2020.06.19 ■日本代協 2020年度通常総会開く、19年度事業報告など3議案審議[2020年6月12日]

 日本代協は6月12日、2020年度通常総会を開催した。19年度(第26期)事業報告、貸借対照表、全役員任期満了に伴う役員選任の件など3議案を審議し、全て承認された。金子智明会長は、「地域のリスクマネージャー」として、防災・減災活動に取り組むことが大切な役割だとし、CSR委員を中心に具体的な活動計画を検討して情報共有を図る方針を示し、「不透明な時代に負けることなく、“集い、語らう”代協の真価を発揮して、互いに切磋琢磨する1年にしていこう」とメッセージを送った。本総会は、新型コロナウイルスの感染拡大を考慮して、書面開催となった。(本日付3面で金子智明会長のメッセージ全文を掲載)
 金子会長は、19年度の「目指せ!三冠王」をはじめとする各取り組みについて、「仲間づくり推進」は前年度比377店減の1万1768店、「日本代協アカデミーのID登録推進」の達成率は35%で未達だったと報告した。一方で、CSRや広報の取り組みはおおむね計画通りに進んだとし、厳しい環境の中で取り組んだ各代協に謝辞を伝えた。
 最優先課題の会員増強については、「入会ベース」の取り組みを展開したものの、環境変化や保険会社の代理店政策を背景とした合併・統合などにより退会が入会を上回る結果となった。しかし、厳しい状況の中で、兵庫代協が14店増店した他、福井代協の5冠、徳島、福岡代協の4冠を含め、24代協が三冠王を獲得したと報告した。
 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言で保険代理店は休業できない業種と明記されたことから、仕事の意義を再認識した一方で、代理店は大規模災害だけでなく、パンデミック等も想定したBCP策定と組織の態勢整備が必要なため、20年度は各代協単位で「BCPセミナー」を開催する予定とした。 
 日本代協アカデミーの活用については、利用者ID登録の目標数1万2145件に対して、817代理店・4232ID、となった。また、代理店ベースの利用率は約7%であることから、保険会社が指示する研修メニューだけでなく、アカデミーを活用することで、「学ぶ文化」や「学び合う文化」を構築して顧客本位の対応力を組織全体で引き上げていくとした。
 また、19年7月に代理店経営に関わる支援策の企画・展開を目的に「代理店サポートデスク」と代協会員の個別課題の解決に向けアドバイスを行う「代理店経営相談コーナー」を開設。「BCP策定簡単ガイド」と「BCPシート」を作成し、データ提供を実施した。今後も現場のニーズを把握しながら順次支援メニューやツールの提供を行い、個別相談は、相談者の視点に立って具体的な解決策の提示や対応上の留意点のアドバイス、専門家との効果的な連携を行うとし、さらなる活用を要請した。
 金子会長は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響の長期化を示唆した上で、代理店は「リスクの専門家」であることからリスクに対する感度は誰よりも高いとし、「個人・組織としてできることは手を抜かずに実践し、その積み重ねで自社と地域の安全を確保してほしい」と述べた。
 また、自動化や遠隔化、非接触化に慣れた消費者が、デジタルを積極的に活用することになり、「人と人の対面」でなければ伝えられないという価値はウェブに代替されるとし、「デジタルで済む手続きは、人の仕事ではなくなる。今後は、人の持つ価値の本質が問われ、洗い出される。本物のプロの時代が来る」とした。
 さらに、「こうした環境の中で、代理店も『保険は特別』などと考え、時代の流れから目をそらすことはできない一方で、デジタルとアナログの価値の融合は、多くの地域代理店にとって課題となっている生産性の低さと社員の品質のバラつきを克服する鍵になる可能性を秘めており、デジタル活用はわれわれの将来につながるチャンスになる」とメッセージを送った。
 第1号議案19年度(第26期)事業報告案承認の件では、特記事項として、①防災・減災に向けた取り組み②仲間づくり推進(会員増強)状況③損害保険大学課程の運営④「日本代協アカデミー」の構築と展開⑤ホームページの全面リニューアル⑥代理店経営サポートデスクの運営⑦第9回コンベンションの開催―の七つを挙げた。
 また、第2号議案の19年度(第26期)貸借対照表、正味財産増減計算書、財産目録承認の件、第3号議案の全役員任期満了に伴う役員選任の件について承認された。