2021.08.25 かんぽ生命 21年度第1四半期決算、新契約年換算保険料は93%増
かんぽ生命は8月11日、2021年度第1四半期決算を発表した。連結業績では、保有契約の減少等に伴い保険関係損益が減少したため基礎利益が減少した一方、キャピタル損益の改善等により、経常利益は前年同期比31.6%増の920億円で、通期業績予想の2900億円に対する進捗率は31.8%。四半期純利益は同11.8%減の412億円となり、通期業績予想の1180億円に対する進捗率は34.9%となった。契約の状況では、前年度第1四半期の個人保険新契約年換算保険料は同93.5%減と大きく減少したが、今年4月1日から顧客への積極的な提案を再開したことから、本四半期は同93.0%増の116億円と大幅に伸展した。第三分野の新契約年換算保険料も、前年度第1四半期は同98.3%減と大きく減少したが、本四半期は同72.8%増の4億円と伸展した。
連結主要業績では、経常収益は前年同期比312億円減の1兆6651億円で、通期業績予想の6兆3800億円に対する進捗率は26.1%。このうち、保険料等収入は同688億円減の6440億円、資産運用収益は同202億円増の2809億円、責任準備金戻入額は同349億円増の7361億円だった。
経常費用は同534億円減の1兆5730億円で、このうち保険金等支払金は同241億円減の1兆4378億円、資産運用費用は同244億円減の138億円、事業費等は同47億円減の1214億円だった。第1四半期の委託手数料は、同48億円減の450億円。このうち、新契約手数料は同63億円減の81億円、維持・集金手数料は同14億円増の369億円だった。拠出金は同5億円減の135億円だった。
経常利益は同221億円増の920億円。総資産は前期末比1兆3434億円減の68兆8295億円で、純資産は同2653億円減の2兆5761億円となった。
保有契約年換算保険料は、個人保険が3兆8004億円で前期末比2.5%減、うち第三分野が6575億円で同1.7%の減少となった。
個人保険の保有契約件数は、新旧区分合算で前期末比2.2%減の2429万件だった。商品別に見ると、養老保険は872万件(占率35.9%、前期末実績906万件)、終身保険は1193万件(占率49.1%、前期末実績1206万件)、学資保険は350万件(占率14.4%、前期末実績357万件)、その他は12万件(占率0.5%、前期末実績12万件)となっている。
かんぽ生命の単体ベースでは、順ざやは前年同期から154億円増加したものの、保有契約の減少等に伴い保険関係損益が減少(前年同期比▲234億円で、内訳は事業費の減少等が同+49億円、保有契約の減少等が同▲189億円、引当金の影響が同▲94億円)したため、基礎利益は前年同期を79億円下回る1025億円となった。順ざやの増加等により、キャピタル損益は同411億円増加し、前年同期の▲382億円から29億円の黒字に転換した。以上の結果、経常利益は同220億円増の916億円となった。キャピタル損益の改善については、その相当額の価格変動準備金を繰り入れる、または取り崩す会計処理を継続して実施し相殺したため、基礎利益の減少等に伴い、四半期純利益は前年同期を55億円下回る408億円となった。
外国証券等の収益追求資産への投資残高は、前期末比17億円増の11兆3568億円で、総資産に占める割合は16.5%(前期末15.9%)に拡大した。平均予定利率は、前年同期から横ばいの1.69%、利子利回りは前年同期から0.1ポイント増加し1.84%だった。
有価証券の含み益は7兆5256億円で前期末から1446億円増加した。このうち満期保有目的の債券は5兆2021億円で同172億円の増加、責任準備金対応債券は7727億円で同34億円の減少、その他有価証券が1兆5507億円で、同1308億円の増加となっている。
連結ソルベンシー・マージン比率は、1095.4%で前期末比25.8ポイント減少した。
エンベディッド・バリュー(EV)は、今年5月に実施した自己株式の取得(3588億円)に伴う純資産の減少等により、前年度末比6.3%減少の3兆7711億円だった。