2020.12.02 ■明治安田生命 20年度第2四半期(上半期)決算、基礎利益は過去最高水準維持[2020年11月24日]
明治安田生命が11月24日に発表した2020年度第2四半期(上半期)決算によると、保険料等収入はグループ・明治安田生命単体共に減収したが、基礎利益はグループ・単体共に横ばいとなり、過去最高水準を維持した。ソルベンシー・マージン比率は、連結・単体共に1000%を超えており、引き続き高い健全性を維持している。また、20年度に進める単年度の経営計画「とことん!アフターフォロー特別計画」については、経営目標に掲げる「お客さまアクセス数(個人・法人営業)」と「アドバイザー(営業職員)数」は順調に進捗しているとした。
グループ保険料は、明治安田生命単体において金利低下による外貨建て一時払保険の販売や団体年金保険の減少を主因に、前年同期比7.9%減の1兆3431億円となった。そのうち海外保険事業等は1673億円と同6.2%増収。スタンコープ社は主力の団体保険事業が堅調に推移したことにより、同7.1%増の1554億円となった。グループ保険料に占める海外保険事業等の割合は12.5%。
グループ基礎利益は、明治安田生命単体、海外保険事業等共に減益となったが、連結調整項目である明治安田生命単体が受け取るグループ会社からの配当(グループ基礎利益から消去される額)が減少したことを要因に、3129億円と前年同期比で横ばいとなり、過去最高水準を維持した。そのうち海外保険事業等は同7.0%減の314億円となり、グループ基礎利益に占める割合は10.0%。
連結の経常収益は同2.3%減の1兆9886億円、経常費用は同2.8%減の1兆8250億円、経常利益は同3.2%増の1636億円、親会社に帰属する中間純剰余は同3.5%増の1328億円。連結ソルベンシー・マージン比率は前年度末差18.9ポイント減少したが、1124.7%と引き続き高い健全性を維持している。
明治安田生命単体の業績は、保険料等収入が前年同期比9.6%減の1兆1758億円となった。個人保険・個人年金保険は、外貨建て一時払保険の販売量減少を主因として同7.0%減少したが、営業職員チャネルの平準払保険は同2.2%の減少にとどまった。団体年金保険は、前年同期に大口契約があったため、この反動減を主因に同22.9%減少した。
新契約年換算保険料は、営業活動自粛の影響などにより、同18.5%減の409億円。チャネル別内訳では営業職員チャネルが同19.5%減の351億円、銀行窓販チャネルが同9.7%減の50億円、第三分野が同21.1%減の153億円となった。なお、対面での営業活動を全国で再開した7月以降の業績は徐々に回復傾向にある。
保有契約年換算保険料は、前年度末比1.1%減の2兆2032億円。このうち営業職員チャネルは同0.8%減の1兆6236億円、銀行窓販チャネルは同1.9%減の5342億円、第三分野は同0.7%増の4485億円となった。
団体保険の保有契約高は同0.3%減少したが、115兆9818億円と引き続き業界トップシェアを堅持。団体年金保険は同0.6%増の7兆8353億円だった。
基礎利益は、前年同期差11億円減の2843億円となったものの、過去最高水準を維持した。利差益は、有価証券償還益の増加などにより同55億円増加。費差益は、営業職員数の増加に伴う人件費の増加などにより同83億円減少した。
資産運用収支(一般勘定)は、株式等売却益や外国公社債などの償還益の増加に加え、ヘッジコストの改善などによる金融派生商品費用の減少が寄与し、同759億円増の3974億円となった。利息及び配当金等収入は、国内外株式や外国証券の配当金収入などの減少が影響し、同69億円減の4180億円となった。
ソルベンシー・マージン比率は、金融環境の変動などを受けて前年度末差17.8ポイント減の1051.5%となったものの、1000%を超えており、引き続き高い健全性を維持している。オンバランス自己資本は、内部留保の積み増しなどにより同806億円増加し、3兆8132億円となった。
一般勘定資産全体の含み損益は、株価上昇により株式の含み益が増加したため、6兆289億円と同4267億円増加した。
契約クオリティを示す指標は、積極的なアフターフォローにより引き続き良好に推移しており、解約・失効・減額率は前年同期差0.06ポイント改善して1.93%となった。総合継続率は、13月目が同0.5ポイント上昇の95.0%、25月目が同0.4ポイント減少の88.5%と共に高水準を維持するとともに、61月目が同1.3ポイント上昇の70.8%となった。
経常収益は、前年同期比3.1%減の1兆7635億円となった。経常費用は、同3.6%減の1兆6151億円で、このうち保険金等支払金は同1.0%減の1兆1048億円、責任準備金等繰入額は同13.5%減の1436億円、資産運用費用は同16.9%減の1256億円となった。経常利益は、同2.4%増の1484億円、中間純剰余は同2.6%増の1228億円となった。
スタンコープ社の保険料等収入は、主力の団体保険事業で新契約と既契約更新が共に良好に推移し、同7.1%増の1554億円となった。基礎利益相当額は、過去最高益を記録した前年同期から5.8%減少し、230億円となった。当期純利益は、同9.5%減の140億円だった。
20年度の業績見通しは、保険料等収入・基礎利益は不安定な金融環境の影響などを踏まえ、グループ・単体共に「減収減益」となる見通し。
また、単年度の経営計画「とことん!アフターフォロー特別計画」の経営目標に掲げる「お客さまアクセス数(個人営業)」は383.0万人(目標達成率76.6%)、「アドバイザー数」は3万5066人(目標達成率101.6%)で、7月から本格的なアクセスを開始した「お客さまアクセス数(法人営業)」を含め、いずれの項目も順調に進捗している。