2021.02.08 日本生命 画面共有システムを拡充、全国の営業拠点支社に展開[2021年]

 日本生命は1月末から、全国の営業拠点やライフプラザ、支社など1831カ所に、顧客と営業職員が同じ画面を共有しながらオンラインで手続きを行うスキーム「画面共有システム」を導入した。これにより、保険契約に関連する全てのステップで、リアルとデジタルの手続きを顧客のニーズに応じて組み合わせ、大手生保としては初めて、顧客が希望する場合に自署も含めた全ての手続きをオンラインで完結することを可能にした。このシステムの導入を通じて、リアルとデジタルの融合を加速させ、人が一層輝くためのデジタル活用を促進して、顧客にとって価値の高いコンサルティング・サービスを提供していくとしている。
 日本生命では、これまでもフェイス・トゥ・フェイスとオンラインを自在に組み合わせた新たな活動モデルの構築と浸透に向けて、インフラを整備してきた。具体的には、営業職員向けスマートフォン「N―Phоne」の配備に加え、LINE WORKSやZооmの導入で、顧客とのコミュニケーションの選択肢を拡充してきた。
 また、新型コロナウイルスの感染拡大による訪問活動自粛の中でも、詳細な説明を希望する顧客の要望に応えるために、営業活動用タブレット端末「TASKALL(タスカル)」の画面を顧客のパソコン画面やタブレットと共有し、同じ資料や画面を共有しながら、オンラインで手続きを行うスキーム「画面共有システム」を一部の拠点で導入し検証に取り組んできた。検証では、リアルタイムで画面を共有することで対面訪問と同レベルの面談が可能になることや、テレワーク中や遠方の顧客に対して効率的な活動が可能になったこと、営業現場の拠点長やリーダーが同行しやすく面談の質の向上が図れたこと、移動時間の効率化だけでなく、交通費削減の効果も得られたことなどが明らかになった。
 こうした検証の結果を受け、同システムを1月末から、約1500の営業拠点の他、ライフプラザや支社など、全国1831カ所に導入することにした。これにより同社の全拠点で、新契約と保全手続きがオンラインで行えるようになった。
 ①新たな顧客と知り合う②信頼関係を築き、ニーズを把握する③商品・サービスの提案を行う④新契約を締結する⑤保全手続き・アフターフォローを行う―の五つの保険契約に関する全てのステップにおいて、主なプロセス・手続きで、顧客のニーズに応じてリアルとデジタルをオーダーメイドで組み合わせた対応が可能となる。
 希望する顧客に対して、自署も含めた全ての手続きをオンラインで完結できるようにするのは、大手生保では初めてとしている(新契約申込や一部保全手続における必要書類の事前送付は発生)。
 同社は、コロナ禍で直接顧客と会うことが困難な状況の中で、電話やメール、LINE WORKS、Zооmといったツールを活用し、「非対面」の方法で顧客とコンタクトを取ってきた。
 一方で、顧客は「非対面」のコンタクトに便利さを感じているものの、保険商品に関する詳細な説明や重要なポイントは営業職員と直接会った上で確認しながら手続きを進めたいという意向も依然として強い状況だった。そうした点から、契約者のニーズに応えるためには、「対面のみ」や「非対面のみ」ではなく、「対面」と「非対面」を組み合わせ、一人一人の意向に沿ったオーダーメイドによるコンサルティング・サービスの提供が重要と考えたことが開発背景だとしている。
 同システムの全国展開を担当した営業開発G調査役江口友悟氏は、全国の拠点に導入したことで、非対面での詳細な説明や手続きを希望する顧客の要望により広く応えることができるとし、「今後も営業現場での活用事例などを踏まえ、リアルとデジタルを融合した活動をブラッシュアップさせ、一人一人のお客さまのニーズに応えられるように取り組みを進めていきたい」と述べている。