2020.07.02 ■SOMPOHD Palantirに5億米ドル出資決定、リアルデータプラットフォーム立ち上げへ[2020年6月19日]

 SOMPOホールディングスは6月19日、米国のPalantir Technologies Inc.(以下、Palantir)と、PalantirのソフトウェアFoundryの技術を活用した「安心・安全・健康のリアルデータプラットフォーム」の立ち上げに向けて合意し、また、SOMPOホールディングスがPalantirに対し5億米ドル(約540億円)の出資を行うことを決定したと発表した。

 SOMPOホールディングスと、世界中の主要な組織にセントラル・プラットフォーム・ソリューションを提供しているPalantirは、専門的知見の融合により構築される「リアルデータプラットフォーム」を通じて、SOMPOグループ各社ならびにパートナー企業の製造、自動車走行、物流、輸送などを含むさまざまなオペレーションから生成されるリアルデータ(個人・企業の実世界での活動についてセンサー等により取得されるデータ。例えば、健康情報等のこと)を統合・分析し、プラットフォーム参加者に共有の上活用を促していく。意思決定のためのダイナミックなエコシステムには、Foundryの技術が活用される。
 第一弾として、これまでのPalantirの新型コロナウイルス対策への支援の取り組みやSOMPOホールディングスのFoundryを活用した介護オペレーションの変革に向けた取り組みでの経験を生かし、日本国内の介護ヘルスケア分野でのプラットフォーム構築を進めていく。具体的には、国内ナンバーワンのシニアリビング居室数を有するSOMPOケアが保有する大量、24時間/365日、多様な項目のリアルデータ(熟練スタッフの活動データや入居者のバイタルデータ、服薬・検診情報など)を一元的かつ連続的に収集・統合・解析することで、入居者一人ひとりの「今」に対応したカスタムメイドケアや理想的なオペレーションの実現・業務の効率化の実現を目指すとしている。
 SOMPOホールディングスとPalantirは昨年11月、日本でPalantirのデータプラットフォームとサービスを提供するPalantir Technologies Japan㈱(東京都中央区、楢﨑浩一代表取締役CEO、以下、Palantir Japan)を共同設立した。
 SOMPOホールディングスのブランドスローガンである「安心・安全・健康のテーマパーク」と、Palantirの組織のセキュリティー、プライバシー、人々の自由を守るためのシステムを提供するというミッションを融合した「安心・安全・健康のリアルデータプラットフォーム」の構築により、日本の産業界・政府機関のデジタルトランスフォーメーションへの貢献を加速させるとしている。
 SOMPOホールディングスグループCEO取締役代表執行役社長の櫻田謙悟氏は「人々の行動や社会のあり方に大きな変化を迫る新型コロナウイルス感染症の環境下で、SOMPOホールディングスとPalantirの“より良い世界と人々の幸福を”という共通のビジョンに私は自信を一層深めている。国とバックボーンは異なれど、ビジョンの融合と“リアルデータ”という共通言語の下、まだ誰も実現したことのない、エキサイティングでバリュー・ドリブンなビジネスモデルの創造にチャレンジしていく」とし、Palantir Japan代表取締役CEOの楢﨑氏は「当社は、19年11月の設立以来、シリコンバレーの最高の技術を駆使して企業や社会のデジタルトランスフォーメーションを支援してきたが、新型コロナウイルス感染症の環境下で、その役割はさらに大きくなってきていると感じている。共通のビジョンを持つ3社が生み出す新たなソリューションを通じて、企業・社会をより良く、より強く、強靭にする、という大きな使命を全力で追求したい」と抱負を述べた。
 今後、SOMPOホールディングスは、このプラットフォームを顧客とビジネスパートナーに提供し、これらすべての人々の「安心・安全・健康」の実現に向けて取り組んでいくとしている。