2023.02.28 日本生命グループ 22年度第3四半期決算、外貨建増収で保険料等収入14%増 グループ基礎利益は48%減2943億円

日本生命が2月15日に発表した2022年度第3四半期決算によると、グループの連結業績は、保険料等収入がグループ各社の外貨建商品の販売増加等により増収となった一方で、基礎利益は減益となった。国内の個人保険・個人年金保険の新契約年換算保険料は、日本生命は貯蓄性商品の料率改定等により減少したものの、ニッセイ・ウェルス生命と大樹生命の外貨建商品の販売増により前年同期比で増加した。

日本生命グループの22年度第3四半期の連結経常収益は、前年同期比17.0%増の7兆422億円だった。連結保険料等収入は同14.6%増の4兆6110億円。前期に引き続き、海外金利の上昇に伴うグループ各社の外貨建商品の販売増加などにより増収した。各社別には、日本生命が外貨建商品の販売増等により前年同期比1363億円増(4.3%増)の3兆3276億円、大樹生命が外貨建商品の販売増と再保険収入の増加により同2851億円増(34.4%増)の6752億円、ニッセイ・ウェルス生命が外貨建商品の販売増等により同1378億円増(50.7%増)の4099億円、はなさく生命が医療保険等の増加により同62億円増(65.9%増)の157億円、海外保険のうち豪MLCが同14.4%増の1537億円となっている。
基礎利益の合計は、前年同期比48.1%減の2943億円。日本生命は危険差益の減少(新型コロナウイルス感染症関連の支払増加等)や利差益の減少(ヘッジコストの増加等)により同1928億円減益(37.3%減)の3239億円、大樹生命は危険差益の減少(新型コロナウイルス感染症関連の支払増)により同165億円減益(60.7%減)の107億円、ニッセイ・ウェルス生命は危険差益の減少(標準責任準備金の繰入増等)により同542億円減益の▲293億円、はなさく生命は費差益の減少(事業費等の支出増等)や危険差益の減少(新型コロナウイルス感染症関連の支払増加等)により同43億円減益の▲176億円だった。海外保険事業(豪MLC、米国日生、リライアンス・ニッポンライフ・インシュアランス)は39億円の増益で、このうち豪MLCは同18億円増益。
グループの資産運用収益は前年同期比24.7%増の2兆2558億円だった。経常費用は同28.7%増の6兆9925億円で、このうち保険金等支払金は同18.7%増の4兆99億円、資産運用費用は同452.5%増の1兆1162億円、事業費は同1.8%増の6072億円だった。これらの結果、グループの経常利益は同91.5%減の496億円、これに特別損益を加減した四半期純剰余は同83.6%減の513億円となった。
グループの総資産は、前年度末比2.9%減の85兆7879億円となった。責任準備金は同1.4%増の69兆5405億円だった。
連結ソルベンシー・マージン比率は、その他有価証券の含み益の減少により、前年度末の1120.3%から92.8ポイント低下し1027.5%となった。また、実質純資産は、有価証券の含み益の減少により、前年度末から5兆6445億円減少して14兆5684億円となった。
国内における保険料等収入は、銀行窓販チャネルと代理店チャネルにおける外貨建商品の販売増等を主因に、前年同期比14.6%増の4兆4286億円、うち個人保険・個人年金保険は同15.4%増の3兆1525億円。チャネル別では、営業職員チャネルが同2.9%増の2兆782億円、代理店チャネルが同31.3%増の3962億円、銀行窓販チャネルが同65.2%増の6780億円となった。団体保険は同0.4%減の2089億円、団体年金保険は同1.0%減の8299億円だった。
国内の個人保険・個人年金保険の新契約は、年換算保険料が前年同期比3.8%増の2890億円、件数が同3.0%減の350万件、保障額等が同16.7%減の5兆9616億円となった。新契約の年換算保険料は前年同期比では増加したが、前々年(19年)同期比では減少。件数、保障額等では前年同期比、前々年同期比ともに減少となった。
チャネル別新契約年換算保険料では、営業職員チャネルは前年同期比18.2%減の1245億円。代理店チャネルは同24.1%増の541億円、銀行窓販チャネルは同33.2%増の1099億円となった。
日本生命の新契約年換算保険料は前年同期比10.6%減の1651億円。大樹生命は同45.6%増の267億円、ニッセイ・ウェルス生命は同29.0%増の895億円、はなさく生命は同27.5%増の76億円。
国内の個人保険・個人年金保険の保有契約は、年換算保険料が前年度末比0.1%増の4兆5752億円、件数が同1.0%増の3831万件、保障額等が同1.5%減の172兆3238億円となった。
日本生命の保有契約年換算保険料は前年度末比0.8%減の3兆7384億円。大樹生命は同1.0%減の5069億円、ニッセイ・ウェルス生命は同13.2%増の3079億円、はなさく生命は同40.8%増の219億円。
国内の団体保険の保有契約(保障額等)は、前年度末比0.7%減の109兆487億円。このうち日本生命は同0.3%減の97兆9956億円、大樹生命は同4.5%減の11兆531億円だった。また、国内の団体年金保険(受託資産等)は、同0.5%増の18兆5883億円。このうち日本生命は同1.4%増の14兆919億円、大樹生命は同7.0%減の7261億円だった。
なお、海外保険事業(22年1~9月期)では、豪MLCの収入保険料は豪ドルベースで個人保険領域と団体保険領域の増加を主因に前年同期比1.2%増の13億7300万豪ドル。基礎利益は団体保険領域の収支改善を主因に同1046.0%増の2700万豪ドルとなっている。