2021.02.22 日本生命グループ 20年度第3四半期決算、グループ基礎利益は5.1%減[2021年2月12日]

 日本生命が2月12日に発表した2020年度第3四半期決算によると、グループの連結業績は、保険料等収入、基礎利益ともに前年実績を下回る減収・減益となった。国内の保険料等収入は、営業職員等チャネルでは徐々に回復基調にはあるものの年度始のコロナ禍を受けた販売減や海外金利の低下による一時払外貨建養老保険の販売減等により減収となった他、銀行窓販チャネルもコロナ禍や海外金利の低下による販売減等により減収となった。有価証券売却益の計上を主因に経常利益は前年同期比69.1%増の3615億円、四半期純剰余は同42.7%増の2106億円とそれぞれ増加している。
 日本生命グループの20年度第3四半期の連結経常収益は前年同期比1.7%減の5兆8313億円だった。連結保険料等収入は同11.2%減の3兆7997億円。
 グループの基礎利益は、前年同期比5.1%減の4474億円。このうち日本生命は企業業績の悪化に伴う国内株式配当金の減少等を主因に減益し、同1.3%減の4237億円となった。大樹生命は一時払外貨建養老保険の販売減に伴う付加保険料の減少を主因とした保険関係損益の減少等により減益し同25.1%減の196億円となった。ニッセイ・ウェルス生命は円建年金保険の販売増加に伴う標準責任準備金の積み増しを主因に減益し同12.8%減の201億円だった。はなさく生命は事業拡大による事業費等の支出増を主因に減益し▲106億円。オーストラリアの連結子会社MLCは団体保険と個人保険領域での死亡保障等の収支悪化を主因に減益し▲251億円となった。
 グループの資産運用収益は、同30.0%増の1兆8419億円となった。このうち日本生命は、年度始の社債スプレッドの拡大を捉えた外国国債から外国社債への入替や内外株式の売却に伴う有価証券売却益の計上により前年同期差2577億円増の1兆4440億円を計上した。なお、同社の資産運用収支(一般勘定)は同2718億円増の1兆2282億円となっている。
 グループの経常費用は前年同期比4.4%減の5兆4698億円で、このうち保険金等支払金は同0.9%減の3兆3154億円、資産運用費用は同5.4%減の2449億円、事業費は同3.9%減の5818億円だった。これらの結果、経常利益は3615億円、これに特別損益▲1116億円などを加減した四半期純剰余は2106億円となった。
 総資産・純資産は日本生命の増加を主因に増加し、総資産は前年度末比4.9%増の84兆12億円、純資産は同35.9%増の8兆3646億円となった。また、実質純資産は、自己資本の着実な積み増しに加え、内外株価の上昇による有価証券の含み益の増加により、同16.4%増の21兆3372億円となった。
 連結ソルベンシー・マージン比率は、劣後ローン調達に加え、危険準備金・価格変動準備金の積み増しを通じた自己資本の強化に伴い前年度末比で増加し、同46.8ポイント上昇し1094.3%となった。
 国内の保険料等収入は、前年同期比11.2%減の3兆6529億円。会社別には、日本生命は海外金利の低下等による銀行窓販チャネル向け商品の販売減や、年度始のコロナ禍を受けた営業職員チャネルの販売減等により同7.7%減の3兆1104億円。大樹生命は海外金利の低下による一時払外貨建養老保険の販売減を主因に同32.8%減の3375億円。ニッセイ・ウェルス生命は海外金利の低下による外貨建保険の販売減により同16.6%減の2004億円だった。
 国内の保険料等収入のうち個人保険・個人年金保険は同11.5%減の2兆5855億円で、チャネル別では、営業職員等チャネルは同4.7%減の2兆2771億円、銀行窓販チャネルは同42.2%減の3084億円となる。団体保険は同1.6%増の2045億円、団体年金保険は同7.1%減の7976億円だった。
 国内の個人保険・個人年金保険の新契約では、年換算保険料が前年同期比31.1%減の2142億円、件数が同25.4%減の298万件、保障額等が同20.0%減の5兆6160億円となった。
 うち営業職員等チャネルの新契約年換算保険料は、同17.4%減の1511億円、件数は同24.7%減の294万件、保障額等は同17.4%減の5兆3023億円。銀行窓販チャネルの新契約年換算保険料は、同50.6%減の631億円、件数は同56.7%減の3万件、保障額等は同47.3%減の3137億円。営業職員等チャネルは徐々に回復基調にはあるものの、年度始のコロナ禍を受けた販売減や、海外金利の低下による一時払外貨建養老保険の販売減等により減少、 銀行窓販チャネルはコロナ禍や海外金利の低下による販売減等により減少した。
 日本生命の新契約年換算保険料は、前年同期比20.6%減の1464億円、件数は同25.3%減の283万件。同じく大樹生命は、同49.4%減の130億円、件数は同46.2%減の8万件だった。同じくニッセイ・ウェルス生命は、同47.9%減の514億円、件数は同11.0%減の1万件。
 国内の個人保険・個人年金保険の保有契約は、年換算保険料が前年度末比0.6%減の4兆4982億円、件数が同1.3%増の3666万件だった。
 日本生命の保有契約年換算保険料は前年度末比0.6%減の3兆7391億円、件数は同1.4%増の3365万件となった。同じく大樹生命は同0.4%減の5122億円、件数は同1.4%減の256万件。同じくニッセイ・ウェルス生命は同2.0%減の2398億円、件数は同2.2%増の33万件だった。
 国内の団体保険の保有契約実績(保障額等)は前年度末比0.7%増の110兆7301億円。このうち、日本生命は同1.2%増の99兆345億円、大樹生命は同3.4%減の11兆6955億円だった。団体年金保険(受託資産等)の国内計は、ニッセイアセットマネジメントの投資顧問残高(2兆6760億円)、確定拠出年金の投資信託(日本生命販社分5699億円)を含め、同4.5%増の17兆6217億円だった。