2021.01.14 ■あいおいニッセイ同和損保 火災保険で商品改定、企業向け、新型コロナの補償拡大[2021年1月1日]
あいおいニッセイ同和損保は、2021年1月1日以降保険始期の契約から個人向け火災保険の主力商品である「タフ・すまいの保険」を改定した。昨今の自然災害の増加により、2019年10月に火災保険参考純率が改定されたことを受けて保険料を見直すとともに、「特定機械設備水災補償特約」を新設した。また、事業者向け商品で新型コロナウイルス感染症のまん延といった社会環境の変化にも対応するため、休業損害・利益損失補償における新型コロナウイルス感染症の補償を拡大した。
今回新設した「特定機械設備水災補償特約」は、台風や豪雨による洪水などにより、高額な給湯・発電設備などの機械設備が損傷した場合に、普通保険約款に定める浸水条件を満たさないケースにおいても、その損害を1回の事故につき1敷地内ごとに最大100万円まで補償する。同特約は保険の対象に建物を含み、水災を補償するプランを選択した契約にセットが可能だ(水災補償がない契約や、水災補償を一部補償としている契約にはセット不可)。
また、補償を拡大した休業損害・利益損失補償(タフビズ事業活動総合保険普通保険約款・休業損害補償条項、企業財産包括保険・食中毒・特定感染症利益補償特約〈利益保険金用〉/休業損害補償特約)は、20年5月12日に新型コロナウイルス感染症の補償(定額払い)を追加する改定を行ったが、今回の改定では定額払い(20万円)から「支払限度日数14日・支払保険金500万円限度」へと拡大した。加えて、これまで補償対象外としていた「新型コロナウイルス感染症以外の未知の指定感染症」について、定額払い(20万円)(注)の補償を新設した。
同社では現在、研修動画や非対面ツール(ウェブコミュニケーション)を活用して商品改定に関する代理店研修を行っており、非対面募集時に活用できる顧客向け動画も拡充している。今後は動画を活用した顧客への補償の拡充提案を強化していくとしている。
また、18年9月から実施している「水災・地震への備え提案運動」を、20年4月から「自然災害への備え提案運動」に名称を変更し、補償の充実化に向けた提案活動に注力している。
具体的には、水災・地震補償の付帯がない顧客リストを活用した提案運動を推進している他、「自然災害備えマスク」や「もしもの自然災害に備えて今できること冊子」などを活用してリスク喚起を行っており、商品改定以降も継続して実施していく方針だ。
顧客の防災・減災対策のサポートに向けては、台風・豪雨・地震による被災建物予測棟数をリアルタイムで公開する世界初(19年6月同社調べ)のウェブサイト「cmap.dev」を19年度から無償で一般公開している。20年6月には台風上陸前(最大7日先)から被災建物棟数を予測する機能や、洪水などの警戒レベル情報・ハザードマップを表示する機能などを追加、災害に関する緊急情報の通知機能や自治体指定の避難場所を表示するアプリも公開しており、今後も積極的に案内していく予定だ。
この他、地方創生の取り組みの一環として、連携協定を締結した地方公共団体と共同で、地域の防災情報や自然災害補償の見直しを案内するためのコラボパンフレットを作成している。同パンフレットも活用して防災・減災の情報を広く周知するとともに、自然災害へのリスク喚起・補償見直し提案につなげていくとしている。
(注)契約条件によって、保険契約の始期日または特約などの中途セット日の翌日から起算して14日以内に発生した事故は、補償の対象とならない場合がある。