2023.04.18 ライフネット生命 マイナポータルデータとの連携を想定、JMDCと引受リスク予測AI検証

ライフネット生命は3月29日、㈱JMDC(東京都港区、松島陽介代表取締役社長兼CEO)が保有する日本最大規模の匿名加工された医療データと、同医療データから生成したマイナポータル上の項目を疑似的に再現したデータ(以下、仮想マイナポータルデータ)を活用し、引受リスクを予測することのできるAIシステムに関する実証実験を開始すると発表した。

ライフネット生命は同社のマニフェストで、契約の検討から保険金・給付金の受け取りまで、あらゆる場面で顧客の利便性を追求することを掲げて、これまでもさまざまなパートナー企業と協力し、時代に合った生命保険商品・サービスをオンラインで提供してきた。
今回の実証実験のパートナー企業であるJMDCは、医療分野において社会課題として挙げられている「医療費の増大」「医療の地域格差」「生活習慣病の増大」「労働力不足」といった問題に、データとICT(Information and Communication Technology)の力で解決に取り組むことで、持続可能なヘルスケアシステムの実現を目指している企業。匿名の健康診断情報をはじめとする過去長期間にわたる膨大な医療データを保有しており、そこから仮想的にマイナポータルの医療保険情報に相当するデータである仮想マイナポータルデータを抽出することが可能だという。ライフネット生命は、JMDCの医療データと仮想マイナポータルデータ、JMDCが独自に開発を進めているAIシステムを活用し、JMDCとともに引受査定業務の効率化に向けた実証実験を行う。
具体的には、JMDCの保有する約1200万人の匿名化された医療データから健康診断と診療報酬明細のデータを抽出し、マイナポータル上の項目を疑似的に再現した健診、薬剤、医療費のデータ(仮想マイナポータルデータ)を生成する。これにJMDCの匿名医療データの中の入院データをマッチングし、引受リスク予測AIシステムを構築する。同システムを豊富なデータ量とデータ項目によるパターン学習で高精度化し、保険契約時の手続きの利便性向上、引受リスク予測の効果を検証する。
さらに現在、総務省が推進しているマイナンバーカードおよびマイナポータルの普及に伴い、今回の実証実験の後に、将来的にはマイナポータルとの連携も目指す。マイナポータルとのデータ連携により、顧客が保険商品を契約する際の告知等の手続き負担の軽減と引受査定業務のさらなる効率化を目指す。