2023.04.19 明治安田生命 スタンコープ通じ米エレバンス子会社3社買収、団体保険・団体医療保険で販売提携 顧客基盤強化と事業効率化目指す
明治安田生命は3月29日、米国子会社のStanCorp Financial Group,Inc.(以下、スタンコープ社)と、米国で主に団体医療保険を手掛ける大手保険会社Elevance Health,Inc.(以下、エレバンス・ヘルス)が、スタンコープ社によるエレバンス・ヘルスの団体保険事業を営む子会社3社の買収、および両社の営業基盤を活用した販売提携契約の締結で合意したと発表した。買収対象の3社は、日米の監督当局による認可等を前提として、明治安田生命の連結子会社となる予定。
エレバンス・ヘルスは米国有数の大手医療保険会社の一社でインディアナ州インディアナポリスが本社所在地。従業員数は約10万人で、子会社を通じて医療保険やヘルスケアサービスなど約1億1900万人に商品・サービスを提供している。米国14州でブルークロス・ブルーシールド・プランを所有しているが、昨年6月、伝統的な医療保険ビジネスに専念するだけでなく、ヘルスケア全般を手掛けるコングロマリットとなることを目指し、それまでのAnthem(「アンセム」)から「エレバンス・ヘルス」に社名を変更している。
今回買収対象となった子会社は、エレバンス・ヘルスの団体保険事業を営むAnthem Life Insurance Company(インディアナ州)、Anthem Life & Disability Insurance Company(ニューヨーク州)、Greater Georgia Life Insurance Company(ジョージア州)の3社で、米国内14州で事業展開しており、加入者数は合わせて約480万人とのこと。
スタンコープ社は、2016年3月に明治安田生命が完全子会社化した団体保険分野に強みを持つ米国の生命保険会社で、これまで団体生命保険・就業不能保険事業、団体年金事業を中心に規模拡大と収益性向上に取り組んできた。今回のエレバンス・ヘルスの子会社の買収と販売提携により、団体保険事業における顧客基盤強化と事業効率化等の効果が見込まれ、スタンコープ社のさらなる成長に寄与するものとしている。
明治安田生命は海外保険事業分野を成長の原動力の一つとして位置付け、27年度までに基礎利益相当額で800億円以上とすることを目標に掲げている。今後も、同社グループの主要子会社であるスタンコープ社の既存事業の強化を中心に新規投資の調査を推進し、一層の成長と収益拡大を目指すとしている。
今回の買収スキームは、スタンコープ社を通じて買収対象3社の全株式を取得することを予定。販売提携では、両社のブローカー網等の販売ネットワークを通じ、それぞれの顧客団体に対しスタンコープ社の団体保険商品、エレバンス・ヘルスの団体医療保険商品を提供していく。