2020.09.25 ■日本郵政グループ 「信頼回復に向けた約束」策定、業務運営は10月5日から再開[2020年9月11日]

 日本郵政、日本郵便、ゆうちょ銀行、かんぽ生命は9月11日、昨年度から郵便局等での営業を自粛していたかんぽ生命保険商品、投資信託、提携金融商品(変額年金保険・引受条件緩和型医療保険・傷害保険)について、10月5日から業務を再開すると発表した。また同時に4社は、日本郵政グループの「お客さまの信頼回復に向けた約束」を策定、幅広く顧客に周知していくとしている。
 日本郵政グループでは、かんぽ商品等の営業再開について8月26日、「お客さまにご迷惑をおかけしたことをお詫びすることを第一とする信頼回復に向けた業務運営を行うことから始める」としていたが、その具体的な実施日を10月5日としたもの。「お客さまの信頼回復に向けた約束」を郵便局等にポスター掲出したり、郵便局等を利用する顧客に約束チラシを渡すこと等を通して、「お客さまの信頼回復に向けた約束」を幅広い顧客に知らせるとともに、すべての社員が同約束を順守し、顧客本位の事業運営を徹底していくとしている。
 「お客さまの信頼回復に向けた約束」の内容は次の通り。
 お客さまの信頼回復に向けた約束
 【目指す姿の約束】
 一人ひとりのお客さまに寄り添い、お客さまの満足と安心に最優先で取り組み、信頼していただける会社になることを約束します。
 【活動の約束】
 ▽お客さま本位の事業運営を徹底し、お客さまにご満足いただける丁寧な対応を行います。
 ▽お客さまの声をサービス向上に反映するため、お客さまの声に誠実に耳を傾けます。
 ▽社員の専門性を高め、お客さまにご納得いただけるよう正確にわかりやすく説明します。
 ▽法令・ルールを遵守し、お客さまが安心してご利用いただける高品質のサービスを提供します。
 ▽お客さまのニーズを踏まえ、お客さまに喜んでいただける商品・サービスを提供します。
 日本郵政グループでは、約束策定の背景・経緯について、「昨年発覚したかんぽ商品の不適正営業に係る不祥事等により、日本郵政グループは顧客からの信頼を大きく失うこととなった。顧客から失った信頼を取り戻し、再び顧客に安心して日本郵政グループの商品・サービスを利用してもらえるようになるためには、同様の事案を発生させないための再発防止策を徹底することはもとより、日本郵政グループが真に顧客本位の企業グループに生まれ変わることが必要であり、その決意を幅広く公表するために、外部専門家で構成されるJP改革実行委員会の助言も受けながら、『お客さまの信頼回復に向けた約束』を策定した」としており、今後、日本郵政グループで働く一人一人の社員がこの約束を実践していくことで、顧客からの信頼を回復できるよう、グループ一丸となって取り組んでいくとしている。
 日本郵政グループでは、「今回の不祥事等については、『お客さまと社員の幸せを目指し、社会と地域の発展に貢献する』という日本郵政グループの経営理念が徹底できていなかったことも要因の一つと考えている」としており、「約束」の内容は、網羅的に顧客への約束事項を規定している日本郵政グループ経営理念・経営方針・行動憲章のうち、特に顧客からの信頼回復に向けて早急に取り組むべき事項を中心に取りまとめたもので、具体的には、日本郵政グループ行動憲章で掲げる「信頼の確保」「規範の遵守」「共生の尊重」「価値の創造」「変革の推進」のうち、特に「信頼の確保」「規範の遵守」の内容を中心に策定したものとなっている。
 「約束」が達成できているかどうかについては、JP改革実行委員会による達成状況の評価を受け、その結果を公表していく。また、JP改革実行委員会による評価に当たっては、日本郵政グループを利用する顧客によるアンケート評価やKPI項目の達成状況等の定量評価に加えて、JP改革実行委員会委員の定性評価により、評価を行うとしている。
 日本郵政グループでは、社員が「お客さまの信頼回復に向けた約束」に基づく活動を正しく実践できるよう、社員に対する約束の理解・浸透活動はもとより、約束の背景になる日本郵政グループの経営理念等についても、全社員が正しく理解し、行動できるように取り組んでいくとしており、「本約束を策定したことを通じて、顧客から得た意見・要望等を事業改善に活用し、日本郵政グループが一丸となって、顧客からの信頼回復に向けて全力で取り組んでいくことを約束する」としている。