2020.08.24 ■SOMPOHD 20年度第1四半期決算、連結正味収保3%増示す[2020年8月7日]

 SOMPOホールディングスが8月7日に発表した2020年度第1四半期決算によると、連結経常収益は前年同期比2・2%増の1兆390億円となった。このうち、正味収入保険料はSOMPOインターナショナル(SI)の増収が寄与し同3・2%増の8200億円で、生命保険料は同2・5%減の808億円だった。損保ジャパンの増益を主因に、連結経常利益は、同253億円増益の682億円、連結純利益は同167億円増益の473億円と大幅増益になった。なお、修正連結利益は同162億円増益の712億円。連結の20年度通期業績予想および自然災害による正味発生保険金の通期見通しは据え置きとしている。

 国内損保事業のうち、損保ジャパンの保険引受利益は、自動車保険の損害率低下を主因に前年同期比334億円増益の380億円となった。
 正味収入保険料は、コロナ影響を主因に同2・2%減の5513億円に減収したが、ベースの販売力は安定している。種目別では、火災が料率適正化等により元受保険料は増収したものの、再保険コスト増により同3・3%減で604億円、海上が同8・3%減の107億円、傷害が外出自粛の影響等により海外旅行保険を中心に減収し同7・4%減の470億円だった。自動車は新車販売不振などの影響を受けたが、レート改定効果等により横ばいの2766億円となった。自賠責は同7・4%減の615億円。その他は大口契約の抜け等の一過性要因を主因に同0・6%減の947億円。自賠責・家計地震を除いた正味収保合計では同1・5%減の4896億円となる。
 正味支払保険金は自動車保険の事故率の低下を主因に同6・9%減の2710億円となった。自賠責・家計地震を除いた発生保険金(損害調査費含む)は同315億円減の2396億円で、E/I損害率は同6・8ポイント改善し、52・1%となった。
 正味事業費率(自賠責・家計地震を除く)は消費増税などの影響により前年同期比1・1ポイント上昇し33・8%となり、社費率も同0・4ポイント上昇し13・0%となったが、通期計画には織り込み済みで、20年度予想は事業費率33・5%、社費率12・9%としている。コンバインド・レシオ(W/P)(自賠責・家計地震を除く)は、同1・9ポイント改善し、85・1%となった。同(E/I)(自賠責・家計地震を除く)では、同5・8ポイント改善し85・9%となる。
 資産運用損益では、ネット利息及び配当金収入が前年同期比51億円減の197億円で、このうち利息及び配当金収入は新型コロナ感染拡大の影響などで同58億円減の282億円。有価証券売却損益が同19億円減の75億円、有価証券評価損が▲11億円など。資産運用粗利益は同50億円の減益で252億円となった。なお、政策株式はおおむね計画どおり削減しており、政策株式削減額は、現物(時価ベースのネット削減額)107億円、先物189億円の合計297億円だった。
 以上の結果、損保ジャパンの経常利益は同288億円増益の576億円を計上。当期純利益も同203億円増益の415億円となった。経常利益・当期純利益ともに大幅増益となり、計画を上回る進捗となっている。なお、異常危険準備金繰入額等(税引後)、価格変動準備金繰入額(税引後)、有価証券売却損益・評価損(税引後)、特殊要因(税引後)を加減した修正利益は同194億円増益の534億円を示した。単体ソルベンシー・マージン比率は前年度末比4・0ポイント下がり、713・3%。
 国内生保事業で、SOMPOひまわり生命は、新型コロナ感染拡大を背景とした新規契約販売への影響はあるものの、当期純利益は増益となった。新契約年換算保険料(個人保険と個人年金保険の合計)は前年同期比23・3%減の42億円。保有契約高(個人保険と個人年金保険の合計)は同0・2兆円増の23・5兆円。保有契約年換算保険料(個人保険と個人年金保険の合計)は横ばいの3779億円だった。うち保障性商品は同48億円増。保険料等収入(法令に則った生命保険会社の様式に基づく数値で連結様式とは異なる)は、同1・1%減の1046億円となった。
 事業費は同3・5%減の194億円、資産運用損益は同10・7%増の121億円で、基礎利益は同7・9%増の88億円となった。経常利益(法令に則った生命保険会社の様式に基づく数値で連結様式とは異なる)が同4・5%増の82億円で、当期純利益は同3億円増益(同7・3%増)の51億円となった。修正利益は同3億円減(同4・3%減)の79億円。
 単体ソルベンシー・マージン比率は前年度末比68・1ポイント上昇し、1540・2%となった。なお、7月単月の新契約年換算保険料は前年同水準に回復しているとのこと。
 介護・ヘルスケア事業等では、新型コロナに伴う現場職員への特別手当支給などもあり、当期純利益は減益となったが、順調な推移を示している。修正利益は前年同期比8億円減益の2億円。このうち介護事業(SOMPOケア)の売上高は同10億円増の324億円で、修正利益は新型コロナ対策の特別勤務手当支給(約▲10億円)などにより同5億円減の5億円となった。
 海外保険事業では、SIのスペシャルティ保険を中心とした増収に伴い、収入保険料は前年同期比340億円増の2499億円を計上した。トップラインは順調に拡大したものの、新型コロナ感染拡大に伴う利配収入減や円高影響などもあり、修正利益は同29億円減益の92億円となった。このうちSIの保険引受利益は同28億円減で10億円。資産運用利益が同22億円減の63億円、その他損益が同346億円減益の▲232億円となり、当期純利益は同353億円減の▲146億円となった。修正利益は同33億円減の49億円を計上。