2021.05.17 三井住友海上 グリーン電力証書発行者の保険発売、発電者トラブル時に追加費用を補償
三井住友海上は4月から、企業や自治体などがグリーン電力を使用していると見なされる「グリーン電力証書」の安定供給を支援するため、証書の発行事業者を対象にした「グリーン電力証書安定供給支援保険」の販売を開始した。
「グリーン電力」とは、「再生可能エネルギーにより発電された電力」のこと。グリーン電力は、「電気そのものの価値」に加え、省エネルギー(化石燃料の節減)やCO2排出抑制といった「環境価値」を持っており、グリーン電力の発電設備を自ら保有することが困難な企業や自治体は、この「環境価値」を証書という形で購入し、通常使用している電気と組み合わせることで、グリーン電力を使用していると見なされるようになっている。
この証書は、企業等がグリーン電力の「環境価値」を第三者認証機関(一般財団法人日本品質保証機構)の認証を得た発行事業者から購入することで発行される。企業等がグリーン電力発電者に発電委託をしている発行事業者に対して証書の発行を申し込むと、発電事業者から発行事業者に移転した「環境価値」を発行事業者が「証書」として企業等に販売する仕組みとなっている。
「グリーン電力証書安定供給支援保険」は、証書の発行事業者を対象とした保険で、発行事業者が委託しているグリーン電力発電者の施設が災害等のトラブルで稼働を停止し、発行事業者が「環境価値」を調達できなくなった場合に、発行事業者が、企業等に対して証書の提供を継続するために代替の発電者等から一時的にグリーン電力の「環境価値」を調達することにより生じる追加費用(通常より割高な費用でグリーン電力の「環境価値」を調達した場合の追加費用)を補償する。グリーン電力発電者の「トラブル」の例として、①対象施設の設備の故障②台風等の自然災害による対象施設の損壊③対象施設が工場自家発電の場合、工場自体の操業停止―が例示されている。
全事業にわたって脱炭素化の流れが進むほど、グリーン電力証書の発行は加速度的に増加することが期待されている。証書の収益は、グリーン電力発電設備の維持・拡大などに還元されることから、証書の発行事業は脱炭素社会の実現を後押しする効果も期待できる。三井住友海上は、今後も新たな商品・サービスの提供を通じて、グリーン電力の普及拡大や脱炭素社会の実現に貢献していくとしている。