2022.05.30 日本生命グループ 21年度決算 保険料等収入3.8%増5兆3千億円に、基礎利益26%増8721億円と増収増益

 日本生命が5月26日に発表した2021年度決算によると、グループの連結業績は前年度から増収・増益となった。保険料等収入はグループ各社で増収。基礎利益は国内外の企業業績回復による株式配当金および投信分配金の増加を主因に増加した。国内生命保険の個人保険・個人年金保険の新契約年換算保険料は増加、保有契約年換算保険料は、新契約の増加に加え円安の影響により増加となった。連結ソルベンシー・マージン比率は、前年度末から45.3ポイント上昇し、1120.3%で引き続き高い健全性を維持した。また契約者配当について日本生命および大樹生命における個人保険・個人年金保険について20年度に引き続き配当を実施する方針を示した。

 連結経常収益は対前年度比2.4%増の8兆3568億円を計上した。連結保険料等収入は日本生命における営業職員チャネルおよび代理店チャネル向け商品の販売増や団体年金の増加、大樹生命における一時払外貨建養老保険の販売増などを主因に、同3.8%増の5兆3860億円となった。資産運用収益が同0.5%増の2兆6959億円だった。経常費用が同1.8%増の7兆8214億円で、このうち保険金等支払金は同1.4%減の4兆6298億円、資産運用費用は同11.3%増の3864億円、事業費は同1.4%増の8029億円となった。この結果、経常利益は同12.6%増の5354億円、当期純剰余(利益)は同4.6%増の3467億円となった。
 基礎利益については対前年度比26.3%増の8721億円となった。利差益が同94.7%増の3865億円、保険関係損益が同5.9%減の4639億円など。各社別には、日本生命が同21.3%増の7966億円、大樹生命が44.2%増の382億円、ニッセイ・ウェルス生命が同40.1%増の346億円、はなさく生命が同18.6%減の▲189億円となっている。
 総資産は前年度末比3.3%増の88兆3819億円、負債については同4.6%増の80兆3289億円、そのうち保険契約準備金は同2.4%増の69兆9227億円(責任準備金は同2.4%増の68兆5479億円)、価格変動準備金は同4.6%増の1兆6845億円となった結果、純資産は同8.7%減の8兆530億円となった。
 連結ソルベンシー・マージン比率は劣後ローン調達等の自己資本の強化に伴い、前記の通り同45.3ポイント上昇。実質純資産は、自己資本を積増したものの、有価証券の含み益の減少により、同7.2%減の20兆2129億円となった。
 国内生命保険事業の保険料等収入はデジタルツールの活用により、コロナ禍における営業職員の活動量が一定増加したことに加え、各チャネルにおける法人向け商品や外貨建保険の販売増等により、前年度比3.5%増の5兆1705億円と増加した。そのうち個人保険・個人年金保険が同3.1%増の3兆6996億円で、チャネル別では営業職員チャネルが同0.2%増の2兆7410億円と増収。代理店チャネルが同8.9%増の4306億円、銀行窓販チャネルが同15.7%増の5279億円の増収となった。
 団体保険は同1.3%増の2849億円、団体年金保険は同3.2%増の1兆941億円となった。
 国内の個人保険・個人年金保険の新契約は、年換算保険料が前年度比28.4%増の3943億円、件数は同15.6%増の487万件、保障額等は同23.0%増の9兆9797億円となった。
 営業職員チャネルの新契約年換算保険料は同32.8%増の2274億円、件数は同15.1%増の463万件、保障額等は同13.0%増の7兆5116億円だった。代理店チャネルの新契約年換算保険料は同37.2%増の610億円、件数は同30.1%増の17万件、保障額等は同90.4%増の1兆9011億円だった。銀行窓販チャネルの新契約年換算保険料は同15.7%増の1057億円、件数は同11.7%増の6万件、保障額等は同21.4%増の5630億円となった。
 日本生命の新契約年換算保険料が同30.5%増の2739億円、件数が同12.3%増の449万件、保障額等が同13.9%増の8兆2053億円だった。大樹生命の新契約年換算保険料が同27.0%増の241億円、件数が同96.3%増の22万件、保障額等が同17.0%増の6536億円。ニッセイ・ウェルス生命の新契約年換算保険料が同21.1%増の883億円、件数が同38.4%増の3万件、保障額等が同46.4%増の3628億円だった。はなさく生命は新契約年換算保険料が同53.2%増の78億円、件数が同59.8%増の12万件、保障額等は同662.1%増の7579億円となった。
 国内の個人保険・個人年金保険の保有契約は、年換算保険料が前年度末比1.3%増の4兆5695億円、件数が同2.9%増の3793万件、保障額等が同0.7%減の174兆9525億円となった。日本生命は、保有契約年換算保険料が同0.9%増の3兆7700億円、件数は同2.6%増の3472万件、保障額等が同0.9%減の153兆3927億円、大樹生命は保有契約年換算保険料が同0.6%減の5118億円、件数は同2.0%増の259万件、保障額等は同4.2%減の17兆3128億円となった。ニッセイ・ウェルス生命の保有契約年換算保険料は同10.0%増の2720億円、件数が同6.0%増の35万件、保障額等は同7.6%増の3兆4094億円、はなさく生命の保有契約年換算保険料は同81.7%増の155億円、件数は同82.4%増の24万件、保障額等は同681.2%増の8374億円となった。
 団体保険の保有契約(保障額等)は国内計で同0.6%減の109兆8406億円。このうち日本生命は同0.5%減の98兆2613億円、大樹生命は同1.2%減の11兆5793億円となった。団体年金保険(受託資産等)は国内計で同3.6%増の18兆4952億円だった。
 契約者配当については、日本生命では個人保険・個人年金保険について、危険差益配当は増配としたものの利差益配当は据え置きとする方針を示した。約1000万件の契約を対象に契約者配当を実施する。大樹生命も個人保険・個人年金保険について、契約者配当を実施する方針(水準は据え置き)で、約3万件の契約を対象に実施する。
 22年度の業績見通しとしては、日本生命グループ計で前年度から増収・減益を見込んでいる。保険料等収入は外貨建保険の販売増加を主因に増収。基礎利益は、投信分配金増加分の剥落やヘッジコストの増加を主因に減益を見込むとしている。