2021.06.10 T&D保険グループ 20年度末決算、純利益141%増1623億円に[2021年5月14日]

 T&D保険グループが5月14日に発表した2020年度決算によると、親会社株主に帰属する当期純利益は、生保事業が堅調に推移したことに加え、米国再保険持株会社(フォーティテュード)の持分法による投資利益を計上したことにより前期から大幅に増加し、前期比141.9%増の1623億円。グループ修正利益も生保事業が堅調に推移したことにより、同20.0%増の779億円となった。連結経常収益は同9.8%増の2兆4139億円、連結経常利益は同81.9%増の2281億円だった。1株当たり年間配当金(予定)は46.0円で、通期予想通り前期から2.0円増配予定とした。

 太陽生命・大同生命・T&Dフィナンシャル生命3社合算の新契約年換算保険料は、第1四半期では新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う営業自粛の影響により減少したものの、第2四半期以降は前年同期を上回り、前期比5.3%増の1103億円となった。このうち第三分野も、同5.5%増の320億円だった。保有契約年換算保険料は前期末からほぼ横ばい(0.2%減)の1兆5354億円で、このうち第三分野は2674億円で同3.5%の増加。
 中核生保3社合算の基礎利益は、利息及び配当金等収入の減少などにより前期比3.1%減の1610億円。新契約価値(中核生保3社合算)は堅調な契約業績に支えられ同276億円増加し1434億円となった。グループMCEVは、新契約の積み上げや国内長期金利・内外株価の上昇等により前期末から7895億円増加し、3兆3776億円となった。連結ソルベンシー・マージン比率は、前期末比12.2ポイント低下して1094.8%。
 各社の業績では、太陽生命の経常収益は前期比0.7%減の7973億円で、このうち保険料等収入は同4.4%増の6197億円だった。同社の新契約年換算保険料は同4.7%増の331億円、うち第三分野は同14.6%増の177億円だった。年換算保険料のうち、主に貯蓄系商品を除いた保障性新契約年換算保険料は、第4四半期は緊急事態宣言下の営業活動となったものの、ウィズコロナ時代に対応した営業活動の推進や「感染症プラス入院一時金保険」の販売が好調だったことにより、同15億円(10%)増加し172億円。新型コロナウイルス感染症拡大に伴う訪問活動の自粛等により、第1四半期の契約業績は減少したものの、第2四半期以降は前年比122.8%と好調に推移した。保障性保有契約年換算保険料は、入院一時金保険等の第三分野商品の販売が引き続き堅調だったことから、前期末比22億円(1.4%)増の1554億円だった。
 大同生命の経常収益は前期比0.8%増の1兆228億円、うち保険料等収入は同1.2%減の8081億円だった。新契約年換算保険料は同9.2%増の510億円、うち第三分野は同4.3%減の139億円だった。新契約高(注)は新型コロナウイルス感染症拡大による対面営業自粛の影響により前年度比で減少するも計画通りの進捗となり、前期から1738億円減少の3兆5506億円となった。対面とオンラインツールを活用した非対面でのコンサルティング活動の推進、コロナ禍での保障ニーズの高まりもあり、多様な保障ニーズに対応するオーダーメード型商品の販売が順調に推移している。保有契約高(注)は46兆6560億円と、前期末(46兆9472億円)とおおむね同水準となった。顧客への保障内容の丁寧な説明などにより、解約失効率は前年から低下している。
 T&Dフィナンシャル生命の経常収益は前期比29.9%増の4606億円、うち保険料等収入は同3.6%増の3480億円だった。新契約年換算保険料は同0.9%減の262億円、うち第三分野は4億円で同8.9%増加した。新型コロナウイルス感染症拡大による営業活動への影響等により、第3四半期までは前年同期を下回っていたものの、ウェブ等を活用した営業活動の推進、オンライン・非対面での募集環境の整備、海外金利の上昇による商品の魅力向上などにより、第4四半期は「生涯プレミアムワールド5」を中心に業績が回復した。保有契約年換算保険料は前期末比12.3%増の1478億円。
 22年3月期通期のグループの連結業績予想については、経常収益2兆1300億円、経常利益740億円、親会社株主に帰属する当期純利益160億円、グループ修正利益730億円を見込む。なお、当期純利益予想のうち、生命保険3社(合算)の当期純利益は680億円と21年3月期より56億円の増益を見込んでいる一方、T&Dユナイテッドキャピタルの22年3月期当期純利益が、投資先であるフォーティテュードの一時的な評価性損益の影響により21年3月期から1502億円減少の▲510億円を見込むとしている。
 (注)個人保険・個人年金保険の新契約高と保有契約高に、「Jタイプ」の重大疾病保険金額、「Tタイプ」の就業障がい保険金額、「介護リリーフα」等の介護保険金額を計上した場合の新契約高・保有契約高。