2020.08.20 ■MS&ADHD 20年度第1四半期決算、四半期純利益は増益、連結正味収保は3%減[2020年8月7日]
MS&ADインシュアランスグループホールディングス(MS&ADHD)が8月7日に発表した2020年度第1四半期決算によると、連結経常収益は前年同期比3・6%増の1兆5517億円だったが、連結正味収入保険料は国内外における減収や為替影響等を主因に同3・4%減の9434億円となった。連結生命保険料は新型コロナウイルスの影響で新規販売が減少したため、同83・3%減の498億円にとどまった。海外子会社の正味収入保険料は同8・8%減の2464億円だった。四半期純利益は関係会社株式売却損失引当金戻入や連結納税導入の影響などの特殊要因もあり、7億円増益の966億円で進捗率は74・3%。グループ修正利益は308億円減益の820億円で進捗率は45・6%となっている。
国内損保主要2社(三井住友海上、あいおいニッセイ同和損保)の業績では、火災保険・自動車保険・新種保険等で元受保険料が増収したものの、火災の出再保険料の増加、自賠責保険の減収等により、正味収入保険料は2社合計で前年同期比1・3%減の6877億円となった。
三井住友海上の正味収入保険料を種目別に見ると、火災が前年同期比4・2%減の381億円、海上が同10・2%減の141億円、傷害が同1・9%増の408億円、自動車が同0・5%増の1715億円、自賠責が同4・9%減の406億円、その他が同0・7%増の701億円で合計は同0・9%減の3754億円となった。正味支払保険金は同1・3%減の2015億円、正味損害率は同0・1ポイント上昇し59・8%、正味事業費率は同2・1ポイント上昇し33・9%となった。コンバインド・レシオは同2・2ポイント上昇し93・7%。なお、家計地震・自賠責を除いたEI損害率は同1・9ポイント下がり50・0%だった。
あいおいニッセイ同和損保の種目別正味収入保険料は、火災が同8・2%減の380億円、海上が同2・1%減の18億円、傷害が同0・9%増の159億円、自動車が同0・9%増の1841億円、自賠責が同5・7%減の362億円、その他が同4・8%減の360億円で合計は同1・8%減の3123億円となった。正味支払保険金は同3・5%減少して1599億円、正味損害率は同0・5ポイント下がり56・9%、正味事業費率は同1・0ポイント上昇の35・3%、コンバインド・レシオは同0・5ポイント上昇し92・2%となった。なお、家計地震・自賠責を除いたEI損害率は同1・7ポイント下がって50・4%。
国内損保主要2社の保険引受利益は、新型コロナウイルス感染拡大による経済活動停滞に伴う自動車保険の発生保険金(インカードロス)減少や異常危険準備金の取崩増等により、前年同期比177億円増の806億円となった。三井住友海上は同25億円増の490億円、あいおいニッセイ同和損保は同152億円増の315億円だった。
2社の資産運用・その他収支は、有価証券売却益や利配収入の減少などにより合計で同99億円減益の469億円だった。このうち三井住友海上は同54億円減の344億円、あいおいニッセイ同和損保は同44億円減の125億円だった。
2社合計の経常利益は、同78億円増の1276億円を計上。このうち三井住友海上の経常利益は同28億円減益の834億円、あいおいニッセイ同和損保は同107億円増益の441億円。2社合計の四半期純利益は、同38億円増の936億円だった。このうち三井住友海上は31億円減益の626億円で、あいおいニッセイ同和損保は70億円増益の309億円。
ソルベンシー・マージン比率は、三井住友海上が前期末比1・8ポイント下がり699・5%、あいおいニッセイ同和損保が同71・5ポイント上昇して773・8%となった。
国内生保子会社(三井住友海上あいおい生命、三井住友海上プライマリー生命)の保険料等収入は合計で前年同期比1562億円減の2294億円にとどまった。
三井住友海上あいおい生命は、新型コロナウイルス感染拡大の影響により新契約件数が前年同期比7割弱の水準となったことから、保険料等収入は1205億円(同29億円減)となった。四半期純利益は、新契約の減少等に伴う責任準備金繰入負担の減少や事業費の減少等により、48億円(同28億円増)となった。基礎利益は同75・7%増の63億円を計上した。新契約高(個人合計)は、同33・6%減の3335億円、新契約年換算保険料は同29・3%減の47億円だった。保有契約高(個人合計)は期首比0・5%減の24兆3349億円。保有契約年換算保険料は同0・5%減の4459億円。
三井住友海上プライマリー生命は、新型コロナウイルス感染拡大の影響により定額商品・変額商品ともに販売が縮小したため、保険料等収入は1089億円(前年同期比1533億円減)。新契約の減少に伴う代理店手数料負担の減少等により、四半期純利益はほぼ前年同期並みの55億円(同3億円増)となった。新契約高(個人合計)は同69・0%減の792億円、保有契約高(個人合計)は期首比4・1%増の6兆7801億円だった。
海外保険子会社の業績は、欧州における不採算種目からの撤退やアジアにおける収益力改善に向けたアンダーライティング強化等により、正味収入保険料は、為替影響を除くベースで前年同期比3・0%減の減収となった。これに為替影響(円高)が加わり、同237億円減の2464億円となった。四半期純利益は、欧州における新型コロナウイルス関連ロスや資産運用損益の減少、海外生保における世界的な運用環境悪化による減益を主因に、同358億円減益の▲259億円となった。