2021.08.13 明治安田生命 21年度第1四半期決算、グループ基礎利益は11.7%増

明治安田生命は8月6日、2021年度第1四半期決算を発表した。それによると、グループ保険料は明治安田生命単体の外貨建一時払保険の販売量増加を主因に前年同期比6.8%増の6918億円、グループ基礎利益は明治安田生命単体の利息及び配当金等収入の増加を主因に同11.7%増の1279億円となった。オンバランス自己資本が前年度末差454億円増の3兆9509億円、連結ソルベンシー・マージン比率が同22.0ポイント減の1130.5%で、両指標とも引き続き高い水準を維持している。

 グループの連結経常収益は9873億円で前年同期比5.1%増。連結経常費用は同5.9%増の9442億円、経常利益は同9.9%減の430億円、当期純剰余は同1.9%増の335億円だった。
 明治安田生命単体の業績では、基礎利益は利息及び配当金等収入が増加したことなどを主因に、同25.7%増の1265億円となった。経常収益は同5.9%増の8731億円で、保険料等収入は銀行窓販チャネルをはじめとした外貨建一時払保険の販売量増加を主因に同7.2%増の6033億円。このうち、個人保険・個人年金保険は同8.2%増の3971億円で、営業職員チャネルが同4.8%増の3236億円、銀行窓販チャネルが同31.6%増の638億円の内訳。団体保険は同8.9%増の716億円、団体年金保険は同5.2%増の1245億円だった。
 個人保険・個人年金保険の新契約年換算保険料は前年同期比73.8%増の271億円と、対面営業を自粛していた前年同期から大きく回復。コロナ禍前の19年同期との比較では11.3%の増加となった。このうち、営業職員チャネルは同79.0%増の237億円、銀行窓販チャネルは同51.7%増の30億円だった。第三分野の新契約年換算保険料は同90.1%増の111億円と伸展した。
 個人保険・個人年金保険の保有契約年換算保険料は前年度末比で0.3%減の2兆1892億円で、第三分野は同0.8%増の4623億円。
 資産運用収益は同3.3%増の2517億円となった。このうち利息及び配当金等収入は同10.0%増の2025億円。
 経常費用は同5.1%増の8250億円で、このうち保険金等支払金が同3.6%増の5745億円、責任準備金等繰入額が同90.8%増の779億円、資産運用費用が同33.2%減の469億円、事業費が同7.3%増の932億円だった。経常利益は同20.3%増の481億円、四半期純剰余は同42.4%増の395億円だった。
 単体のソルベンシー・マージン比率は前年度末差で9.6ポイント下がったが1059.5%と引き続き高い水準を確保している。実質純資産額は10兆7151億円と前年度末から304億円増加した。
 契約クオリティを示す指標では、解約・失効・減額率の状況(個人保険・個人年金保険)は前年同期差0.11ポイント上昇し1.06%、うち主力商品(「ベストスタイル」「L.A.」)が同0.26ポイント上昇の1.44%。総合継続率(個人保険・個人年金保険)は、13月目は前年同期差で0.5ポイント上昇し95.5%、25月目が同1.0ポイント上昇し89.7%、61月目は0.3ポイント低下し71.1%だった。解約・失効・減額率は前年同期を上回るものの、主力商品はコロナ禍以前の19年同期より良好な水準となっており依然として低位な水準を維持、総合継続率は全回次ともに高水準を維持している。
 海外保険事業等の保険料等収入は前年同期比4.2%増の885億円だった。そのうちスタンコープ社(米国)が同5.0%増の820億円。基礎利益相当額は新型コロナウイルス感染症による死亡者数増加の影響が大きく同69.2%減の37億円で、当期純剰余は▲1億円となった。
 21年度通期の業績見通しについては、20年度決算報告時から変更ない。グループ保険料は一時払商品を含めた販売量回復等により増収、グループ基礎利益はコロナ禍が継続する状況下で減益となるものの、引き続き明治安田生命単体では5000億円台の水準を維持するとの見通しを示した。具体的には、グループ保険料が前年度比4%増の2兆7800億円程度(20年度実績2兆6693億円)、うち明治安田生命単体が同4%増の2兆4400億円程度(同2兆3521億円)、スタンコープ社が同5%増の3100億円程度(同2956億円)。グループ基礎利益が同10%減の5200億円程度(同5798億円)、うち明治安田生命単体が同9%減の5000億円程度(同5502億円)、スタンコープ社が同29%減の240億円程度(同340億円)と見込む。