2021.08.12 日本生命 21年度第1四半期決算、基礎利益約28%増と増益

日本生命が8月6日に発表した2021年度第1四半期決算によると、グループの連結業績は前年同期比で増収・増益となった。保険料等収入は10.4%増で、基礎利益は日本生命の株式配当金等の増加による利差益の改善等を主因に増益となった。新契約年換算保険料については、営業活動の再開等により前年同期比で増加したものの、営業職員チャネルの件数はコロナ禍前の19年度第1四半期との比較では減少にとどまった。同社グループでは今回の決算について、「第1四半期決算は増収増益という結果になったが、コロナ禍前の19年の水準にはまだ戻りきっていない」としている。
 グループの連結業績で、経常収益は前年同期比5.0%増の2兆1110億円で、このうち連結保険料等収入は同10.4%増の1兆3569億円だった。

 保険料等収入を単体別にみると、日本生命が同10.1%増の1兆917億円だったほか、大樹生命が同11.0%増の1244億円、ニッセイ・ウェルス生命が同13.0%増の854億円。はなさく生命が同117.9%増の26億円、豪MLCが同13.2%増の440億円だった。日本生命は、銀行窓販チャネル向け商品の販売増282億円、団体年金の増加542億円などがあり保険料等収入は前年同期比1003億円の増加。大樹生命は、一時払外貨建養老保険の販売増210億円などにより同123億円の増加。ニッセイ・ウェルス生命は、米ドル建商品の販売増が566億円あったものの円建商品の販売減が▲459億円で、同98億円の増加。はなさく生命は、保有契約の増加14億円で同14億円の増加。
 また、グループの資産運用収益は対前年比4.3%減の6940億円だった。このうち日本生命の資産運用収益は、同902億円増の6258億円。資産運用費用は同453億円減の491億円で、資産運用収支は同1355億円増の5767億円を計上した。
 グループの基礎利益は同27.9%増の1568億円だった。単体では、日本生命が同19.9%増の1474億円だったほか、大樹生命が同141.6%増の80億円、ニッセイ・ウェルス生命が同75.1%増の86億円。はなさく生命が同26.6%減の▲43億円、豪MLCの基礎利益は10億円だった。
 グループの経常費用は同1.4%増の1兆9128億円で、このうち保険金等支払金は同2.8%増の1兆1649億円、資産運用費用は同30.9%減の745億円、事業費は同4.6%増の2009億円となった。この結果、経常利益は同60.8%増の1981億円、四半期純剰余(利益)は同24.1%減の513億円となっている。
 総資産は前年度末比0.4%増の85兆9646億円、責任準備金は同0.6%増の67兆3307億円だった。連結ソルベンシー・マージン比率は劣後ローン調達に加え、危険準備金・価格変動準備金の積み増しを通じた自己資本の強化に伴い、同59.2ポイント増加して1134.2%。
 実質純資産は自己資本の着実な積み増しに加え、有価証券の含み益の増加により、同3641億円増加し22兆1392億円となった。
 国内の保険料等収入は前年同期比10.5%増の1兆3043億円。うち個人保険・個人年金保険が同8.8%増の8758億円で、チャネル別では、営業職員チャネルが同2.3%増の6519億円、代理店チャネルが同21.2%増の897億円、銀行窓販チャネルが同43.0%増の1341億円だった。団体保険は同8.4%増の786億円、団体年金保険は同19.9%増の3289億円だった。
 国内の個人保険・個人年金保険の新契約は、年換算保険料が前年同期比124.9%増の884億円、件数が同222.0%増の125万件、保障額等が同194.9%増の2兆3982億円だった。このうち営業職員チャネルの新契約年換算保険料は同226.3%増の481億円、件数が同237.6%増の119万件、保障額等が同219.5%増の1兆8079億円だった。代理店チャネルの新契約年換算保険料は同87.9%増の135億円、件数が同85.3%増の4万件、保障額等が同196.4%増の4501億円となった。銀行窓販チャネルの新契約年換算保険料は同54.1%増の267億円、件数が同34.3%増の1万件、保障額等が同46.6%増の1400億円となった。
 日本生命は新契約年換算保険料が同181.1%増の577億円、件数が同233.9%増の118万件、保障額等が同199.1%増の1兆9543億円だった。大樹生命は新契約年換算保険料が同118.8%増の65億円、件数が同120.9%増の3万件、保障額等が同103.2%増の1754億円。ニッセイ・ウェルス生命は新契約年換算保険料が同48.8%増の222億円、件数が同7.3%増の0万件(1万件未満)、保障額等が同32.9%増の869億円となった。はなさく生命は新契約年換算保険料が同131.3%増の18億円、件数が同148.8%増の3万件、保障額等が1814億円となった。
 国内の個人保険・個人年金保険の保有契約は、年換算保険料が前年度末比0.1%減の4兆5055億円、件数が同0.6%増の3708万件、保障額等が同0.3%減の175兆6354億円だった。
 このうち日本生命は年換算保険料が同0.1%減の3兆7332億円、件数が同0.6%増の3404万件、保障額等が同0.3%減の154兆3358億円。大樹生命は年換算保険料が同0.6%減の5117億円、件数が同0.3%減の253万件、保障額等が同1.3%減の17兆8380億円だった。ニッセイ・ウェルス生命は年換算保険料が同1.1%増の2501億円、件数が同1.4%増の34万件、保障額等が同0.2%増の3兆1752億円。
 団体保険の保有契約業績(保障額等)は国内計で前年度末比0.8%増の111兆4316億円で、日本生命は同1.1%増の99兆8918億円、大樹生命は同1.6%減の11兆5398億円だった。団体年金保険(受託資産等)は国内計で同1.3%増の18兆824億円で、日本生命は同0.9%増の13兆7730億円、大樹生命は同0.1%減の7793億円となった。