2020.03.19 ■日本生命 認知症サポートプラス発売 商品とサービスを一体提供[2020年]

 日本生命は、「Gran(グラン)Age(エイジ)プロジェクト」の一環として、認知症に関する新商品・サービスなどを開発、新商品ニッセイみらいのカタチ・認知症保障保険「認知症サポートプラス」を4月2日から発売する。商品・サービスの提供と併せて、認知症の人や家族を地域・社会全体で支える社会づくりに貢献することで、誰もが認知症と向き合い、認知症になるべくならない(進行を遅らせる)・なったとしても安心して暮らすことをサポートし、認知症の人や家族が安心して暮らせる社会の実現に向けた取り組みを推進していくとしている。

 日本生命は2006年から東京大学高齢社会総合研究機構(IOG)や㈱ニッセイ基礎研究所の協力の下、ジェロントロジーの考え方を日本に根付かせる活動を進め、その考え方に基づき、「人生100年時代」を一人一人が安心して自分らしくより豊かに生きられる長寿時代を目指し、「Gran Age プロジェクト」を推進している。
 高齢化などを背景に急速に認知症患者が増え、認知症が誰でもなり得る身近なものとなったことを踏まえ、同プロジェクトの一環として、認知症に関する新商品・サービスなどを開発したもの。開発に当たっては、ジェロントロジーで重要とされる「必要な資金や万一のときに伝えたいことを事前に決めておくこと」や「社会とのつながりや楽しみ・生きがいを持ち、最期まで希望を持って豊かに過ごすこと」などの考え方を基にした。
 なお、この取り組みは、同社が設定している「SDGs達成に向けた当社の目指す姿」の「世界に誇る健康・長寿社会の構築(健康寿命の延伸に資する取組)」にもつながる内容と考えるとしている。
 4月2日から発売する認知症保障保険「認知症サポートプラス」は、認知症の診断を受けた場合に加え、認知症の前段階である「軽度認知障がい(MCI)」の診断を受けた場合にも一時金を支払うことで、認知症の早期発見・重症化予防を促す。
 具体的には、保険期間中に①責任開始時以後の傷害または疾病を原因として所定の認知症に該当したこと②認知機能検査および画像検査により、①に定める認知症と医師によって診断確定されたこと―をともに満たしたとき認知症診断保険金を支払う。
 また、保険期間中に①責任開始時以後の傷害または疾病を原因として、所定の軽度認知障がいに該当したこと②認知機能検査および画像検査により、①に定める軽度認知障がいと医師によって診断確定されたこと―をともに満たしたとき軽度認知症診断保険金として認知症診断保険金額の10%を支払う。
 保険期間中に死亡したときも、死亡保険金として認知症診断保険金額の10%を支払う。
 認知症診断保険金、軽度認知症診断保険金については、不担保期間1年を設定している。
 契約年齢範囲は40~75歳、保険期間は5年~終身、保険料払込期間は全期払・短期払、保険料払込回数は月払・年払。付加可能な給付特約には保険料払込免除特約がある。
 認知症診断保険金額が500万円、保険料払込方法が月払・口座振替扱、保険料払込免除特約なし、保険期間終身の場合の保険料例は、40歳男性で4720円、同女性で5685円、50歳男性で7135円、同女性で8685円、60歳男性で1万1930円、同女性で1万4550円、70歳男性で2万545円、同女性で2万6170円となる。
 また、認知症・軽度認知障がいと診断された場合の経済的備えに加え、各種サービスも提供していく。
 認知症に漠然とした不安を抱える人が多い中、まず認知症を正しく理解する(「わかる」)ことが、不安の解消につながる。その上で、認知症になり判断能力がなくなった場合も自分の意思が尊重されるよう元気なうちに備えつつ(「そなえる」)、日々予防に取り組む(「やってみる」)ことが重要との考えで、「わかる」「そなえる」「やってみる」のコンセプトに沿ったサービスを保険商品と一体で提供することで、加入時から保険金支払後まで、トータルでサポートしていく。
 「わかる(認知症を正しく理解する」のサポートでは、冊子「やさしくわかる認知症ガイド」(東京医科歯科大学脳統合機能研究センター認知症研究部門特任教授朝田隆氏監修)を提供。
 「そなえる(判断能力がなくなった場合も本人意思を実現する)」のサポートでは、指定代理請求制度で指定代理請求人を必ず指定してもらう。
 また、認知症になり判断能力が低下した場合に、信頼できる人へ意思を伝えておくことができる任意後見制度が安心して自分らしく過ごすために有益な制度となっているところから「周りに頼れる人がいない」「子どもが遠方に住んでいる」などの理由で、身近で任意後見人を依頼できない契約者に、「GranAge Star」の「任意後見サービス」(有償)の全国での案内を開始する。
 「やってみる(早期発見・重症化予防に資する行動を促す)」のサポートでは、契約者・被保険者を対象に、スマートフォンアプリの認知機能チェック「ONSEI」や「aruku×暮らしの脳トレ」を提供する。
 その他、認知症に不安・悩みを感じた際に気軽に相談・情報収集できるよう、多様な顧客ニーズを踏まえさまざまなインターフェースも用意。㈱ニチイ学館の有資格者(ケアマネジャーなど)が認知症や介護に関する不安・悩みなどの相談を電話や訪問で受ける「認知症・介護あなたのそばのコンシェルジュ」、ニッセイ・ライフプラザでの窓口対応、認知症ウェブサイト「100年人生レシピ」の開設(4月2日から)などが予定されている。
 また、政府が進める「認知症の人もそうでない人も寄り添って共生できる社会づくり」への貢献として、認知症サポーターの養成、認知症をテーマとする日本最大級のイベント「RUN伴(ランとも)」への協賛・参加、子ども・若年層が認知症に関心を持つきっかけを作り認知症を明るく前向きに捉える社会ムーブメントの醸成を目指し「ニッセイ体操つるかめクス」の制作・配信も実施する。