2021.08.26 第一生命HD 21年度第1四半期決算、グループ修正利益は599%増

第一生命ホールディングスが8月11日に発表した2021年度第1四半期決算によると、連結経常収益は前年同期比9%増の1兆9455億円で、連結保険料等収入は同8.6%増の1兆9455億円となった。グループ基礎利益は同11%増の1515億円だった。第一生命の運用関係利益拡大等により親会社株主に帰属する四半期純利益(連結純利益)は1384億円で同239%増、グループ修正利益は同599%増の1133億円と共に大幅に伸展した。グループ修正利益の進捗率は47%とやや高い水準にあるが、予算上の第一生命における再保険(新規出再)の想定や、足元の感染再拡大、金融市場のボラティリティ上昇などから、通期予想には変更なしとした。グループEEVは前期末比4%増の約7兆2600億円、資本充足率(ESR)は同12ポイント増加し約215%だった。

 第一生命グループの連結主要業績は、連結経常収益が前年同期比9%増の1兆9455億円。連結経常利益は同169%増の2062億円だった。連結ソルベンシー・マージン比率は948.4%と同10.1ポイント低下したが、引き続き高い水準を維持している。
 新契約年換算保険料はグループ全体で同120.9%増の839億円、国内3社計では同182.9%増の592億円となった。国内新契約年換算保険料は、第一生命が同174.3%増の198億円、第一フロンティア生命が同218.8%増の357億円と、営業自粛等の営業制約があった前年同期から大幅に増加。ネオファースト生命も同46.7%増の36億円と順調に新契約を拡大した。コロナ発生前となる前々年同期との比較では、第一生命は4.7%減にとどまった一方、第一フロンティア生命は同2.0%増、ネオファースト生命は85.7%増と増加し、国内3社計では2.5%増となった。海外は、米プロテクティブが同40.0%増の148億円、第一生命ベトナムが64.2%増の75億円と大きく伸展し、海外5社計では同40.1%増の247億円(海外の変化率は為替変動の影響除く)。国内・海外合計のグループ新契約年換算保険料は、前々年同期比で7.7%増となった。
 グループ全体の保有契約年換算保険料は前年度末比0.8%増の4兆890億円だった。国内3社計では同0.2%減の3兆724億円。第一生命は同0.2%減の2兆723億円で、このうち第三分野は同0.6%増の7011億円となった。第一フロンティア生命は同0.2%減の8595億円、ネオファースト生命は同0.0%増の1405億円だった。
 グループ各社の業績では、第一生命は経常収益が前年同期比59億円増の9511億円となった。このうち、保険料等収入は同21億円減の5415億円、資産運用収益は同45億円増の3726億円だった。
 経常費用は同914億円減の8049億円で、このうち保険金等支払金は同692億円増の5351億円、責任準備金等繰入額は同944億円減の108億円、資産運用費用は同781億円減の976億円、事業費は同47億円増の1003億円だった。
 経常利益は同973億円増の1461億円、四半期純利益は同679億円増の874億円だった。新契約年換算保険料は同174.3%増の198億円で、このうち第三分野は同221.1%増の133億円となった。基礎利益は順ざやの増加を主因に同3%増の1215億円、修正利益は前年同期の金融市場変動に伴う金融派生商品損益の大幅な悪化からの反動増により同350%増の874億円となった。ソルベンシー・マージン比率は前年度末比18.2ポイント上昇して955.4%で引き続き高い水準を維持している。
 第一フロンティア生命は経常収益が同295億円増の5160億円となった。このうち保険料等収入は同2057億円増の3604億円、資産運用収益は同2535億円減の781億円だった。経常費用は同291億円増の4700億円で、このうち保険金等支払金は同1628億円増の4309億円、責任準備金等繰入額は同1621億円の減少、資産運用費用は同246億円増の249億円、事業費は同30億円増の118億円となった。

 経常利益は同4億円増の460億円、四半期純利益は危険準備金繰入の減少等により同14億円増の379億円だった。新契約年換算保険料は同218.8%増の357億円。基礎利益は最低保証リスクに係る損益の悪化により同28%減の105億円、修正利益は有価証券売却益の発生等により同4%増の112億円となった。
 ネオファースト生命の新契約年換算保険料は同46.7%増の36億円。保険料等収入は同3%増の293億円となった。保険金等支払(主に解約返戻金)が増加したものの、責任準備金等の戻入が相殺した結果、四半期純利益は▲15億円(前年同期は▲36億円)となった。
 海外事業では、米プロテクティブの四半期純利益は、前年同期の金融市場変動に伴う債券評価損や商業モーゲージローンに対する貸倒引当金繰入負担等からの改善により、前年同期(▲1億1700万ドル)から2億2400万ドル増加して1億700万ドル。豪TALの四半期純利益は、前期末比での大幅な豪金利の変動(フラットニング)による資産・負債の時価評価の影響等を受け、前年同期(3700万豪ドル)から6800万豪ドル減少し▲3000万豪ドルとなった。第一生命ベトナムの四半期純利益は、継続保険料の拡大の利益寄与に加え、一部商品の責任準備金計算の規制緩和に伴う準備金戻入が寄与し、同292%増の8070億越ドンとなった。また、海外事業では豪TALを通じた同国Westpacグループ傘下の生保子会社Westpac Lifeの買収を決定したことを報告。豪保障性商品市場でのさらなる基盤強化を通じ保険リスクテイクによるグループリスクプロファイルの改善に寄与、次期中計(2025年までの3期を想定)に7500万豪ドル(約61億円)の利益貢献と、1億3500万豪ドル(約109億円)のキャッシュ貢献を見込むとした。