2022.05.27 SOMPOHD 21年度末決算、連結純利益は57%増2248億円 正味収保はSIコマーシャル増収で10%増

 SOMPOホールディングスが5月20日に発表した2021年度通期決算によると、連結経常収益は前期比8.4%増の4兆1674億円となった。このうち、正味収入保険料はSompoインターナショナルコマーシャル部門(以下、SIコマーシャル)の大幅増収に加え、損保ジャパンでも火災保険や新種保険を中心に拡大したことにより同10.0%増の3兆2157億円、生命保険料は同6.1%減の3251億円だった。SIコマーシャルおよび損保ジャパンの増益に加え、ホールディングスが保有する有価証券の売却益の影響もあり、連結経常利益は同46.7%増の3155億円、親会社株主に帰属する当期純利益は同57.8%増の2248億円と、共に大幅増益となった。修正連結利益も同591億円増益の2613億円と2期連続で過去最高益を更新した。22年度の通期連結業績予想については、連結純利益は1600億円と減益を見込むものの、修正連結利益は21年度と同水準の2600億円を確保する計画としている。

 SOMPOグループの連結純利益2248億円の増減要因は、損保ジャパンが+192億円、海外グループ会社が+30億円、SOMPOひまわり生命が▲41億円、SOMPOケアが+6億円、その他・連結調整等が+636億円。
 国内損保事業のうち損保ジャパン単体の業績では、自賠責・家計地震を除く正味収入保険料は火災保険・新種保険が好調に推移し、前期比2.0%増の1兆9417億円だった。自賠責・家計地震を含む合計正味収入保険料は同0.8%減の2兆1587億円。
 自賠責と家計地震を除いたE/I損害率は、新型コロナ影響による損害率改善効果が一部剥落する中、 国内自然災害の減少などにより前期比0.8ポイント改善し59.1%となった。除く自賠責・家計地震のW/P損害率は同1.0ポイント改善の57.4%。
 正味事業費率(自賠責・家計地震を除く)は前期比で横ばいの34.5%、社費率も同じく横ばいの13.4%となったが、新システムの一部カットオーバーに伴う償却費を除くと、事業費率・社費率ともに同0.5ポイントの改善となる。コンバインド・レシオ(E/I、除く自賠責・家計地震)は同0.8ポイント改善の93.5%で、コンバインド・レシオ(W/P、除く自賠責・家計地震)は、同1.0ポイント改善の91.9%となった。
 以上の結果、コア保険引受利益は前期比177億円増益の1202億円で、異常危険準備金210億円を積み増した結果、保険引受利益は同33億円減益の630億円となった。
 資産運用粗利益は、ファンドからの利配収入の増加を主因に、168億円増益の1633億円となった。ネット利息及び配当金収入は前期比228億円増の1170億円で、有価証券売却損益は同266億円減の381億円となっている。なお、政策株式の削減額は、時価ベースのネット削減額で501億円だった。
 損保ジャパン単体の経常利益は、資産運用粗利益の増加を主因に前期比133億円増益の2108億円で、当期純利益は同192億円増益の1662億円となった。修正利益は、同281億円増益の1562億円を示した。単体ソルベンシー・マージン比率は前期末比6.0ポイント下がり、697.5%だった。
 22年度業績予想については、保険引受利益が159億円の増益、資産運用粗利益が365億円の減益を見込む。
 国内生保事業で、SOMPOひまわり生命は、新契約年換算保険料は21年10月発売の新がん保険などのInsurhealth(R)商品を中心に着実に拡大し、前期比18.9%増の319億円だった。保有契約年換算保険料(個人保険と個人年金保険の合計)は同0.4%増の3826億円。
 保険料等収入(法令にのっとった生命保険会社の様式に基づく数値で連結様式とは異なる)は、同1.1%減の4368億円となった。責任準備金繰入等が同4.5%減の2786億円、保険金等支払が同10.7%増の803億円、事業費は同8.6%増の948億円、資産運用損益は同6.0%減の502億円で、基礎利益は同13.3%減の275億円となった。経常利益(連結様式とは異なる)が同17.7%減の264億円で、当期純利益は同20.6%減の159億円。修正利益は10億円(3.3%)増益の336億円。単体ソルベンシー・マージン比率は前期末比100.6ポイント低下し1359.8%となった。
 海外保険事業では、収入保険料はSIコマーシャルのレートアップや農業保険増収を主因に前期比2688億円増の1兆71億円を計上した。修正利益はSIコマーシャルの増収がけん引し、同318億円増益の618億円。
 SIコマーシャルの業績で、保険引受利益は同3億6700万ドル増益の4億2600万ドル、資産運用利益は同8900万ドル増益の3億3500万ドル、有価証券未実現損などを主因にその他損益が同2億9800万ドル減益の▲2億5500万ドルとなった結果、当期純利益は同1億4100万ドル増益の4億2700万ドル、修正利益は同3億8000万ドル増益の5億6200万ドルとなった。
 22年度はSIコマーシャルのさらなる増収に加え、Sompoセグロスの前年度の一過性要因剥落もあり、修正利益1000億円を見込む。
 介護・ヘルスケア事業では、SOMPOケアの修正利益は、前年度の一過性要因の剥落などを主因に前期比14億円減益の59億円。22年度の売上高は、ネクサスケア社の統合効果等により大幅増収を見込み、修正利益は21年度と同水準の60億円を見込む。
 22年度のグループの通期業績予想については、正味収入保険料はSIコマーシャルでのトップライン増収効果を主因に対前年2252億円増の3兆4410億円を予想。連結経常利益はホールディングスが保有する有価証券の売却益や新型コロナ影響の剥落を主因に、同805億円減益の2350億円、連結純利益は同648億円減益の1600億円を見込む。修正連結利益は、一過性要因の剥落影響を国内外の保険引受利益の増益でカバーし、前年同水準(同13億円減)の2600億円となる見込みとしている。