販売量減少を主因として同22.7%減の277億円。グループ基礎利益は明治安田生命単体ではヘッジコスト増加を主因に減益も、主要子会社である米国スタンコープ社の支払減少等により、グループとしては同7.7%増益の882億円となった。親会社に帰属する四半期純剰余は同43.3%増の355億円となった。
T&D保険グループの国内3社合算の保険料等収入は前年同期比4.6%増の5575億円だった。うち、太陽生命は同19.1%減の1462億円、大同生命は同4.5%増の1995億円、T&Dフィナンシャル生命は一時払商品の販売好調等により同31.1%増の2117億円。3社合算の新契約年換算保険料は同31.3%増の483億円で、うち太陽生命は同7.7%減の84億円、大同生命は同5.5%増の172億円、T&Dフィナンシャル生命は一時払個人年金保険「ファイブテン・ワールド3」の販売が堅調に推移したことにより、同99.4%増加し226億円で前年同期から約2倍となった。グループの基礎利益は、新型コロナ関連の支払が減少した一方、為替ヘッジコストの増加等による基礎運用収支の減少により、同41.3%減の246億円。親会社株主に帰属する四半期純利益は、海外再保険関連会社(フォーティテュード社)において、米国金利上昇に伴う会計上の一時的な評価性損失等が発生した前年同期からの反動により、同782億円増の189億円となった。
かんぽ生命の保険料等収入は前年同期比285億円減の5484億円だった。基礎利益は同45億円減の576億円となった。内訳は、保険関係損益が同13億円増の371億円、順ざやが同59億円減の205億円で、このうち為替に係るヘッジコストは同175億円減の▲188億円だった。新契約年換算保険料は同38.9%増の230億円。第三分野の新契約年換算保険料は同100.5%増の25億円と回復基調が続く。
住友生命グループの連結保険料等収入は前年同期比4.1%減の6180億円で、国内の保険料等収入(住友生命、メディケア生命合算)では、同7.2%減の5830億円となった。グループの基礎利益は同11.2%増の556億円。住友生命単体の新契約年換算保険料は同19.3%減の233億円で、メディケア生命は同13.3%増の52億円だった。住友生命単体の四半期純剰余は同2.5%減の142億円となった。
ソニーフィナンシャルグループの親会社株主に帰属する四半期純利益は前年同期比82.8%減の78億円だった。ソニー生命単体の保険料等収入は前年同期比8.9%増の3753億円だった。基礎利益は同136.3%増の630億円で、四半期純利益は同93.5%減の26億円だった。新契約年換算保険料は同18.2%増の328億円。
アフラックの保険料等収入は前年同期比0.5%減の3214億円で、基礎利益は同20.4%増益の1043億円となった。四半期純利益は同18.5%減の645億円となった。がん保険の販売件数が同19.2%増の14万2546件、医療保険の販売件数が同23.7%減の3万6426件となった結果、新契約年換算保険料は同21.7%増の139億円。
フコク生命グループの富国生命、フコクしんらい生命合算の保険料等収入は前年同期比1.8%増の2248億円で、合算の基礎利益は同26.6%増の150億円となった。富国生命単体の四半期純剰余は同1.9%増の116億円となった。富国生命の新契約年換算保険料は同20.4%増の41億円で、フコクしんらい生命は同82.9%増の48億円。
アクサ・ホールディングス・ジャパンの連結保険料等収入は前年同期比3.5%増の2239億円で、このうちアクサ生命の保険料等収入は同3.9%増の2076億円だった。親会社株主に帰属する四半期純利益は同13.2%増の130億円。アクサ生命の新契約年換算保険料は同5.1%減の215億円だった。
朝日生命グループの朝日生命・なないろ生命合算の保険料等収入は前年同期比4.6%増の1050億円。合算の基礎利益は同24.1%減の53億円。合算の新契約年換算保険料は同14.0%増の86億円で、うち朝日生命は同4.8%減の45億円、なないろ生命は同46.1%増の40億円となった。