2021.06.18 3メガ損保 20年度(21年3月期)決算、純利益は三様の結果
5月20日に発表された損保大手3グループの2020年度末(21年3月期)決算を見ると、連結純利益は、SOMPOホールディングスが前期比16%増、MS&ADインシュアランスグループホールディングスが同1%増、東京海上ホールディングスが同37%減と各グループで異なる結果となった。各種準備金の繰入れ戻入れや特殊要因を除いた修正純利益では、東京海上HDが同494億円増益の3361億円、MS&ADHDが同185億円減益の2146億円、SOMPOHDが同513億円増益の2021億円をそれぞれ計上した。〈2面に3グループ各社とAIG損保、共栄火災の種目別保険料・保険金の一覧表を掲載〉
東京海上HDの20年度連結正味収入保険料は前期比0.2%増の3兆6065億円だった。為替影響を除くと同2.7%増となり、基調は好調。
21年度の業績予想では、純利益はコロナ影響や各種準備金の積増負担の反動等に加え、各拠点で料率引き上げ等の成長施策を着実に実施することで、1531億円増益の3150億円を見込んでいる。増減要因としては、国内損保が+644億円、国内生保が+7億円、海外保険が+952億円、金融・一般等が▲71億円としており、コロナ影響の反動は国内損保で+349億円、海外保険で+943億円と見込んでいる。修正純利益は243億円増益の4240億円と見込む。
MS&ADHDの損保子会社の20年度連結正味収入保険料は、国内損保では増収したものの海外子会社の減収により前期比2.0%減の3兆5009億円だった。なお、生保子会社の生命保険料が同121.4%減の▲2023億円だった。
21年度の業績予想では、純利益は国内損保子会社は自動車のロスの反動増があるもののアーンド保険料の増加や責任準備金繰入負担の軽減などにより増益、海外保険子会社は新型コロナに起因するロスの影響がなくなることにより増益となり、全体では856億円増益の2300億円を見込む。修正純利益は853億円の増益で3000億円を見込んでいる。
SOMPOHDの20年度連結正味収入保険料は、Sompoインターナショナルの大幅な増収を主因に前期比3.5%増の2兆9235億円を示した。
21年度の業績予想では、純利益は新型コロナ影響の一定の剥落と自然災害の平常化を織り込み174億円減益の1250億円としている。修正純利益は2年連続過去最高益となる28億円増益の2050億円と見込む。なお、21年度の新型コロナの純利益への影響額は現時点で▲60億円程度、修正利益への影響額は+90億円程度を見込むとしている。