2021.02.19 SOMPOHD 20年度第3四半期決算、純利益は21%減益の857億円[2021年2月12日]
SOMPOホールディングスが2月12日に発表した2020年度第3四半期決算によると、連結経常収益は前年同期比2.9%増の2兆9096億円となった。このうち、正味収入保険料はSompoインターナショナル(SI)の増収が寄与し同5.5%増の2兆2646億円となった。生命保険料は同2.0%減の2537億円。損保ジャパンでは損害率低下を主因に増益したもののSIの新型コロナウイルス影響等により、連結経常利益は同103億円減益の1435億円、連結純利益は同230億円減益(21.2%減)の857億円となった。連結純利益の通期予想1400億円に対する進捗率は61%。 連結業績では、異常危険準備金繰入額等や価格変動準備金繰入額など一過性の損益やグループ会社配当等の特殊要因を除いた修正連結利益は1490億円で、前年同期比プラス430億円の大幅増益を示した。
国内損保事業のうち、損保ジャパンの保険引受利益は、外出自粛を背景とした自動車保険の損害率低下を主因に前年同期比416億円増益の684億円となった。正味収入保険料は、同2.0%減の1兆6209億円。新型コロナ影響を受けたものの、火災保険・自動車保険での増収により自賠責・家計地震を除くベースでは横ばいの1兆4415億円となった。種目別では、火災が料率適正化・企業分野の増収などを主因に同7.0%増の2362億円。海上が同9.7%減の317億円。傷害は外出自粛影響等により旅行保険を中心に減収となり、同9.6%減の1167億円。自動車は新車販売不振等の影響を受けたものの、レート改定効果等により増収となり、同0.5%増の8138億円となった。自賠責は同16.0%減の1792億円。その他は主力商品のビジネスマスタープラスが引き続き好調だったものの、企業の売上減少を背景とした減収影響等があり、同1.3%減の2432億円となった。その他のうち、賠償責任は同4.0%減の1275億円。 正味支払保険金は同8.5%減の8870億円。自賠責と家計地震を除いたE/I損害率は同7.3ポイント改善し、58.3%となった。自動車保険のE/I損害率は同6.4ポイント改善しており、事故受付件数も同16.4%減少している。
正味事業費率(自賠責・家計地震を除く)は消費増税などにより事業費率が上昇した一方、社費は適切にコントロールした結果、同0.4ポイント増加の33.9%となった。W/Pコンバインド・レシオ(自賠責・家計地震を除く)は同4.5ポイント改善し91.2%となった。
資産運用損益は、ネット利息及び配当金収入が前年同期比114億円減の459億円、有価証券売却益が同124億円減の355億円となり、前年度の金利低下局面での債券売却益やファンド解約に伴う利配収入の剥落を主因に、資産運用粗利益は同302億円減益の654億円となった。政策株式削減額は現物・先物合計で727億円となっている。 損保ジャパンの経常利益は同105億円増の1208億円。当期純利益は、損害率が大きく改善したものの異常危険準備金積増の増加等により、同53億円増益にとどまり876億円となった。単体ソルベンシー・マージン比率は前年度末比18.1ポイント上昇し、735.4%となった。
国内生保事業で、SOMPOひまわり生命は、新契約高(個人保険)は前年同期比17.0%減の1兆5348億円だが、新契約年換算保険料は同2.8%増の189億円とプラスに転じた。20年6月発売の新医療保険の販売好調によるものとされる。保有契約年換算保険料(個人保険と個人年金保険の合計)は前年度末比0.3%増の3804億円だった。うち医療保障・生前給付保障等は同3.2%増の1591億円。保険料等収入は前年同期比0.9%減の3233億円となった。
事業費は同0.5%減の629億円、資産運用損益は同5.6%増の380億円で、基礎利益は同12.6%増の273億円、経常利益は同11.2%増の271億円。貯蓄性商品の保有減少に伴う責任準備金負担軽減などにより、当期純利益は同19.8%増益の171億円となった。保障性商品の保有増加等により、修正利益は同8億円増益(3.2%増)の268億円となり、通期予想325億円に対する進捗率は83%となった。単体ソルベンシー・マージン比率は前年度末比137.3ポイント上昇し、1609.4%となっている。
介護・ヘルスケア事業等の業績は、修正利益は前年同期比14億円減益の40億円となった。介護事業(SOMPOケア)の修正利益は現場職員への特別手当支給などコロナ関連費用などにより同4億円減益の41億円となったが計画通り進捗しているとしている。
海外保険事業では、収入保険料はSIのスペシャルティ保険を中心とした増収に伴い順調に拡大し、前年同期比1471億円増の6067億円となった。一方で修正利益はSIにおける新型コロナウイルスや自然災害影響を主因に同258億円減益の156億円となった。新型コロナ影響も含めて、修正利益は想定の範囲内で推移しており、通期予想(275億円)に対して順調に進捗しているとしている。