2020.03.23 ■生保各社の19年度第3四半期決算 新契約年換算保険料減少続く[2020年]
生保各社がこのほど発表した2019年度第3四半期決算によると、基礎利益は一定の水準が保たれているが、全42社中30社で新契約年換算保険料が前年実績を下回り、保険料等収入でも19社が前年実績を下回る厳しい状況が続く。〈4~6面に生保協会会員各社の業績詳細を掲載〉
かんぽ生命の19年度第3四半期の保険料等収入は2兆5257億円で前年同期比4762億円減少した。保有契約の減少や7月中旬以降の積極的な営業活動の停止による新契約の減少などによる。親会社株主に帰属する当期純利益は契約者配当準備金繰入額の減少等により183億円増加(同19・0%増)の1150億円となった。新契約年換算保険料は前年同期比で大きく減少し、個人保険は同47・4%減の1438億円となった。第三分野は、同54・8%減の220億円。保有契約年換算保険料も減少し、個人保険は前期末比5・0%減の4兆4414億円となった。
日本生命グループの保険料等収入は、前年同期比3・0%減の4兆2775億円だった。外貨建保険商品の販売および団体年金保険の減少を主因に減少した。グループの基礎利益は、同12・3%減の4714億円。純剰余は同29・4%減の1475億円に減少した。MLC Limitedの業績悪化に伴うのれんの減損損失298億円を計上している。国内の個人保険・個人年金保険の新契約は、法人向け商品の販売減少を主因に同12・1%減の3108億円と大幅に減少をみせた。日本生命の新契約年換算保険料は、同12・2%減の1843億円。大樹生命の新契約年換算保険料は、同36・6%減の256億円。ニッセイ・ウェルス生命の新契約年換算保険料は、同4・3%減の987億円。国内の個人保険・個人年金保険の保有契約は、年換算保険料が前年度末比0・2%増の4兆5433億円。
明治安田生命のグループ保険料は、2兆1319億円と前年同期比7・6%の減収となった。このうち明治安田生命単体では外貨建一時払保険の販売減少により、1兆8959億円と同8・4%の減収となった。海外保険事業等は前年同期比0・1%減の2359億円。グループ基礎利益は、前年同期の有価証券償還益の剥落や団体保険の料率引き下げの影響等により、明治安田生命単体で減益したことに伴い、4141億円と同12・5%減となった。明治安田生命単体の基礎利益は、同14・5%減の3703億円。明治安田生命単体の新契約年換算保険料は、同28・2%減の760億円。そのうち、第三分野は、同29・4%減の296億円となった。保有契約年換算保険料は前年度末比1・3%減の2兆2373億円。
第一生命ホールディングスの連結保険料等収入は前年同期比7・4%減の3兆6535億円となった。グループ基礎利益は同3・8%減の3900億円だが、グループ修正利益は、同38%増の2135億円と大幅に増加した。第一生命が基礎利益の減少や金融派生商品損益の悪化を有価証券売却損益の改善が補い、横ばいとなった一方、第一フロンティア生命が大幅増益となったほか、海外生命保険事業も米プロテクティブや第一生命ベトナムを中心に増加し大幅増益となった。親会社株主に帰属する四半期純利益(連結純利益)は同15・5%減の1274億円を計上した。新契約年換算保険料はグループ全体で同27・1%減の2788億円となった。国内の新契約年換算保険料は、経営者保険の販売停止などにより大きく減少した。グループ全体の保有契約年換算保険料は前年度末比2・2%増の4兆417億円。
住友生命グループの連結保険料等収入は前年同期比4・5%減の1兆8370億円となった。グループ基礎利益は同0・9%増の2918億円だった。グループの新契約年換算保険料は同3・9%減の1545億円で、保有契約年換算保険料は前年度末比0・4%増の2兆7930億円だった。住友生命単体の新契約年換算保険料は前年同期比10・4%減の850億円で、このうち、第三分野は同17・0%減の292億円だった。保有契約年換算保険料は前年度末比0・6%減の2兆3104億円。
メットライフ生命の保険料等収入は1兆3938億円で前年同期比11・2%の減収となった。基礎利益は同36・6%増の906億円。四半期純利益は509億円で同59・0%の大幅な増益となった。新契約年換算保険料は同25・9%減の722億円だった。保有契約年換算保険料は、前年度末比0・5%増の1兆938億円だった。
アフラックの保険料等収入は1兆645億円で前年同期比1・1%減少したものの、基礎利益は同4・1%増の2432億円で増益。四半期純利益は同2・1%増の1584億円。新契約年換算保険料は、同22・6%減の527億円。保有契約年換算保険料は、前年度末比0・4%減の1兆4115億円となった。
プルデンシャル・グループの連結保険料等収入は前年同期比7・1%減の1兆5304億円。生保3社(プルデンシャル生命、ジブラルタ生命、PGF生命)合算の基礎利益は、同1・0%増の1568億円だった。親会社株主に帰属する四半期純利益は同4・1%増の808億円。生保3社の新契約年換算保険料は同18・1%減の982億円だった。保有契約年換算保険料は、前年度末比0・0%の1兆8457億円。
ソニー生命の保険料等収入は9560億円で、前年同期比17・2%増。基礎利益は同47・1%増の大幅増となり937億円だった。四半期純利益は同8・3%増の450億円を計上。新契約年換算保険料は、同0・5%増の572億円だった。保有契約年換算保険料は、前年度末比2・5%増の9116億円。
T&D保険グループの保険料等収入は前年同期比5・6%増を示した。親会社株主に帰属する四半期純利益は、同17・2%減の508億円。中核生保3社の新契約年換算保険料は、主に大同生命における法人契約の一部商品の販売停止の影響により減少し、同32・4%減の796億円となった。保有契約年換算保険料は1兆5426億円で前年度末比0・4%減。
アクサ生命の保険料等収入は4688億円で前年同期比4・4%増加。基礎利益は同24・5%減の160億円だった。四半期純利益は同16899・8%増の243億円と前年同期から大幅に増加した。新契約年換算保険料は、同20・7%減の417億円となった。保有契約年換算保険料は、前年度末比2・4%増の5967億円。
フコク生命グループ(富国生命、フコクしんらい生命)合算の保険料等収入は前年同期比14・2%増の4883億円となった。合算の基礎利益は、同13・3%減の566億円となった。合算の新契約年換算保険料は同19・7%増の159億円。保有契約年換算保険料は前年度末比1・3%減の5514億円。
朝日生命の保険料等収入は2932億円で、前年同期比0・7%減少した。基礎利益は同27・1%増の200億円。新契約年換算保険料は同38・1%減少し190億円。保有契約年換算保険料は、前年度末比1・4%減の5326億円だった。