2023.04.05 損保ジャパン ワープスペースと資本業務提携、衛星データ利活用促進をサポート

損保ジャパンは、小型光中継衛星(衛星間および衛星・地上間の光通信を可能とするハブとなる小型の衛星)を利用した光即応通信ネットワークサービスの構築を目指す㈱ワープスペース(茨城県つくば市、東宏充CEO)と、この1月に資本業務提携を締結したことを3月9日に発表した。

国内外の宇宙産業は、政府による民間参入の積極的な促進を契機に著しい成長段階にあり、衛星を活用した通信ネットワークに代表されるテクノロジーは発展を続けているが、地上から400~1000キロメートルの低軌道では地球観測などを行う人工衛星の数が急増したことによって、衛星事業者がデータ通信量や速度を十分に確保できないという課題を抱えているという。ワープスペースは、中軌道において民間として世界初となる小型光中継衛星による光即応通信ネットワークサービス「WarpHub Intersat」の構築を目指している企業で、同サービスは衛星間および衛星・地上間での高速かつ大容量の通信を可能にすることで、より多くの観測・センシングデータをリアルタイムに近い形で取得、利用できるようになるという。2025年ごろに商用の1号機の打ち上げを予定しており、その後も複数機を打ち上げて衛星コンステレーションを構成し、広範囲、高頻度のサービス提供実現を目指している。
損保ジャパンは、旧来の宇宙保険の引受実績をベースとし、宇宙事業者との協業で得た業界知識を保険の開発に生かし、さまざまな宇宙プロジェクトをサポートする取り組みを加速している。今回、宇宙産業拡大への貢献および宇宙テクノロジーを活用したサービス向上のための取り組みの一環として、宇宙を主たる事業ドメインとするワープスペースと資本業務提携を開始した。宇宙や人工衛星に関する高い専門性に加え、JAXAをはじめとした研究機関とのパートナーシップ、つくば研究学園都市が保有する豊富な実験・試験設備等を強みに事業展開するワープスペースを支援することで、衛星事業者の課題解決に貢献し、地上における衛星データ利活用促進をサポートするとしている。
また、ワープスペースの事業展開支援を通じて、今後広がりが期待される中軌道に係る保険引受ノウハウ・リスクマネジメント能力の向上に取り組み、さらに、保険提供だけではなく、宇宙テクノロジーを有する宇宙事業者との協業・共創により顧客サービスの向上を図り、新たなソリューションを構築することで社会課題の解決に取り組む意向だ。
同社では、日本の宇宙事業の発展は、防災減災などの観点から顧客の「安心・安全・健康」、および日本の経済・技術発展に資するものであるとしており、宇宙産業の発展に貢献できる体制を強化することを目的として、4月1日付で宇宙産業開発課も新設している。