2020.06.12 ■損保ジャパン 中小企業向けパッケージで新特約

 損保ジャパンは、中小企業向けの主力商品である事業活動総合保険「ビジネスマスター・プラス」の新たな特約として、業務に関連するクレーム等を解決するために要する弁護士費用を補償する「クレーム等対応費用補償特約」と、従業員の不誠実行為によって企業が所有する財物等に生じた損害を補償する「従業員による不誠実行為補償特約」の販売を7月保険始期契約から開始する。

 「クレーム等対応費用補償特約」は、企業が、消費者のクレーム行為や従業員の「バイトテロ行為」などに起因する信用毀損行為の解決に要した弁護士費用を保険金として支払うもの。1回の事故につき70万円が支払限度額で、保険期間中を通じて140万円を限度に弁護士費用を支払う。クレーム対応に関する相談サービスである「クレームコンシェルサービス」が自動付帯され、クレーム対応の専門家が相談窓口となり、クレームへの対応方法等、的確なアドバイスを提供する。この特約に加入した契約者は、無料で本サービスを利用できる。
 消費者からの企業に対する悪質な嫌がらせや過度なクレーム等といった「カスタマーハラスメント」や、アルバイト等による企業の信用毀損につながる動画配信行為等の「バイトテロ行為」が社会問題化している。これらのリスクに対し、企業ではマニュアルを策定したり、専門家や外部機関のアドバイスを受けるなどの対策の必要性が高まっている。しかし、特に中小企業は人手不足などから専任の担当者を配置するなどの対策を講じることが難しく、これらのリスクに対応する法律相談および弁護士費用の補償や、クレームの初動対応に際して専門家のアドバイスを受けることについてニーズが高まっていた。
 また、「従業員による不誠実行為補償特約」は、従業員が、自己の職務上の地位を利用して、詐欺や横領等の不誠実行為を行ったことで、企業が所有する財物等に発生した損害に対して保険金を支払うもの。1回の事故につき、また保険期間中を通じて100万円を限度に保険金を支払う。
 少子高齢化等の影響により、労働人口の減少が社会問題として深刻化している。企業はこの課題に対し、働きやすい環境整備や、多様な人材の採用等を進め、労働人材を確保していくことが求められている。人材確保の観点では、2017年5月発表の中小企業アンケート調査報告でも、中小企業の約70%超が人手不足を感じているとの調査結果が出ている。このような人材の確保が難しい環境下で、従業員の不正行為リスクへの不安を払拭(ふっしょく)し、中小企業の雇用確保を支援するため本商品を開発したもの。
 「ビジネスマスター・プラス」は、中小企業が抱えるさまざまなリスク(物損害・賠償責任・労働災害・休業損失)を包括的に補償するパッケージ型商品で、必要な補償を自由に選択することができる。また、補償の対象となる物件等の明細を不要とするなど、加入手続きを簡素化していることも特長だ。