2021.02.09 三井住友海上 デジタルビジネスと連携、ビルトイン型保険を開発、旅行保険で販売開始[2021年]

 三井住友海上は、デジタルイノベーション(DI)推進の一環として、「ビルトイン型保険」を開発し、1月から販売を開始した。「ビルトイン型保険」は、同社のデジタル保険販売プラットフォームをデジタルビジネス事業者とデータ連携させて、事業者の利用者向けに販売する保険の総称のこと。第1弾として、国内旅行傷害保険と海外旅行保険で、旅行業界をはじめとした事業者との連携を目指す。
 急速なデジタル化の進展により、ECやシェアリングサービス等の市場が拡大しているが、こうしたEC等の利用者が保険に加入しようとする場合、リスクとそれに応じた保険商品を利用者自身で特定し、利用するサービスとは別に保険加入手続きを行うことが必要だった。このため、加入すべき保険が分からない、保険加入を忘れてしまう、保険加入のための情報入力が手間等の理由から、保険加入しないケースがあった。
 そこで同社では、事業者とデータ連携しEC等の利用者の「適切なタイミングで、必要な保険に、簡便に加入したい」というニーズに応えることを目的としてビルトイン型保険を開発した。さまざまな事業者との連携が可能で、多くの事業者と連携することで、ECやシェアリングサービス等の利用者に向けた利便性の高いサービスの実現に寄与し、安心と安全を提供することを目指す。
 ビルトイン型保険は、①保険提案プロセスの埋め込み②スマートフォンで手続きを完結③柔軟な商品プラン提供―以上3点の特長を持つ。
 ①「保険提案プロセスの埋め込み」では、事業者とのデータ連携により、EC等の利用者がサービスを利用する一連の操作の途中に「保険提案プロセス」を埋め込む。これによりEC等の利用者は、商品購入やサービス利用時に「適切なタイミングで、必要な保険に」加入できる。また、保険加入の際に必要な氏名等の情報をEC等のサービスから引き込み入力負荷を軽減することで「簡便に」加入できる。旅行予約サイトで導入する場合のイメージとしては、利用者が旅行予約手続をする途中で、保険提案プロセス(「おすすめ」「説明」「入力」「確認」)を埋め込み、旅行代金と保険料を同時に決済するような流れとなる。
 ②「スマートフォンで手続きを完結」では、保険加入後も、スマホ等で加入内容の確認や事故連絡等、一連の保険手続きを行うことが可能。
 ③「柔軟な商品プラン提供」では、事業者のニーズに合わせた柔軟な保険商品プランを設計することが可能となる。
 同社ではビルトイン型保険を導入する事業者のメリットとして、「適切なタイミングで、必要な保険に、簡便に加入できる機会の提供」と「ネット完結」による付加価値により、顧客体験(UX)が向上し、顧客満足度やブランドイメージアップによるデジタル顧客基盤の強化が期待できること、また、同保険販売の代理店手数料収入による収益性向上が期待できること、を挙げている。