2021.05.18 SOMPOHD、損保ジャパン パラメトリックス社との協業で新商品開発、ECサイトのシステムダウンを補償

 SOMPOホールディングスと損保ジャパンは、クラウドサービスのシステムダウン時のリスク検知・把握に関するノウハウ・技術を有するイスラエルのスタートアップ企業であるParametrix Ltd(CEO:Yonatan Hatzor、以下、パラメトリックス社)と最先端のデジタル技術を活用したデジタル・プラットフォーマー向けの新商品(ダウンタイム保険)開発のための協業を3月から開始した。

 電子商取引の市場は年々伸びており、特にコロナ後は非接触・非対面での買い物が可能なECサイト利用の伸びが予想されている。その一方で、ECサイトのシステムダウンは店舗オーナーにとって重要な経営リスクとなっている。ダウンタイムに関する公開データがなく、ダウンタイムを予測するモデル開発が困難という背景があるといわれる。
 損保ジャパンでは、デジタル・プラットフォーマーが利用するクラウドサービスのシステムダウンが発生した場合に、そのダウンタイムに応じて発生する損害を補償する商品を発売する予定。売上高10億円のECサイトの出店者の場合で年間保険料が数万円からとなる保険を検討している。
 パラメトリックス社は、2019年8月に設立。ウェブサービスのシステム稼働データ収集、モニタリング、ダウンタイムモデリング(保険のプライシングモデル)を行っている。SOMPOホールディングスと損保ジャパンは、20年8月からパラメトリックス社の保有するノウハウについての技術検証を行い、デジタル・プラットフォーマー向け新商品開発のための実証実験(PoC)を行った。その成功を踏まえ、今回、パラメトリックス社と共同新商品(ダウンタイム保険)を開発し、販売を進めていくことについて合意に至った。
 協業では、SOMPOホールディングスが全体統括、損保ジャパンが保険商品の開発・マーケティング、パラメトリックス社が保険商品に付帯するサービス・保険商品提供のために必要なシステムの開発を担う。この協業を通じて、パラメトリックス社が持つ技術力を活用し、事故発生時に速やかに保険金を支払うことができる保険商品とその付帯サービスを開発し、日本市場に合わせたマーケティングを行っていく。
 SOMPOホールディングスは、17年11月に日本の保険会社として初めてイスラエルのテルアビブに東京・米国シリコンバレーに続く第三のデジタル戦略拠点を開設。18年10月には「SOMPO Digital Lab Tel Aviv」(CEO:Yinnon Dolev、以下、Digital Lab Tel Aviv)として現地法人を設立した。Digital Lab Tel Avivは、グループのデジタルトランスフォーメーションを加速するため、主に自動車(モビリティ)、デジタルヘルス、サイバーセキュリティ、インシュアテック等の領域で、スタートアップ企業との協業の検討や実証実験を行っている。パラメトリックス社とのPoCも、Digital Lab Tel Avivのインシュアテック案件として行われた。