2020.05.19 ■justInCase 「コロナ助け合い保険」発売、必要な人に必要な保障を安価に[2020年5月1日]
少額短期保険業者のjustInCaseとjustInCaseTechnologiesは、5月1日、「コロナ助け合い保険(シンプル医療保険)」(以下、コロナ助け合い保険)の提供を開始した。ケガまたは病気による1泊2日以上の入院に対し、入院一時金10万円を保障するもので、新型コロナウイルス罹患時の自宅療養にも対応している。さらに、収益から必要経費を引いた全額を、日本赤十字社を通じて医療機関に寄付するという。同社の畑加寿也代表は「未曽有のウイルスのため当社のリスクはもちろんあるが、こんなときだからこそ、当社ならではのスピード感で“必要な人に必要な保障”を届けるべきだと考えた」と語る。
「コロナ助け合い保険」はウェブで申し込み手続きが完結し、クレジットカード決済完了後すぐに保障が開始される。入院一時金は一律10万円で、保険料は30~34歳男性の場合で510円と安価な設定とした。
同社が新商品の開発を決めたのは4月1日。全社員による会議で「今、保険会社にできることは何か」について話し合い、コロナ禍において不安を抱える全ての人に、保険会社としてできること、つまり、最大限安価な保険料で、シンプルな保障を提供することを決定した。
新商品開発の背景について畑氏は、新型コロナウイルスの感染が拡大する中、医療従事者をはじめ、スーパーやドラッグストアの店員、配達員など、感染リスクを背負いながらも懸命に業務に向き合う「エッセンシャルワーカー」と呼ばれる人々に社会が支えられていることを痛感したことを挙げる。
「ただ支えられるだけでなく、エッセンシャルワーカーの方々にも届くものをつくりたい」、そう考え、エッセンシャルワーカーはもちろん、新型コロナウイルスの影響で経済的に不安定な状況に置かれている非正規労働者や、これまで保険に関心の薄かった若年層などにも加入しやすい商品の開発に取り組んだ。
開発に当たっては、justInCaseTechnologiesの持つ開発力と、同社ならではのスピード感、フルリモート下でも揺るがない強力なチームワークを結集し、実質開発期間2週間でのリリースを実現した。
商品については、できるだけ安価に、少しでも多くの保障を提供することを第一に、医師へのヒアリングや海外の動向を鑑みて、商品設計とリスク管理方針を策定したという。
また、医療従事者に少しでも感謝とエールを伝えたいとの思いから、収益から必要経費を除いた全額を医療機関に寄付することとした。
商品名については賛否両論あったというが、一人でも多くの保障を必要とする人に届くよう、あえて分かりやすい名前を採用した。商品名の「助け合い」には、「保険は本来助け合いの制度である」という同社のメッセージが込められている。 今後について畑氏は「医療機関への収益の寄付を予定しているものの、それまでにはまだ時間がかかる。そこで『今できることは何か』を考えているところだ。個社としての寄付以外にも、リスクに関する専門業界として、会社の垣根を越えて、理念に共感していただける方々とともに新たな一手を打ち出せたら」と展望する。