2021.08.20 SOMPOHD 21年度第1四半期決算、174億円増、修正利益は887億円に
SOMPOホールディングスが8月6日に発表した2021年度第1四半期決算によると、連結経常収益は前年同期比4.1%増の1兆814億円となった。連結正味収入保険料は、Sompoインターナショナル(SI)のレートアップを中心とする増収、損保ジャパンの火災保険を中心とした着実な増収などにより、同6.4%増の8725億円を計上した。連結生命保険料は、同6.5%減の755億円。SIおよび損保ジャパンの増益を主因に、連結経常利益は同14.9%増の783億円、連結純利益(親会社株主に帰属する当期純利益)は同23.2%増の583億円とともに増益となり、修正連結利益は同174億円増の887億円となった。
連結経常利益783億円の内訳は、①損保ジャパンの保険引受利益346億円(前年度の自動車保険E/I損害率の低下の反動を主因に33億円減益)②損保ジャパンの資産運用粗利益336億円(ファンド解約などに伴うネット利配増加を主因に84億円増益)③その他▲68億円(12億円減益)④海外グループ会社39億円(SIの増収効果を主因に203億円の増益)⑤SOMPOひまわり生命73億円(増減なし)⑥SOMPOケア16億円(9億円減益)⑦その他・連結調整等38億円(131億円減益)―となる。
また、連結純利益583億円の内訳は、①損保ジャパン467億円(51億円増益)②海外グループ会社32億円(187億円増益)③SOMPOひまわり生命50億円(0億円減益)④SOMPOケア10億円(4億円増益)⑤その他・連結調整等21億円(133億円減益)―となる。通期業績予想に対する進捗率は47%。
連結の総資産は、前期末比4473億円増加し13兆5660億円となった。
財務健全性の指標では、ESR(99.5%VaR)は、前年度末から7ポイント上昇し、当期末245%でターゲットレンジ(200~270%)内の資本水準を維持している。
国内損保事業のうち、損保ジャパンの経常利益は前年同期比38億円増益の614億円で、当期純利益は、資産運用粗利益の増加を主因に同51億円増益の467億円となった。修正利益は同74億円増益の609億円。
正味収入保険料は、同1.7%増の5605億円。火災・新種での増収がトップラインの増収をけん引した。種目別では、火災が商品改定による料率適正化、企業分野の増収などにより同13.5%増の686億円。海上が同7.8%増の115億円。傷害が同0.4%増の472億円。自動車は料率適正化などにより増収となり、同0.3%増の2775億円となった。自賠責は同11.4%減の545億円。その他は主力商品のビジネスマスター・プラスが引き続き好調で同6.4%増の1008億円となった。その他のうち、賠償責任は同3.9%増の564億円。なお、自賠責・家計地震を除く正味収入保険料は5058億円で、同3.3%増。
正味支払保険金は同5.8%増の2867億円。自賠責と家計地震を除いたE/I損害率は同2.1ポイント上昇し、54.2%となった。前年度の交通量減少の反動を主因に事故率が増加するも、おおむね計画どおり進捗しているとしている。正味事業費率(自賠責・家計地震を除く)は同0.1ポイント上昇し33.9%となったが、計画対比では良好に推移している。E/Iコンバインド・レシオ(自賠責・家計地震を除く)は同2.2ポイント悪化し88.1%となったが、おおむね計画どおり進捗しているとしている。
資産運用損益は、ネット利息及び配当金収入が前年同期比116億円増の313億円、有価証券売却損益が同60億円減の15億円となり、ファンド解約などに伴うネット利配増加を主因に資産運用粗利益は順調に推移し、同84億円増の336億円となった。政策株式削減額は現物・先物合計で75億円となっている。
単体ソルベンシー・マージン比率は前年度末比17.7ポイント上昇し、721.2%となった。
国内生保事業で、SOMPOひまわり生命は、インシュアヘルス(R)商品を中心に新契約年換算保険料は順調に拡大、前年同期比53.8%増の65億円を示した。インシュアヘルス(R)商品の占有率は前年同期の42%から当期64%へと上昇している。
保有契約年換算保険料(個人保険と個人年金保険の合計)は前年度末比0.3%減の3800億円だった。うち保障性商品は2139億円で、前年同期比で89億円増加、占有率は同2ポイント上昇し56%となった。
保険料等収入は前年同期比0.5%増の1051億円だった。責任準備金繰入等は同2.4%減の664億円、保険金等支払は同1.7%増の189億円、事業費は同14.8%増の223億円、資産運用損益は同3.1%増の124億円で、基礎利益は同1.2%減の87億円、経常利益は同1.8%増の83億円。当期純利益は同1.5%減益の50億円となった。保障性商品の保有増加等により、修正利益は同15億円増益(19.8%増)の94億円となり、通期予想325億円に対する進捗率は29%となった。単体ソルベンシー・マージン比率は前年度末比55.2ポイント上昇し、1515.6%となっている。
介護・シニア事業等の業績は、一過性要因の剥落に加え、ベースの入居率は改善傾向にあり、介護事業(SOMPOケア)の修正利益は前年同期比4億円増益の10億円となった。
海外保険事業では、収入保険料はSIの計画を上回るレートアップや20年12月に買収を完了した Diversified社の統合効果などを主因に、前年同期比447億円増収の2946億円となった。テキサス寒波の影響はあるものの、増収効果や経費コントロールなどにより、SIのコンバインド・レシオは同業他社に比べ優位にあるとする。運用収益の改善なども寄与し、海外保険事業の修正利益は78億円増益の171億円となっている。