2021.03.01 明治安田生命グループ 20年度第3四半期決算、「減収減益」基調も3カ年の水準は維持[2021年2月12日]

 明治安田生命が2月12日に発表した2020年度第3四半期決算によると、保険料等収入はグループ・明治安田生命単体ともに減収、基礎利益もグループ・単体ともに減益となったが、2017年度以降過去3カ年の水準は維持している。20年度通期予想は、グループ・単体ともに減収減益の見通しで変更ない。20年度に進める単年度の経営計画「とことん!アフターフォロー特別計画」については、経営目標に掲げる「お客さまアクセス数(個人・法人営業)」と「アドバイザー(営業職員)数」は順調に進捗しているとした。
 グループ保険料は、明治安田生命単体の外貨建一時払保険の販売量減少および団体年金保険の前年同期からの反動減を主因として、前年同期比6.9%減の1兆9858億円となった。そのうち海外保険事業等は2431億円と同3.0%増収。
 グループ基礎利益は、明治安田生命単体、海外保険事業等の減益により同2.2%減の4051億円となった。
 連結の経常収益は同1.8%減の2兆9170億円、経常費用は同1.7%減の2兆7038億円、経常利益は同2.6%減の2131億円、親会社に帰属する四半期純剰余は特別損失の減少により同13.0%増の1761億円。グループの総資産は前年度末から1兆7260億円増加し44兆3399億円となった。連結ソルベンシー・マージン比率は前年度末差18.8ポイント減少したが、1124.8%と引き続き高い健全性を維持している。
 明治安田生命単体の営業成績は、保険料等収入が外貨建一時払保険の販売量減少および団体年金保険の前年同期からの反動減を主因として、前年同期比8.1%減の1兆7426億円となった。個人保険・個人年金保険の保険料等収入は、同6.6%減の1兆1379億円だが、営業職員チャネルの平準払保険は同1.5%の減少にとどまった。団体保険・団体年金保険は、同12.4%減の5693億円となっている。
 個人保険・個人年金保険の新契約年換算保険料は、営業活動自粛の影響などにより、同11.5%減の673億円。チャネル別内訳では営業職員チャネルが同10.7%減の595億円、銀行窓販チャネルが同16.2%減の65億円。また、第三分野は同14.1%減の254億円となった。なお、対面・非対面を融合した営業活動が本格化した7月以降の業績は徐々に回復傾向にあり、第3四半期の業績は昨年水準まで回復しているという。
 個人保険・個人年金保険の保有契約年換算保険料は、前年度末比1.3%減の2兆1978億円。このうち第三分野は、コロナ禍での医療保障ニーズの高まりを受けた解約・失効の減少等により、同1.7%増の4527億円となっている。
 基礎利益は、利息及び配当金等収入の減少、新型コロナウイルス関連の対策費用の増加等の影響により、前年同期比0.9%減益の3668億円となったが、2017年度以降の過去3カ年水準を確保した。
 業績の主な項目で、経常収益は、前年同期比2.0%減の2兆5908億円となった。資産運用収益は同16.3%増の7971億円。経常費用は、同2.3%減の2兆3946億円で、このうち保険金等支払金は同1.5%増の1兆7040億円、責任準備金等繰入額は同30.5%減の1537億円、資産運用費用は同8.3%減の1679億円、事業費は同2.0%増の2726億円となった。経常利益は、同0.9%増の1961億円、四半期純剰余は同18.5%増の1654億円となった。総資産は前年度末から1兆6194億円増加し41兆1503億円。
 ソルベンシー・マージン比率は、金融環境の変動などを受けて前年度末差18.9ポイント減の1050.4%となったものの、1000%を超え、引き続き高い健全性を維持している。実質純資産額は、前年度末差8354億円増加し、10兆3321億円と引き続き高い財務健全性を確保している。オンバランス自己資本は、内部留保の積み増しなどにより同1148億円増加し、3兆8474億円となった。
 一般勘定資産全体の含み損益は、6兆3029億円と同7008億円増加した。このうち株式の含み損益は、株価上昇に伴い、月中平均価格ベースで2兆6291億円と前年度末差8729億円増加した。
 契約クオリティを示す指標は、引き続き良好に推移しており、解約・失効・減額率は前年同期差0.14ポイント改善して2.86%となった。総合継続率は、13月目が同0.8ポイント上昇の95.3%、25月目は横ばいの88.8%、61月目が同0.5ポイント低下の70.8%と共に高水準を維持している。
 スタンコープ社の保険料等収入は、主力の団体保険事業で新契約と既契約更新が良好に推移した結果、2262億円と前年同期比4.0%の増収となった。基礎利益相当額は、米国での新型コロナ感染拡大に伴う死亡保険金の支払い増加等により、同24.0%減の286億円となった。当期純利益は、同35.5%減の156億円だった。
 明治安田生命グループの20年度の業績見通しは、保険料等収入・基礎利益は不安定な金融環境の影響などを踏まえ、グループ・単体ともに「減収減益」となる見通しで、上半期報告時から変更ない。グループ保険料は2兆6400億円程度(前年度比91%に減少)の見通しで、うち明治安田生命単体は2兆3100億円程度(同89%に減少)、スタンコープ社単体は3020億円程度(同103%で横ばい)の見通しとしている。また、グループ基礎利益は5100億円程度(同80%に減少)の見通しで、うち明治安田生命単体は4800億円程度(同81%に減少)、スタンコープ社単体は350億円程度(同71%に減少)の見通し。