2021.06.09 ライフネット生命 就業不能保険「働く人への保険3」発売、「復帰支援一時金」を新設

 エヌエヌ生命は6月2日から、中小企業の経営者や従業員が病気やケガによる入院または在宅療養などで一定期間働けなくなった場合を保障する「就業不能保障保険」の販売を新たに開始した。解約返戻金がある「就業不能保障保険(Ⅳ型)」と解約返戻金がない「無解約返戻金型就業不能保障保険(Ⅳ型)」がある。入院、在宅療養、所定の障害状態または要介護状態などによる就業不能状態を幅広く保障、特則で精神疾患も保障する。

 ライフネット生命は6月1日、就業不能保険の新商品「働く人への保険3」を発売した。正式名称は「就業不能保険(無配当・無解約返戻金型)(2021)」。「就業不能給付金」の支払要件の明確化、就業復帰をサポートする「復帰支援一時金」の新設、そのほかにも「入院見舞金」「精神疾患就業不能一時金」を新設したことがポイント。

 今回発売した「働く人への保険3」では、「どのような場合に就業不能給付金が支払われるのか」をよりわかりやすくするため、公的な制度と連動させるなど、「就業不能状態」の定義を変更した。具体的には、①入院(約款所定の精神疾患およびこれによるケガの場合を除く)②医師の指示にもとづく在宅療養(▽公的医療保険制度における医科診療報酬点数表の在宅患者診療・指導料に列挙されている診療料や管理指導料等が算定され、医師の指示にもとづき、日本国内の自宅等で、治療に専念すること(約款所定の精神疾患およびこれによるケガの場合を除く)▽約款所定の3大生活習慣病、肝硬変または慢性腎不全により、医師の指示にもとづき、日本国内の自宅等で、治療に専念すること―のいずれか)③国民年金法施行令の障害等級1級または2級④特定障害状態(眼、聴覚、そしゃく・嚥下機能、音声または言語機能、肢体、その他の特定の障害―のいずれかについて約款所定の状態に該当した状態)―となった。
 新設の「復帰支援一時金」は、就業不能給付金の支払い開始後、保険期間中に就業不能状態が終了したとき、就業不能給付金月額の3倍を一括で支払うもので、業界初(2021年4月末時点、同社調べ)の保障。加入時に選択できる。長期間働けない状態であった人が仕事に復帰した場合に、継続的な通院や体力の低下により、時短勤務や異動・転職等、以前に比べ仕事が制限され、収入が減少するといったケースがあるため、仕事への復帰をサポートするという新たなコンセプトのもと開発したもの。
 また、同社の就業不能保険は180日の支払対象外期間が設定されているが、「支払対象外期間を経過する前の短い期間に対しての保障がほしい」という顧客の声に応え、短期入院の保障として「入院見舞金」を新設した。病気やケガにより、14日以上継続して入院したとき、入院1回につき10万円を支払う。
 さらに、「精神疾患も保障の対象にしてほしい」という顧客の声に応え、うつ病などの精神疾患を原因とする場合の保障として、精神疾患就業不能一時金を新設した。精神疾患就業不能状態は、①約款所定の精神疾患またはこれを原因とするケガの治療を目的として、日本国内の病院または診療所に入院している状態②国民年金法施行令に定める障害等級1級または2級に認定された状態③精神保健および精神障害者福祉に関する法律施行令に定める障害等級1級または2級に認定された状態―のいずれかの状態とし、その状態が支払対象外期間をこえて継続したとき、就業不能給付金月額の3倍(2年に1回、最大5回まで)を支払う。
 就業不能給付金月額10万円、保険期間65歳まで、支払対象外期間180日、ハーフタイプの月額保険料例は、復帰支援一時金なしの場合、20歳男性1192円、同女性1070円、30歳男性1556円、同女性1353円、40歳男性1905円、同女性1565円、50歳男性2218円、同女性1675円。復帰支援一時金ありの場合は、20歳男性1267円、同女性1143円、30歳男性1658円、同女性1451円、40歳男性2036円、同女性1685円、50歳男性2383円、同女性1814円となっている。
 ライフネット生命は2010年に、生命保険業界でいち早く個人向けの就業不能保険の提供を開始した。その後、16年には給付金の受け取り方や保険期間などを選べる就業不能保険「働く人への保険2」を発売するなど、顧客のニーズに対応してきた。就業不能保険の販売開始から10年以上がたち、少子高齢化の中、現役世代の割合の低下や共働き世帯の増加を背景に、シニアや女性の就労者も増加し、働き方も多様化している。また、顧客の就業不能保険へのニーズもより一層高まり、「もう少し短い期間に対しての保障もほしい」「うつ病などの精神疾患も保障してほしい」といった声も寄せられているところから、今回の新商品の開発に至った。